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気まぐれシュガー (4)
2014.01.07 Tue
本気で泣き出してしまいそうな睦月をあやしつつ、部屋に戻るべく手を引く。
睦月は、濡れた犬がそうするように、ぶるぶると頭を振って水を飛ばすが、そうすると、亮にも思い切り水が掛かるんですが…。
「あうっ…」
しかも、頭を振り過ぎてクラッとなっているから、亮は睦月の頭をポンポンしてあげる。
まったく、どこまでも手の掛かる子だ。
「亮ー…」
「ぅん?」
「背中冷たいぃ~~~…」
どうやら髪の毛から伝った水や解けた雪が、背中へ回ったらしい。
そういえば睦月は、コートを着て手袋をしているけれど、マフラーは巻いていないし、ふわふわもこもこの帽子も被っていない。それで雪を被ったのだから、冷たさもより一層だろう。
そもそも睦月は大の寒がりで、雪が降らなくたって完全防備なのに、今日は早く雪を構いたいばっかりに、その辺がおざなりになってしまったようだ。
「はい、着きましたよー」
さっきまであんなに元気よく駆け回っていたのだから、部屋までも走って戻ればいいようなものだが、のろのろと歩く睦月にそんな気がないのは分かっていたので、亮もあえて走らなかったせいで、ようやく部屋に到着した。
「ただい…………さむっ!」
雪が降ったのだから、外が寒いのは分かる。当たり前だ。
けれど、一体全体どうして部屋の中まで寒くなければならないのだ。いや、確かに亮は、ストーブを点けることもせずに部屋を飛び出しはしたけれど、それにしたって寒すぎる。
「あ~~~窓っ! 窓開いてるっ!」
「あ、ヤベ」
睦月はずっと繋いでいた亮の手をあっさり解き、靴を脱ぎ散らかして窓辺に駆け寄る。
その間に亮は、急いでストーブを点けてやるけれど、こんな古くて小さいストーブが部屋を暖めるのに、一体どのくらい時間が掛かるのやら…。
「バカッ、バカッ、亮のバカっ」
「ゴメンゴメン、むっちゃんゴメンて」
「に゛ゃ~~~~」
あのときは、早く睦月を止めなければ、という気持ちが先に立って、窓のことなど何も気に留めていなかったのだ。
「ゴメンね、むっちゃん」
「ん゛ん゛ん゛~~~~」
濡れて気持ち悪いのと、冷たいのと、寒いので、すっかりへそを曲げてしまった睦月は、せっかく亮がバスタオルを持って来て拭いてあげようとしているのに、ジタバタと暴れて逃げ出そうとする。
機嫌の悪い猫みたいだ。
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睦月は、濡れた犬がそうするように、ぶるぶると頭を振って水を飛ばすが、そうすると、亮にも思い切り水が掛かるんですが…。
「あうっ…」
しかも、頭を振り過ぎてクラッとなっているから、亮は睦月の頭をポンポンしてあげる。
まったく、どこまでも手の掛かる子だ。
「亮ー…」
「ぅん?」
「背中冷たいぃ~~~…」
どうやら髪の毛から伝った水や解けた雪が、背中へ回ったらしい。
そういえば睦月は、コートを着て手袋をしているけれど、マフラーは巻いていないし、ふわふわもこもこの帽子も被っていない。それで雪を被ったのだから、冷たさもより一層だろう。
そもそも睦月は大の寒がりで、雪が降らなくたって完全防備なのに、今日は早く雪を構いたいばっかりに、その辺がおざなりになってしまったようだ。
「はい、着きましたよー」
さっきまであんなに元気よく駆け回っていたのだから、部屋までも走って戻ればいいようなものだが、のろのろと歩く睦月にそんな気がないのは分かっていたので、亮もあえて走らなかったせいで、ようやく部屋に到着した。
「ただい…………さむっ!」
雪が降ったのだから、外が寒いのは分かる。当たり前だ。
けれど、一体全体どうして部屋の中まで寒くなければならないのだ。いや、確かに亮は、ストーブを点けることもせずに部屋を飛び出しはしたけれど、それにしたって寒すぎる。
「あ~~~窓っ! 窓開いてるっ!」
「あ、ヤベ」
睦月はずっと繋いでいた亮の手をあっさり解き、靴を脱ぎ散らかして窓辺に駆け寄る。
その間に亮は、急いでストーブを点けてやるけれど、こんな古くて小さいストーブが部屋を暖めるのに、一体どのくらい時間が掛かるのやら…。
「バカッ、バカッ、亮のバカっ」
「ゴメンゴメン、むっちゃんゴメンて」
「に゛ゃ~~~~」
あのときは、早く睦月を止めなければ、という気持ちが先に立って、窓のことなど何も気に留めていなかったのだ。
「ゴメンね、むっちゃん」
「ん゛ん゛ん゛~~~~」
濡れて気持ち悪いのと、冷たいのと、寒いので、すっかりへそを曲げてしまった睦月は、せっかく亮がバスタオルを持って来て拭いてあげようとしているのに、ジタバタと暴れて逃げ出そうとする。
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