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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (5)
2015.04.12 Sun
「俺がハルちゃんの番号知ってんのが嫌だっつーなら、お前、自分でハルちゃんに聞けよ。それか、見なかったことにして……じゃなくて、見間違いってことで、何も聞かないことにするか」
「いや、ちゃんと小野田くんに話を聞け。何も聞かないと、前みたいに1人で凹んで、周りに迷惑が掛かる」
大和と南條から、とても慰めているとは思えないような口振りのセリフが掛けられて、しかしこれも今までの琉の行い故のことだから、何も言い返すことが出来ない。
「でもさぁ、南條。そうは言っても、聞いたら聞いたで、結果次第じゃ…」
「大和ッ!」
縁起でもないことを口走ろうとする大和を、琉はキッと睨む。
琉がヘタレなばかりに、こんなふうに言われるのは分かっているが、その最悪の想像だけは、いくら冗談でもしていただきたくはない。
「水落、お前が自分で小野田くんに確認しろ。確認しないまま勝手に凹んでたら、絶対に許さん」
「南條さん、何か怖いっす…」
大和にそんなことを言われて、やっぱりハルちゃんに聞けない…と琉が密かに思った矢先、南條がビシッとそう言った。
南條だって十分にヘタレのくせに、こんなときだけ、そんなに強気にならなくても…。
「分かったって! 聞くよ、聞く! 今日ハルちゃん、家に来るしね。そのとき、ちゃんと聞きます!」
「何つって」
「え?」
「何つって聞くわけ? ハルちゃんに。今日、どこの女と歩いてたの、て? ベタなドラマだなぁー」
「るせっ」
ヘタレだと思われっ放しなのは嫌だから、遥希にちゃんと確認すると言っているのに、大和がいちいち余計なことを言ってくるから、本当に腹が立つ。
そんな三文芝居みたいな真似、大和に言われるまでもなく、やりはしない。
とはいえ、果たして遥希に何と言って尋ねるべきか、琉はすぐには思い浮かばなかった。
今までに付き合ってきた彼女たちだったら…………何か尋ねるでもなく、見て見ぬふりをしていた気がする。彼女が他の男と一緒にいて、いい気はしないけれど、それ以上でもなかったから。
けれど、遥希に対しては。
真実を聞くのも怖いし、聞き方によって、遥希を傷付けるようなことになってしまうのも嫌だ。
…こんなだから、みんなからヘタレと言われてしまうことは、琉自身が一番よく分かっているのだけれど。
しかし、遥希のことに関しては、琉はどうしても強くはなれないのだ。
(ハルちゃん…)
琉はキュッとこぶしを握り締め、唇を噛んだ。
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「いや、ちゃんと小野田くんに話を聞け。何も聞かないと、前みたいに1人で凹んで、周りに迷惑が掛かる」
大和と南條から、とても慰めているとは思えないような口振りのセリフが掛けられて、しかしこれも今までの琉の行い故のことだから、何も言い返すことが出来ない。
「でもさぁ、南條。そうは言っても、聞いたら聞いたで、結果次第じゃ…」
「大和ッ!」
縁起でもないことを口走ろうとする大和を、琉はキッと睨む。
琉がヘタレなばかりに、こんなふうに言われるのは分かっているが、その最悪の想像だけは、いくら冗談でもしていただきたくはない。
「水落、お前が自分で小野田くんに確認しろ。確認しないまま勝手に凹んでたら、絶対に許さん」
「南條さん、何か怖いっす…」
大和にそんなことを言われて、やっぱりハルちゃんに聞けない…と琉が密かに思った矢先、南條がビシッとそう言った。
南條だって十分にヘタレのくせに、こんなときだけ、そんなに強気にならなくても…。
「分かったって! 聞くよ、聞く! 今日ハルちゃん、家に来るしね。そのとき、ちゃんと聞きます!」
「何つって」
「え?」
「何つって聞くわけ? ハルちゃんに。今日、どこの女と歩いてたの、て? ベタなドラマだなぁー」
「るせっ」
ヘタレだと思われっ放しなのは嫌だから、遥希にちゃんと確認すると言っているのに、大和がいちいち余計なことを言ってくるから、本当に腹が立つ。
そんな三文芝居みたいな真似、大和に言われるまでもなく、やりはしない。
とはいえ、果たして遥希に何と言って尋ねるべきか、琉はすぐには思い浮かばなかった。
今までに付き合ってきた彼女たちだったら…………何か尋ねるでもなく、見て見ぬふりをしていた気がする。彼女が他の男と一緒にいて、いい気はしないけれど、それ以上でもなかったから。
けれど、遥希に対しては。
真実を聞くのも怖いし、聞き方によって、遥希を傷付けるようなことになってしまうのも嫌だ。
…こんなだから、みんなからヘタレと言われてしまうことは、琉自身が一番よく分かっているのだけれど。
しかし、遥希のことに関しては、琉はどうしても強くはなれないのだ。
(ハルちゃん…)
琉はキュッとこぶしを握り締め、唇を噛んだ。
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