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どうしたって、君には敵わない (6)
2016.05.14 Sat
「しょーがないだろ! コイツがお前に電話しろ、てうるせぇからっ。会いたいとかほざきやがって。そうじゃなかったら、お前になんか電話するかっ」
「……」
苛立たしげに言う隼人の言葉を聞いて、しかし真大は逆ににんまりする。
そうか、翔真が真大に会いたいと言ったのなら仕方がない。うん、それは仕方がない。翔真はもう寝てしまっているけれど、それなら来た甲斐があった。
こんなことで機嫌を直すなんて、単純だとは分かっている。でもやっぱり嬉しいじゃないか。
「翔真くん、翔真くーん、帰るよ」
「…ぅ…」
「翔真くーん」
「……うぅ…ん…」
真大が肩を揺さぶると、わずかに翔真が反応する。
たとえ隼人の奢りでタクシーに乗れるとしても、そこまでは何とか自力で歩いてもらわないと。もちろん真大も肩は貸すけれど、さすがに正体をなくした翔真を抱き上げたり背負ったりするのは、無理があるから。
いや、背負うくらいだったら、やれなくはないか? でも、翔真は上背もあるし、何度も裸を見ているから分かるけれど、結構筋肉もあるから、背負うのも厳しそう…。
「………………。翔真くん、起きないと犯すよ? 今ここでアダッ」
翔真の耳元で物騒なことを囁いた真大の頭は、即座に隼人に叩かれる。それも、結構な力で。
会計伝票を手にした隼人が、真大の背後にいたのだ。
「こんなとこで何言ってんだ、お前はっ…!」
「別に聞こえないでしょ、こんだけうるさいんだから」
しれっと言い返して、真大はわずかに目を開けた翔真を抱き起こす。どうやら肝心なセリフは、隼人にしか届かなかったらしい。
「………………まひろぉ……?」
「そうだよ翔真くん起きて。帰るから」
「んー…………」
まだ半分以上寝惚けている翔真に肩を貸して、真大は席を立った。
これは多分、自分で真大に会いたいと言ったこと自体を忘れているパターンだとは思ったけれど、今はそれを追及しても仕方がないので、真大は翔真を連れて隼人の後に続く。
ここに来て何の飲み食いもしていない真大は、もちろん会計で1円たりとも出すつもりはないけれど、隼人は先ほど真大にタクシー代を渡してくれたから、そのせいで会計が足らなかったら気まずいというか、後々面倒くさいというか、まぁ一応隼人を気遣う気持ちもわずかながらあるので、真大は先にエレヴェータに乗り込むことはせず、隼人を待っていた。
「ホントに…」
「後で翔真くんに請求すればいいじゃん、半分」
「当たり前だ、ボケッ」
どうやら隼人の持ち合わせだけで何とか足りたようで、ブツブツ言いながらも隼人は財布をしまっている。
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「……」
苛立たしげに言う隼人の言葉を聞いて、しかし真大は逆ににんまりする。
そうか、翔真が真大に会いたいと言ったのなら仕方がない。うん、それは仕方がない。翔真はもう寝てしまっているけれど、それなら来た甲斐があった。
こんなことで機嫌を直すなんて、単純だとは分かっている。でもやっぱり嬉しいじゃないか。
「翔真くん、翔真くーん、帰るよ」
「…ぅ…」
「翔真くーん」
「……うぅ…ん…」
真大が肩を揺さぶると、わずかに翔真が反応する。
たとえ隼人の奢りでタクシーに乗れるとしても、そこまでは何とか自力で歩いてもらわないと。もちろん真大も肩は貸すけれど、さすがに正体をなくした翔真を抱き上げたり背負ったりするのは、無理があるから。
いや、背負うくらいだったら、やれなくはないか? でも、翔真は上背もあるし、何度も裸を見ているから分かるけれど、結構筋肉もあるから、背負うのも厳しそう…。
「………………。翔真くん、起きないと犯すよ? 今ここでアダッ」
翔真の耳元で物騒なことを囁いた真大の頭は、即座に隼人に叩かれる。それも、結構な力で。
会計伝票を手にした隼人が、真大の背後にいたのだ。
「こんなとこで何言ってんだ、お前はっ…!」
「別に聞こえないでしょ、こんだけうるさいんだから」
しれっと言い返して、真大はわずかに目を開けた翔真を抱き起こす。どうやら肝心なセリフは、隼人にしか届かなかったらしい。
「………………まひろぉ……?」
「そうだよ翔真くん起きて。帰るから」
「んー…………」
まだ半分以上寝惚けている翔真に肩を貸して、真大は席を立った。
これは多分、自分で真大に会いたいと言ったこと自体を忘れているパターンだとは思ったけれど、今はそれを追及しても仕方がないので、真大は翔真を連れて隼人の後に続く。
ここに来て何の飲み食いもしていない真大は、もちろん会計で1円たりとも出すつもりはないけれど、隼人は先ほど真大にタクシー代を渡してくれたから、そのせいで会計が足らなかったら気まずいというか、後々面倒くさいというか、まぁ一応隼人を気遣う気持ちもわずかながらあるので、真大は先にエレヴェータに乗り込むことはせず、隼人を待っていた。
「ホントに…」
「後で翔真くんに請求すればいいじゃん、半分」
「当たり前だ、ボケッ」
どうやら隼人の持ち合わせだけで何とか足りたようで、ブツブツ言いながらも隼人は財布をしまっている。
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