スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (24)
2015.04.30 Thu
「琉が写ってる写真だけのセット。新しい写真が入荷するたびに、そういうセットが作られるから、それ買えば、1枚ずつ写真探さなくてもいいでしょ?」
「そ…そういうのがあるんだ…?」
「うん。どのグループもあるよ」
「………………」
琉があまりにも分かっていない様子だったので、遥希が丁寧に説明してくれる。
FATEだけでなく、どのグループでもそうした売り方をしているのだとすれば、遥希のように写真の全買いをする人は、決して少なくないということだ。
有り難いことだが、すごい世界だ…。
しかし、それならばなおのこと、遥希がそこまで恥ずかしがる必要はないと思うのだが…。
「えっと…、ゴメン、ハルちゃん。で、結局何で写真買うのが恥ずかしいんだっけ…? だって、写真全買いするの、ハルちゃんだけじゃないんでしょ?」
「そうだけど…、他の人は写真買ってるの、琉に知られることないじゃん? 琉だって、もしだけど俺の写真が売ってるとして、それ買ってたら、そのこと、俺に知られたら恥ずかしいって思うでしょ?」
「う…うーん…?」
確かにそういうふうに言われれば、気持ちは分からないでもないけれど、しかし、何度も言うようだが、遥希はCDやらコンサートのグッズやら、何から何まで買い尽くしているのだから、写真だけ恥ずかしがる必要もないだろうに。
「もしかしてハルちゃん、その写真で、何か恥ずかしい……言えないようなことしてるの?」
「え?」
「いや、だから、俺の写真でオナニ……」
「ッ! そんなわけないでしょっ!!」
他のものはそうでもないのに、写真だけをそこまで恥ずかしがるなんて、その使い道に、何か知られたら恥ずかしいようなことがあるのだと考えるのは自然だ。
高校生的発想だが、写っている本人に知られて恥ずかしい写真の用途なんて、1人で自身を慰めるときのオカズにするくらいかなぁ…と思ったのだが、即座に否定された。
「違うの?」
「違うに決まってるでしょ! 琉の写真は、ちゃんとアルバムにしまってあるしっ! 何なら見るっ!?」
「えっ、ちょっ待っ…」
遥希が恥ずかしがる理由を琉なりに考えただけであって、別にそれが正解か不正解か、証拠まで見せてほしいとは思っていない。
しかし遥希は、もう何かが吹っ切れたのか、琉の腕の中から抜け出すと、琉が止めるのも聞かず、パタパタと備え付けになっているクローゼットに向かった。
back next
「そ…そういうのがあるんだ…?」
「うん。どのグループもあるよ」
「………………」
琉があまりにも分かっていない様子だったので、遥希が丁寧に説明してくれる。
FATEだけでなく、どのグループでもそうした売り方をしているのだとすれば、遥希のように写真の全買いをする人は、決して少なくないということだ。
有り難いことだが、すごい世界だ…。
しかし、それならばなおのこと、遥希がそこまで恥ずかしがる必要はないと思うのだが…。
「えっと…、ゴメン、ハルちゃん。で、結局何で写真買うのが恥ずかしいんだっけ…? だって、写真全買いするの、ハルちゃんだけじゃないんでしょ?」
「そうだけど…、他の人は写真買ってるの、琉に知られることないじゃん? 琉だって、もしだけど俺の写真が売ってるとして、それ買ってたら、そのこと、俺に知られたら恥ずかしいって思うでしょ?」
「う…うーん…?」
確かにそういうふうに言われれば、気持ちは分からないでもないけれど、しかし、何度も言うようだが、遥希はCDやらコンサートのグッズやら、何から何まで買い尽くしているのだから、写真だけ恥ずかしがる必要もないだろうに。
「もしかしてハルちゃん、その写真で、何か恥ずかしい……言えないようなことしてるの?」
「え?」
「いや、だから、俺の写真でオナニ……」
「ッ! そんなわけないでしょっ!!」
他のものはそうでもないのに、写真だけをそこまで恥ずかしがるなんて、その使い道に、何か知られたら恥ずかしいようなことがあるのだと考えるのは自然だ。
高校生的発想だが、写っている本人に知られて恥ずかしい写真の用途なんて、1人で自身を慰めるときのオカズにするくらいかなぁ…と思ったのだが、即座に否定された。
「違うの?」
「違うに決まってるでしょ! 琉の写真は、ちゃんとアルバムにしまってあるしっ! 何なら見るっ!?」
「えっ、ちょっ待っ…」
遥希が恥ずかしがる理由を琉なりに考えただけであって、別にそれが正解か不正解か、証拠まで見せてほしいとは思っていない。
しかし遥希は、もう何かが吹っ切れたのか、琉の腕の中から抜け出すと、琉が止めるのも聞かず、パタパタと備え付けになっているクローゼットに向かった。
back next
- 関連記事
-
- どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (25) (2015/05/01)
- どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (24) (2015/04/30)
- どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (23) (2015/04/29)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。