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心臓だけを狙っている (11)
2015.05.27 Wed
「何か偶然壁ドンになってた、て。電車で」
「電車で? 揺られちゃって? キャッ! みたいな? ドンッみたいな?」
「いや、分かんねぇけど…」
楽しげにキャピキャピと聞いて来る蒼一郎の説明が下手過ぎて、どんな状況を言おうとしているのか、全然分からない。
まぁ…、和衣の説明も大概だったので、これはこれで正解なのかもしれないが。
「壁ドンかぁ……されたことねぇなぁ」
「いや、普通ねぇだろ」
「したこともない。ショウちゃんはあるでしょ? 壁ドンしたこと」
「ねぇよ。勝手に決め付けんな」
別に悪いことではないんだから、したことがありそうだと言われたって、それほど気を悪くするほどのことではないが、でも何だかそんな少女漫画を地で行くような真似、したことがあると思われるのは恥ずかしい。
「俺…、ショウちゃんみたいにカッコよく壁ドン出来る自信がない…」
「だから、したことねぇっつの。つか、何でお前、壁ドンすることになってんの? 別に無理にしなくてもいいんじゃね?」
誰も蒼一郎に壁ドンをしろとなんて言っていないし、ここまでの話の流れからして、郁雅に壁ドンしてほしいとねだられたわけでもなさそうなのに、どうして壁ドンすることになっているのだ。
もしかして、話をしているうちに、蒼一郎もその気になってしまったのだろうか。
「何かすごいいい雰囲気そうじゃん。ドンッ、キャッ、みたいな」
「いや、『キャッ』はねぇだろ。誰に壁ドンする気なんだよ。イクじゃねぇの?」
蒼一郎の恋人である郁雅が、和衣のように壁ドンをされたがっているかどうかは分かりかねるが、もし壁ドンをして、マンガのようないい雰囲気になったとしても、『キャッ』とは言わないだろう、さすがに。
「こうでしょ? こう」
「お…おぅ」
まさか蒼一郎と2人のときの郁雅は、そんな乙女ぽい一面があるのだろうか…なんて思っていたら、蒼一郎が、特に誰もいない壁に向かって片手を突き、キメ顔を作るので、翔真は口元を引き攣らせながらも頷いた。
それでいい気もするが、何か違う気もする…。
「何か変?」
「いや…、何してんの、お前」
変だとか変じゃないとか、それ以前の話だと思うのだが…。
しかし蒼一郎は結構真面目にやっていたようで、「だって、いざやってみて上手くいかなかったらカッコ悪いじゃん!」なんて言っている。やはり、もう壁ドンをやる気になっているようだ。
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「電車で? 揺られちゃって? キャッ! みたいな? ドンッみたいな?」
「いや、分かんねぇけど…」
楽しげにキャピキャピと聞いて来る蒼一郎の説明が下手過ぎて、どんな状況を言おうとしているのか、全然分からない。
まぁ…、和衣の説明も大概だったので、これはこれで正解なのかもしれないが。
「壁ドンかぁ……されたことねぇなぁ」
「いや、普通ねぇだろ」
「したこともない。ショウちゃんはあるでしょ? 壁ドンしたこと」
「ねぇよ。勝手に決め付けんな」
別に悪いことではないんだから、したことがありそうだと言われたって、それほど気を悪くするほどのことではないが、でも何だかそんな少女漫画を地で行くような真似、したことがあると思われるのは恥ずかしい。
「俺…、ショウちゃんみたいにカッコよく壁ドン出来る自信がない…」
「だから、したことねぇっつの。つか、何でお前、壁ドンすることになってんの? 別に無理にしなくてもいいんじゃね?」
誰も蒼一郎に壁ドンをしろとなんて言っていないし、ここまでの話の流れからして、郁雅に壁ドンしてほしいとねだられたわけでもなさそうなのに、どうして壁ドンすることになっているのだ。
もしかして、話をしているうちに、蒼一郎もその気になってしまったのだろうか。
「何かすごいいい雰囲気そうじゃん。ドンッ、キャッ、みたいな」
「いや、『キャッ』はねぇだろ。誰に壁ドンする気なんだよ。イクじゃねぇの?」
蒼一郎の恋人である郁雅が、和衣のように壁ドンをされたがっているかどうかは分かりかねるが、もし壁ドンをして、マンガのようないい雰囲気になったとしても、『キャッ』とは言わないだろう、さすがに。
「こうでしょ? こう」
「お…おぅ」
まさか蒼一郎と2人のときの郁雅は、そんな乙女ぽい一面があるのだろうか…なんて思っていたら、蒼一郎が、特に誰もいない壁に向かって片手を突き、キメ顔を作るので、翔真は口元を引き攣らせながらも頷いた。
それでいい気もするが、何か違う気もする…。
「何か変?」
「いや…、何してんの、お前」
変だとか変じゃないとか、それ以前の話だと思うのだが…。
しかし蒼一郎は結構真面目にやっていたようで、「だって、いざやってみて上手くいかなかったらカッコ悪いじゃん!」なんて言っている。やはり、もう壁ドンをやる気になっているようだ。
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