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27. 不器用でやさしい人だからきっと (後編)
2008.09.05 Fri
やっぱり啓ちゃんがもう帰るって言うから、とりあえず風呂を貸して、着替えを準備してやる。俺って結構甲斐甲斐しいヤツなんだな。
にしても……見かけに依らずって言ったら悪いけど、啓ちゃんて結構一途なんだな、って思った。
いや、好きな人に一途になるのはいいし、きっと俺もそうだとは思うけど、でも暴力振るったり、浮気するような人のことを思い続けるなんてこと、出来るかなぁ。
まぁでも相手も、その日のうちに電話してきたりメールしてきたりしてるわけだから、案外一途なんかも。
………………てか、あれ?
啓ちゃんの話し方だと、昨日の電話の相手から、メールが届いたわけだろ? で、そのメールを送って来たのが、よりを戻そうとしてる元恋人で。
電話の相手 = メールの送信者 = 啓ちゃんの元カノ。
でも昨日、俺が着信に気付いた電話の相手、星野祐二さん。
あれって、どう見ても、女の名前じゃなかったよな。
「は?」
まさか。
まさか、な…。
見間違えただけて、ホントは女の子の名前だったんだよね。うん、あれは女の子の名前なんだ。祐子とかさ。
……うん。
あ、もしくは、あの電話以外に別の電話が掛かって来たんだな。あの電話の星野さんは男の人だけど、それとは別に女の子から掛かってきたんだ。それが啓ちゃんの元カノ。
そのどっちかだ…………と思う、きっと。
「貴久、風呂、ありがとう」
「ッ…あ、うん」
風呂から上がった啓ちゃんに声掛けられて、思わずビクッてなった。「何ビビってんだ」て、啓ちゃんに笑われる。
「あの、啓ちゃ…」
……いや、ちょっと待て。何て聞く気だ? 俺。
啓ちゃんの恋人って、男の人? ―――――って、聞けるかいっ!!
「何?」
「あ……いや、何でも…」
啓ちゃんがそのことについて何も言わないってことは、言わないなりの何か理由があるからだろって思って、聞くのをやめた。
「貴久、……ゴメンな、迷惑掛けたり、心配掛けたりして」
「いや、俺はいいけど、その……気を付けてな?」
何に対して言ってんだろ、でも啓ちゃんは少し笑って、「ありがとう」って言って、出ていった。
「それでも側にいたい、か…」
*****
その、問題の恋人とは、どうやらその後うまく行ったみたいで、週が明けて会社で顔を合わせた啓ちゃんは、いつもどおりの啓ちゃんだった。
頬の腫れはもう引いてて、そして啓ちゃんが一生消えなければいいと言っていた口元の傷も、薄くなって消え掛けていた。
にしても……見かけに依らずって言ったら悪いけど、啓ちゃんて結構一途なんだな、って思った。
いや、好きな人に一途になるのはいいし、きっと俺もそうだとは思うけど、でも暴力振るったり、浮気するような人のことを思い続けるなんてこと、出来るかなぁ。
まぁでも相手も、その日のうちに電話してきたりメールしてきたりしてるわけだから、案外一途なんかも。
………………てか、あれ?
啓ちゃんの話し方だと、昨日の電話の相手から、メールが届いたわけだろ? で、そのメールを送って来たのが、よりを戻そうとしてる元恋人で。
電話の相手 = メールの送信者 = 啓ちゃんの元カノ。
でも昨日、俺が着信に気付いた電話の相手、星野祐二さん。
あれって、どう見ても、女の名前じゃなかったよな。
「は?」
まさか。
まさか、な…。
見間違えただけて、ホントは女の子の名前だったんだよね。うん、あれは女の子の名前なんだ。祐子とかさ。
……うん。
あ、もしくは、あの電話以外に別の電話が掛かって来たんだな。あの電話の星野さんは男の人だけど、それとは別に女の子から掛かってきたんだ。それが啓ちゃんの元カノ。
そのどっちかだ…………と思う、きっと。
「貴久、風呂、ありがとう」
「ッ…あ、うん」
風呂から上がった啓ちゃんに声掛けられて、思わずビクッてなった。「何ビビってんだ」て、啓ちゃんに笑われる。
「あの、啓ちゃ…」
……いや、ちょっと待て。何て聞く気だ? 俺。
啓ちゃんの恋人って、男の人? ―――――って、聞けるかいっ!!
「何?」
「あ……いや、何でも…」
啓ちゃんがそのことについて何も言わないってことは、言わないなりの何か理由があるからだろって思って、聞くのをやめた。
「貴久、……ゴメンな、迷惑掛けたり、心配掛けたりして」
「いや、俺はいいけど、その……気を付けてな?」
何に対して言ってんだろ、でも啓ちゃんは少し笑って、「ありがとう」って言って、出ていった。
「それでも側にいたい、か…」
*****
その、問題の恋人とは、どうやらその後うまく行ったみたいで、週が明けて会社で顔を合わせた啓ちゃんは、いつもどおりの啓ちゃんだった。
頬の腫れはもう引いてて、そして啓ちゃんが一生消えなければいいと言っていた口元の傷も、薄くなって消え掛けていた。
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カテゴリー:アスファルトで溺死。
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
りり ⇒ >寝オチて今頃コメしてます
貴久、啓ちゃんの恋人オンナノコじゃないよ(笑
貴タンいっつもかわいいすね!
啓ちゃんいぢめる恋人のところに帰っちゃった……
心配です(´△`;)
そうこうするうちにも哲タン別の男のものに?!
うあぁ…イヤアァァァァーーー!
如月さま、毎日はらはらします。
貴タンいっつもかわいいすね!
啓ちゃんいぢめる恋人のところに帰っちゃった……
心配です(´△`;)
そうこうするうちにも哲タン別の男のものに?!
うあぁ…イヤアァァァァーーー!
如月さま、毎日はらはらします。
如月久美子 ⇒ >りりさん
わー、この時間、まだすっかり熟睡してましたーーー!!!
結局啓ちゃんは、恋人の元に…。
実際DVの人は、自分が被害に遭ってるのに気付きにくいと言いますし……啓ちゃんが心配です。。。
というか、貴久タンは、鈍感すぎですね!!!
コメント有り難うございました!
結局啓ちゃんは、恋人の元に…。
実際DVの人は、自分が被害に遭ってるのに気付きにくいと言いますし……啓ちゃんが心配です。。。
というか、貴久タンは、鈍感すぎですね!!!
コメント有り難うございました!