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桜舞 (2)
2014.04.23 Wed
「花びら、付いてる」
「…………え?」
「ホラ」
和衣のほうに伸ばされた祐介の手は、和衣を抱き締めるのではなく、和衣の髪に付いた桜の花びらを取ってくれたのだった。
「あ、ホント…」
祐介が、摘んでいた花びらを手放すと、それは風に乗って、飛んで行ってしまった。
(何だ…)
1人で勘違いしていたことに気が付いた和衣は、急に恥ずかしくなって、祐介から顔を背けた。
顔が熱い。
周囲が暗いから、きっと祐介には気付かれてはいないと思うけれど。
「うわっ…」
和衣が1人でドキドキしていたら(いや、祐介もそうだったら嬉しいけれど、彼にはそこまでドキドキする理由がないから)、強い風が吹き抜けていく。
地面に落ちていた花びらも、枝に付いたままの花びらも、舞い上げた。
「あぁー…、こんな風吹いたら、散っちゃうよぉ」
「でも、2人で見られたじゃん。今年、まだちゃんと桜見てなかったよ、俺。ありがとう、和衣」
そう言って、祐介がまた、和衣のほうへ手を伸ばしてくる。
「ぅ? また頭に…」
先ほどの強風で舞い上がった花びらが、また髪に付いたのだろうか。
そう思って、和衣は自分の髪に手を触れようとした――――それよりも先。
「わっ…」
和衣の体は、祐介の腕の中に閉じ込められていた。
「ゆ、ゆぅ…」
和衣はすぐに、祐介に抱き締められているのだと気付いたけれど、気付いたからと言って、何をどう出来るわけでもなく、ただ固まっていた。
「…好き」
「あ、うううううん、俺もっ…」
動揺のあまり、ぜんぜん格好よくも、かわいくもない返事をしてしまう。
こういうのは、和衣が好きそうなロマンチックな展開ではあるけれど、実際にされると、嬉しいのと恥ずかしいのとドキドキし過ぎるので、何が何だか分からなくなる。
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「…………え?」
「ホラ」
和衣のほうに伸ばされた祐介の手は、和衣を抱き締めるのではなく、和衣の髪に付いた桜の花びらを取ってくれたのだった。
「あ、ホント…」
祐介が、摘んでいた花びらを手放すと、それは風に乗って、飛んで行ってしまった。
(何だ…)
1人で勘違いしていたことに気が付いた和衣は、急に恥ずかしくなって、祐介から顔を背けた。
顔が熱い。
周囲が暗いから、きっと祐介には気付かれてはいないと思うけれど。
「うわっ…」
和衣が1人でドキドキしていたら(いや、祐介もそうだったら嬉しいけれど、彼にはそこまでドキドキする理由がないから)、強い風が吹き抜けていく。
地面に落ちていた花びらも、枝に付いたままの花びらも、舞い上げた。
「あぁー…、こんな風吹いたら、散っちゃうよぉ」
「でも、2人で見られたじゃん。今年、まだちゃんと桜見てなかったよ、俺。ありがとう、和衣」
そう言って、祐介がまた、和衣のほうへ手を伸ばしてくる。
「ぅ? また頭に…」
先ほどの強風で舞い上がった花びらが、また髪に付いたのだろうか。
そう思って、和衣は自分の髪に手を触れようとした――――それよりも先。
「わっ…」
和衣の体は、祐介の腕の中に閉じ込められていた。
「ゆ、ゆぅ…」
和衣はすぐに、祐介に抱き締められているのだと気付いたけれど、気付いたからと言って、何をどう出来るわけでもなく、ただ固まっていた。
「…好き」
「あ、うううううん、俺もっ…」
動揺のあまり、ぜんぜん格好よくも、かわいくもない返事をしてしまう。
こういうのは、和衣が好きそうなロマンチックな展開ではあるけれど、実際にされると、嬉しいのと恥ずかしいのとドキドキし過ぎるので、何が何だか分からなくなる。
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