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19. 特別に、あなただけに、こんな気持ちになるんだよ (後編)
2008.08.08 Fri
「……なぁ、口に合わない?」
「え…?」
メシの途中、唐突にそう問われ、何のことか分からず、哲也に視線を合わせる。
「あんまりおいしくなかった? 今日のメシ。それとも、あんま食いたくなかった?」
「何で? そんなことないよ? すげぇうまい」
「無理しなくても」
「そんなことないって。何でそんなこと言うんだよ?」
シュンとしたように視線を落としてる哲也に、ちょっと慌てる。
何でそんなこと言うんだろ。
「だって貴久、帰って来てからあんま喋らないし、メシも何かもそもそ食ってるし…………あんま食いたくなかったのかな、て思って」
「そんなことないよ」
「俺、余計なことした?」
「違うって! …………ちょっと考え事、してて……ゴメン。メシの途中なのに」
ダメだわ。
全然普通でいられない。
何なの、これ。
啓ちゃんが余計なこと言ったからだ。みんな啓ちゃんのせいだ。
「いいんだけど、貴久、ホント具合悪いんじゃないよね?」
「ん、元気いっぱい」
「ふはっ、子供か」
「あはは」
はは……はぁ…。
***
気のせいだ、気のせい。
俺は友情を愛情と勘違いしてんだ。
友達同士やってこんなんあるじゃん?
すっごい仲いい子が、別の知らんヤツと仲良くしてるとき、何かハブられてるみたいで、寂しいみたいな。
それと一緒じゃん。
なぁ?
『なぁ、貴久。もしな、俺がお前以外の男……いや、女の子でもいいわ、話してたとするじゃんか。ナンパされてたりとか』
はぁ。
『声掛けられてるとこ、お前はたまたま見掛けて』
うん。
『そしたらどう思う?』
啓ちゃんが、女の子に逆ナンされてるところを、目撃。
……………………。
『だーかーらー! そういうイライラとか、ムカムカとかしないのかってこと!』
………………うーん……。
「やっぱりしないなぁ」
「は? 何?」
「えっ!?」
「貴久、今何か言わなかった?」
ソファから降りて床にペタンて座ってた哲也が、不思議そうに俺を振り返った。
何か新しい服のデザインするために、テーブルに紙と色鉛筆を広げてる。ホントは1人で集中してやりたいだろうに、テーブルがここにしかないから。
俺は出来る限りボリュームを絞ってテレビを見てたんだけど、画面はいつの間にか見たことないドラマに変わってる。
「テレビに話し掛けたの? おっちゃんだなぁ」
「あ…はは」
哲也は苦笑しながら、再びデザインのほうに意識を向けた。
俺も適当にテレビのチャンネルを替える。普段は見てないけど、知ってる芸人さんの出てるバラエティ番組にチャンネルを合わせた。
「はぁ…」
何で?
もしこれが啓ちゃんだったら、別にどうとも思わないんだよね。
もし声掛けてきた相手が女の子だったら、羨ましいとは思うけど、別にイラッとはこない。声掛けてきたのが男だったら…………ますますもってどうでもいい。
てことはやっぱり、そういうこと!?
俺は哲也のこと、……………………!!
いやいやいや、違うって。気の迷いだって!
「あーーーもうっ!!」
頭がどうにかなりそうで、ソファのひじ掛けに、額をぶつけたった。痛い……アホだ。
「お…貴久? え? どうした? 大丈夫か?」
あんまりにも唐突すぎる(そして奇妙すぎる)俺の行動に、哲也が鉛筆を放り投げて俺のほうにやって来た。
「やっぱ具合悪いの?」
「…………かもしれない」
「えっ? マジで? びょ、病院行かないと!」
「いや、いい…」
「貴久?」
立ち上がろうとした哲也の手を掴んで、捕まえる。
「もうダメだ……どうにかなりそう…」
「貴久…?」
「何でお前なんだよ?」
「は?」
何でお前だけに、こんな気持ちになるわけ?
