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恋は七転び八起き (117)
2016.01.13 Wed
央・槇村
さっそく槇村に電話をしようとしたけれど、早く風呂に入れと母親に怒鳴られたので、央はいつもどおりの烏の行水を済ませて部屋に戻って来たら、槇村からのメッセージが届いていた。
央のほうから連絡しようと思っていたのに…! と思いつつ読み進めると、『明日行きたい場所、決まったか?』『僕はもうオジサンなので、高校生の行きたい場所がさっぱり分かりません』とあって、後半は、冗談として笑っていいのか、フォローしたほうがいいのか、高校生が判断するにはハイレベルな内容だった。
しかし、純平の言ったとおり、槇村は央の行きたいところに連れて行ってくれようと、頭を悩ませていたようだ。
「――――……もしもし…、」
央は、それに返信するのでなく、槇村に電話をした。
このまま返信してもよかったのだが、結局のところ、央もまだ行きたいところを決めかねていて、けれどそれは、単に決められないでいるわけでなく、槇村と同じように考えていたからで、それもちゃんと伝えるのに文章を打つのはまどろっこしかったし、上手く伝えられそうもなかったので。
『央、何だ、行き先決まったか?』
「ずっと考えてたんだけどね、全然決まんないの。だって、槇村くんがどこ行きたいのか、全然思い付かないだもん」
『は? 俺の行きたいとこじゃなくて、お前の』
「…うん。そうだよね。そうなんだよ。でも俺、せっかく槇村くんと出掛けるんだし、槇村くんが楽しんでくれるようなとこがいいな、て思ってて、でもそんなん全然分かんなくて、」
『…………』
「そしたら純平くんがね、槇村くん、俺の行きたいとこに連れてきたいから、行きたい場所聞いたんじゃない? て言って、それで、あ、て思って…」
央は、先ほどの純平とのやり取りを槇村に話した。
槇村からのメッセージを鵜呑みにすれば、純平の言うとおりということになるのだが、それを自ら本人に告げるのは、やっぱり恥ずかしくて、言葉が続かなくなる。
そういえば、さっきから槇村は無言だけれど、もしかしたら央の言ったことが違ったのだろうか。もともとは純平の発想だけれど、これではただ単に央が自意識過剰みたいじゃないか。
「ちょっ槇村くん、何か言ってよっ。恥ずかしいじゃんか!」
『いや…、俺も、央がなかなかどこ行きたいか言ってこないから考えないとダメだなぁ、て思ってたんだけど、高校生が行きたい場所なんて全然分からなくて……、まぁそれは、さっき送ったとおりなんだけど…………ふっ』
「…何笑ってんの」
『同じこと考えてたんだな、て思ったら、ちょっと恥ずかしくなった』
顔は見えないけれど、その声色から、槇村が照れているのが伝わってくる。きっと今、央が槇村の家に泊まったときに垣間見た、あの照れた表情をしているのだろう。
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