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世界はほんの少しの溜め息で出来ている (4)
2015.03.21 Sat
「で? 何かすんの?」
「それを悩んでんの! 何かしたいなぁとは思うけど、その後すぐにクリスマスでしょ? 何したらいいんだろ、て思わない? てか、そんな続けざまに何かしたがるって、ウザいとか思われるかなぁ…」
「いや…」
祐介が、和衣のすることで何かウザいと思うようなことなんか、あるはずがない。それは幼馴染みの睦月でなくたって、翔真にも分かる。
それなのに和衣は、いちいち気にしては、その記念日が来るまでグズグズと悩んだり、浮かれたりしているのだろう。
翔真は祐介とは違うから、そんな和衣に付き合わされるとしたら、それはかなり鬱陶しくてウザい。まぁ、言わないけれど。
「てか、むっちゃん、静かだね。眠くなった?」
髪をあらかた乾かしたところで、翔真はドライヤーを止めて、睦月の顔を覗いた。
油断すると睦月は、湯船に浸かっていても、ご飯を食べていても、眠くなったら寝てしまうのだ。当たり前のように人に髪を乾かしてもらっている最中に、寝ないとは限らない。
「眠くなってない。ビックリして、むしろ目が覚めた」
「何かそんなにビックリすることあったっけ?」
和衣のテンションが妙なことを翔真に教えてくれたのは睦月だから、そこは驚かないはずで、だとすると、今までの会話のどこに、絶句するほどの驚きがあったのだろうか。
「いや…、カズちゃんてそんなに記憶力よかったんだぁ、て」
「ちょっと! どういう意味!?」
和衣もドライヤーを止めて、絡みづらい感じで睦月に突っ掛って来る。
まぁ確かに、『どういう意味!?』と言いたくなる気持ちも、分からないではない。睦月の眠気を覚ますほどの驚きが、そんな失礼なことだったなんて。
「だって、お付き合いした日とか、覚えてるなんて! カズちゃん、すごいね」
「普通覚えてるでしょ、そんなの」
記念日が好きなのは、何も女の子の特権ではない。夢見がちなタイプの和衣は、もちろんそういうことを大切にするほうなので、ちゃんと覚えているし、むしろ覚えていて当然と思っている。
翔真も、和衣ほど記念日に関心があるわけではないが、さすがに恋人と付き合い始めた日くらいは覚えている。
しかし、睦月の驚き方からして、これは完全に覚えていない反応だ。
「普通覚えてるの? 覚えてるのが普通なの? ショウちゃんも覚えてる?」
「え、まぁ…………うん」
首をグリンと傾けて、仰け反るようにして、睦月は翔真を見る。
必ずしも記念日を覚えているのが普通とは限らない、世の中にはいろいろな人がいて、睦月のように記念日には興味のない人だっているだろうけど…………それよりも、こちらに話を振ってくれるな。
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「それを悩んでんの! 何かしたいなぁとは思うけど、その後すぐにクリスマスでしょ? 何したらいいんだろ、て思わない? てか、そんな続けざまに何かしたがるって、ウザいとか思われるかなぁ…」
「いや…」
祐介が、和衣のすることで何かウザいと思うようなことなんか、あるはずがない。それは幼馴染みの睦月でなくたって、翔真にも分かる。
それなのに和衣は、いちいち気にしては、その記念日が来るまでグズグズと悩んだり、浮かれたりしているのだろう。
翔真は祐介とは違うから、そんな和衣に付き合わされるとしたら、それはかなり鬱陶しくてウザい。まぁ、言わないけれど。
「てか、むっちゃん、静かだね。眠くなった?」
髪をあらかた乾かしたところで、翔真はドライヤーを止めて、睦月の顔を覗いた。
油断すると睦月は、湯船に浸かっていても、ご飯を食べていても、眠くなったら寝てしまうのだ。当たり前のように人に髪を乾かしてもらっている最中に、寝ないとは限らない。
「眠くなってない。ビックリして、むしろ目が覚めた」
「何かそんなにビックリすることあったっけ?」
和衣のテンションが妙なことを翔真に教えてくれたのは睦月だから、そこは驚かないはずで、だとすると、今までの会話のどこに、絶句するほどの驚きがあったのだろうか。
「いや…、カズちゃんてそんなに記憶力よかったんだぁ、て」
「ちょっと! どういう意味!?」
和衣もドライヤーを止めて、絡みづらい感じで睦月に突っ掛って来る。
まぁ確かに、『どういう意味!?』と言いたくなる気持ちも、分からないではない。睦月の眠気を覚ますほどの驚きが、そんな失礼なことだったなんて。
「だって、お付き合いした日とか、覚えてるなんて! カズちゃん、すごいね」
「普通覚えてるでしょ、そんなの」
記念日が好きなのは、何も女の子の特権ではない。夢見がちなタイプの和衣は、もちろんそういうことを大切にするほうなので、ちゃんと覚えているし、むしろ覚えていて当然と思っている。
翔真も、和衣ほど記念日に関心があるわけではないが、さすがに恋人と付き合い始めた日くらいは覚えている。
しかし、睦月の驚き方からして、これは完全に覚えていない反応だ。
「普通覚えてるの? 覚えてるのが普通なの? ショウちゃんも覚えてる?」
「え、まぁ…………うん」
首をグリンと傾けて、仰け反るようにして、睦月は翔真を見る。
必ずしも記念日を覚えているのが普通とは限らない、世の中にはいろいろな人がいて、睦月のように記念日には興味のない人だっているだろうけど…………それよりも、こちらに話を振ってくれるな。
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