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恋の女神は微笑まない (281)
2015.02.28 Sat
「…俺も、ちーちゃんがいい」
「……大和くん~…」
それは、今日来たときから大和が言っていたことだけれど、今改めて言われたら、心の中にすごく浸透して来て、ますます涙が止まらなくなる。
2人の気持ちは、もうずっと前から互いへと向いていたけれど、相手の気持ちを誤解したり、口にした言葉を忠実に守ろうとしたりして、好きなのに離れようとしていた。
千尋は、不安から、大和に対する気持ちを封じ込めようとしていた。
でもやっぱり、それは無理だ。
どうしたって、好きだという気持ちには敵わない。
「大和くんが好きだから、離れたくないぃ~…」
「…うん。俺もちーちゃんのことが好きだから、離れたくないよ。そばにいたい。…ゴメン、もう泣かないで? お願い」
「無理ぃ~~…」
千尋だって、出来ることなら早く泣き止みたいけれど、涙腺が壊れてしまったのか、まったく涙が止まらない。
大和は宥めるように千尋の背中をポンポンしてくれて、こんなのまるで子ども扱い…と思ったけれど、これだけ泣いていたら、確かに子どものようなものだ。
後から後から溢れてくる涙をどうにかしたくて、千尋は少しだけ大和の胸から顔を離して、片腕は大和の背中に回したまま、もう片方の手でゴシゴシと目をこする。
一生懸命に鼻を啜っていたから、鼻水は付いてないと思うけれど、涙で大和のダウンジャケットが濡れている。
「ちーちゃん、そんなに目こすったらダメだよ」
「だって、俺、泣いてない、もんっ」
「分かった、分かったから」
大和に言われても、千尋は目をこするのをやめない。
だって、大和に涙を見られるのが恥ずかしい。大和の前で泣くのはこれが初めてではないけれど、やっぱり嫌だ。こんなの、千尋のキャラじゃないもん。
けれど、大和に手を掴まれて、止められた。
「ちーちゃん、顔見せて? お願い」
甘い声がそう囁いて、千尋はそれに首を横に振らなかったけれど、大和に掴まれていないほうの手で涙を拭おうとしたら、そちらの手も掴まれてしまった。
2人で向かい合って、両手を掴み合って…………これは一体、どういう状況? 千尋は必死に俯いて顔を隠しながら考える。たった今、晴れて恋人同士になった2人のすることか?
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「……大和くん~…」
それは、今日来たときから大和が言っていたことだけれど、今改めて言われたら、心の中にすごく浸透して来て、ますます涙が止まらなくなる。
2人の気持ちは、もうずっと前から互いへと向いていたけれど、相手の気持ちを誤解したり、口にした言葉を忠実に守ろうとしたりして、好きなのに離れようとしていた。
千尋は、不安から、大和に対する気持ちを封じ込めようとしていた。
でもやっぱり、それは無理だ。
どうしたって、好きだという気持ちには敵わない。
「大和くんが好きだから、離れたくないぃ~…」
「…うん。俺もちーちゃんのことが好きだから、離れたくないよ。そばにいたい。…ゴメン、もう泣かないで? お願い」
「無理ぃ~~…」
千尋だって、出来ることなら早く泣き止みたいけれど、涙腺が壊れてしまったのか、まったく涙が止まらない。
大和は宥めるように千尋の背中をポンポンしてくれて、こんなのまるで子ども扱い…と思ったけれど、これだけ泣いていたら、確かに子どものようなものだ。
後から後から溢れてくる涙をどうにかしたくて、千尋は少しだけ大和の胸から顔を離して、片腕は大和の背中に回したまま、もう片方の手でゴシゴシと目をこする。
一生懸命に鼻を啜っていたから、鼻水は付いてないと思うけれど、涙で大和のダウンジャケットが濡れている。
「ちーちゃん、そんなに目こすったらダメだよ」
「だって、俺、泣いてない、もんっ」
「分かった、分かったから」
大和に言われても、千尋は目をこするのをやめない。
だって、大和に涙を見られるのが恥ずかしい。大和の前で泣くのはこれが初めてではないけれど、やっぱり嫌だ。こんなの、千尋のキャラじゃないもん。
けれど、大和に手を掴まれて、止められた。
「ちーちゃん、顔見せて? お願い」
甘い声がそう囁いて、千尋はそれに首を横に振らなかったけれど、大和に掴まれていないほうの手で涙を拭おうとしたら、そちらの手も掴まれてしまった。
2人で向かい合って、両手を掴み合って…………これは一体、どういう状況? 千尋は必死に俯いて顔を隠しながら考える。たった今、晴れて恋人同士になった2人のすることか?
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