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どうしたって、君には敵わない (4)
2016.05.12 Thu
「…今、店の中にいるんですけどね。あなたたちの席が分かんないから」
『あっ…』
真大がゆっくりとそう言うと、隼人が焦ったように声を漏らした。
どうやら先ほどの着信も、まだ来ない真大への文句を言うためだったようだ。
『あー、えーっと、こっち、右の奥のほう…』
隼人がエレヴェータのところまで迎えに来てくれたら早いのに…と思うが、酔っ払った翔真がいるので、そうもいかないのだろう。
真大は店員さんに頭を下げてから、隼人の下手くそな誘導に従って店内を進む。1つ角を折れたところで、スマホを片手に、立ち上がって手を振る隼人を発見した。
真大は電話を切ると、駆け出しはしないが、ぐんぐんと足を進めて隼人のもとに向かう。
「どーも」
「お…おぅ…」
真大がニコリともせずに声を掛けると、隼人はビクリと肩を震わせた。
隼人だって、凄めばそれなりに迫力のある見た目はしているものの、どうしても真大には勝てない。こんなかわいい顔をした、年下の男には敵わないのだ。
「一応、どうしたの? て聞いておこっかな」
ベンチ式になっている席で横になっている翔真は、もう完全に熟睡しているようだった。最初の電話の後、真大を待っている間に寝てしまったのだろう。
先ほどの電話で聞いた声だけでも、翔真がいかに酔っ払っていたか分かるが、まだ電車も動いている時間に、酔い潰れて寝てしまうのだから、本当に飲み過ぎているに違いない。
「――――隼人くん、」
「あ、えっとー…、いやっ、普通に飲んで話してたんだよ、ホントっ」
「別にそんなの、初めてじゃないでしょ? なのに何でこんなことになっちゃうわけ?」
「それはー…」
はっきりしない隼人の返事に、今度こそ真大は苛立ちを隠さず、翔真が寝ているベンチの隅に腰を下ろした。
すぐにでも翔真を連れて帰るつもりだったが、これは隼人にしっかり理由を聞かなければ帰れない。聞かずに帰ったら、絶対にこのままはぐらかされるに決まっている。
真大は眼だけで隼人に座るよう促す。あの隼人が大人しく素直に言うことを聞くあたり、真大に対して申し訳ないという気持ちが少なからずあるのだろう。
「いや、あのっ、話が弾んだというか…」
「ふーん」
「…………すいません……」
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『あっ…』
真大がゆっくりとそう言うと、隼人が焦ったように声を漏らした。
どうやら先ほどの着信も、まだ来ない真大への文句を言うためだったようだ。
『あー、えーっと、こっち、右の奥のほう…』
隼人がエレヴェータのところまで迎えに来てくれたら早いのに…と思うが、酔っ払った翔真がいるので、そうもいかないのだろう。
真大は店員さんに頭を下げてから、隼人の下手くそな誘導に従って店内を進む。1つ角を折れたところで、スマホを片手に、立ち上がって手を振る隼人を発見した。
真大は電話を切ると、駆け出しはしないが、ぐんぐんと足を進めて隼人のもとに向かう。
「どーも」
「お…おぅ…」
真大がニコリともせずに声を掛けると、隼人はビクリと肩を震わせた。
隼人だって、凄めばそれなりに迫力のある見た目はしているものの、どうしても真大には勝てない。こんなかわいい顔をした、年下の男には敵わないのだ。
「一応、どうしたの? て聞いておこっかな」
ベンチ式になっている席で横になっている翔真は、もう完全に熟睡しているようだった。最初の電話の後、真大を待っている間に寝てしまったのだろう。
先ほどの電話で聞いた声だけでも、翔真がいかに酔っ払っていたか分かるが、まだ電車も動いている時間に、酔い潰れて寝てしまうのだから、本当に飲み過ぎているに違いない。
「――――隼人くん、」
「あ、えっとー…、いやっ、普通に飲んで話してたんだよ、ホントっ」
「別にそんなの、初めてじゃないでしょ? なのに何でこんなことになっちゃうわけ?」
「それはー…」
はっきりしない隼人の返事に、今度こそ真大は苛立ちを隠さず、翔真が寝ているベンチの隅に腰を下ろした。
すぐにでも翔真を連れて帰るつもりだったが、これは隼人にしっかり理由を聞かなければ帰れない。聞かずに帰ったら、絶対にこのままはぐらかされるに決まっている。
真大は眼だけで隼人に座るよう促す。あの隼人が大人しく素直に言うことを聞くあたり、真大に対して申し訳ないという気持ちが少なからずあるのだろう。
「いや、あのっ、話が弾んだというか…」
「ふーん」
「…………すいません……」
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