「え…?」
メシの途中、唐突にそう問われ、何のことか分からず、哲也に視線を合わせる。
「あんまりおいしくなかった? 今日のメシ。それとも、あんま食いたくなかった?」
「何で? そんなことないよ? すげぇうまい」
「無理しなくても」
「そんなことないって。何でそんなこと言うんだよ?」
シュンとしたように視線を落としてる哲也に、ちょっと慌てる。
何でそんなこと言うんだろ。
「だって貴久、帰って来てからあんま喋らないし、メシも何かもそもそ食ってるし…………あんま食いたくなかったのかな、て思って」
「そんなことないよ」
「俺、余計なことした?」
「違うって! …………ちょっと考え事、してて……ゴメン。メシの途中なのに」
ダメだわ。
全然普通でいられない。
何なの、これ。
啓ちゃんが余計なこと言ったからだ。みんな啓ちゃんのせいだ。
「いいんだけど、貴久、ホント具合悪いんじゃないよね?」
「ん、元気いっぱい」
「ふはっ、子供か」
「あはは」
はは……はぁ…。
***
気のせいだ、気のせい。
俺は友情を愛情と勘違いしてんだ。
友達同士やってこんなんあるじゃん?
すっごい仲いい子が、別の知らんヤツと仲良くしてるとき、何かハブられてるみたいで、寂しいみたいな。
それと一緒じゃん。
なぁ?
『なぁ、貴久。もしな、俺がお前以外の男……いや、女の子でもいいわ、話してたとするじゃんか。ナンパされてたりとか』
はぁ。
『声掛けられてるとこ、お前はたまたま見掛けて』
うん。
『そしたらどう思う?』
啓ちゃんが、女の子に逆ナンされてるところを、目撃。
……………………。
『だーかーらー! そういうイライラとか、ムカムカとかしないのかってこと!』
………………うーん……。
「やっぱりしないなぁ」
「は? 何?」
「えっ!?」
「貴久、今何か言わなかった?」
ソファから降りて床にペタンて座ってた哲也が、不思議そうに俺を振り返った。
何か新しい服のデザインするために、テーブルに紙と色鉛筆を広げてる。ホントは1人で集中してやりたいだろうに、テーブルがここにしかないから。
俺は出来る限りボリュームを絞ってテレビを見てたんだけど、画面はいつの間にか見たことないドラマに変わってる。
「テレビに話し掛けたの? おっちゃんだなぁ」
「あ…はは」
哲也は苦笑しながら、再びデザインのほうに意識を向けた。
俺も適当にテレビのチャンネルを替える。普段は見てないけど、知ってる芸人さんの出てるバラエティ番組にチャンネルを合わせた。
「はぁ…」
何で?
もしこれが啓ちゃんだったら、別にどうとも思わないんだよね。
もし声掛けてきた相手が女の子だったら、羨ましいとは思うけど、別にイラッとはこない。声掛けてきたのが男だったら…………ますますもってどうでもいい。
てことはやっぱり、そういうこと!?
俺は哲也のこと、……………………!!
いやいやいや、違うって。気の迷いだって!
「あーーーもうっ!!」
頭がどうにかなりそうで、ソファのひじ掛けに、額をぶつけたった。痛い……アホだ。
「お…貴久? え? どうした? 大丈夫か?」
あんまりにも唐突すぎる(そして奇妙すぎる)俺の行動に、哲也が鉛筆を放り投げて俺のほうにやって来た。
「やっぱ具合悪いの?」
「…………かもしれない」
「えっ? マジで? びょ、病院行かないと!」
「いや、いい…」
「貴久?」
立ち上がろうとした哲也の手を掴んで、捕まえる。
「もうダメだ……どうにかなりそう…」
「貴久…?」
「何でお前なんだよ?」
「は?」
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