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もしかしたら君は天使かもしれない。 (66)
2013.11.06 Wed
「………………。あ、反復横跳びじゃない、ほふく前進だった」
亮に聞き返されて、しばし考え込んでいた睦月は、自分の言い間違いに気が付いたのか、死体を指差したまま言い直した。
どうやら、死体が這いずってくるその姿が、ほふく前進をしているように思えたらしい。まぁ…、確かにそう見えなくもない。だが、問題はそこではない。
最初から言い間違いをせず、『ほふく前進』と言っていたとして、だからどうして、そんなことをわざわざ言わなければならないのだ。
「自衛隊!」
しかし、睦月はそんな疑問に答える気などない……というか、疑問に思われているとも思っていないので、さっさと次の話題に移っている(それもまた、不可解なわけだが)。
「自衛隊…て、それ、ほふく前進から思い付いただけでしょ?」
それでも亮は、何とか睦月の気持ちを汲みとって、突っ込んでやる。
死体の彼など、這いつくばって片腕を上げた状態のまま、まったく動けずにいるのに(だって、反復横跳びにしろ、ほふく前進にしろ、それを口にした意味は!?)。
「この人、自衛隊の人」
「絶対違うから」
自衛官がお化け屋敷で死体役に扮しているはずもないし、戦国時代なのか江戸時代なのかは知らないが、この時代設定に自衛隊など存在しないのだから、睦月がどちらの意味で言ったにしても、あり得ない。
「救助しまーすっ!」
「何を」
ただ思い付きで喋っているだけだろうが、睦月は楽しそうに、ビシッと敬礼までしてみせてくれる。それがあまりにもかわいくて、亮はつい顔を綻ばせた。
「お願いしまーすっ! イエッサー!」
「何をお願いしたの? で、何で自分で返事した?」
「サーッ!」
「あぁ、それ言いたいだけね」
もう、驚いてくれ、なんて言わない。
そんな贅沢なことは言わないから、ここはお化け屋敷の中で、2人を驚かすべく這いずって来た血まみれの死体が足元にいるのだから、ほったらかしで、いちゃつくのはやめてくれ。
…という、死体のささやかな願いすら聞き入れられることなく、亮と睦月はキャッキャと先へ進んで行った。
「サーッ!」
「むっちゃん、声おっきいってば」
お化け屋敷の中、仕掛けなどに驚いて悲鳴を上げる人は大勢いるだろうから、大きな声を出すのが悪いわけではない。しかし、睦月の上げている声といったら…。
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亮に聞き返されて、しばし考え込んでいた睦月は、自分の言い間違いに気が付いたのか、死体を指差したまま言い直した。
どうやら、死体が這いずってくるその姿が、ほふく前進をしているように思えたらしい。まぁ…、確かにそう見えなくもない。だが、問題はそこではない。
最初から言い間違いをせず、『ほふく前進』と言っていたとして、だからどうして、そんなことをわざわざ言わなければならないのだ。
「自衛隊!」
しかし、睦月はそんな疑問に答える気などない……というか、疑問に思われているとも思っていないので、さっさと次の話題に移っている(それもまた、不可解なわけだが)。
「自衛隊…て、それ、ほふく前進から思い付いただけでしょ?」
それでも亮は、何とか睦月の気持ちを汲みとって、突っ込んでやる。
死体の彼など、這いつくばって片腕を上げた状態のまま、まったく動けずにいるのに(だって、反復横跳びにしろ、ほふく前進にしろ、それを口にした意味は!?)。
「この人、自衛隊の人」
「絶対違うから」
自衛官がお化け屋敷で死体役に扮しているはずもないし、戦国時代なのか江戸時代なのかは知らないが、この時代設定に自衛隊など存在しないのだから、睦月がどちらの意味で言ったにしても、あり得ない。
「救助しまーすっ!」
「何を」
ただ思い付きで喋っているだけだろうが、睦月は楽しそうに、ビシッと敬礼までしてみせてくれる。それがあまりにもかわいくて、亮はつい顔を綻ばせた。
「お願いしまーすっ! イエッサー!」
「何をお願いしたの? で、何で自分で返事した?」
「サーッ!」
「あぁ、それ言いたいだけね」
もう、驚いてくれ、なんて言わない。
そんな贅沢なことは言わないから、ここはお化け屋敷の中で、2人を驚かすべく這いずって来た血まみれの死体が足元にいるのだから、ほったらかしで、いちゃつくのはやめてくれ。
…という、死体のささやかな願いすら聞き入れられることなく、亮と睦月はキャッキャと先へ進んで行った。
「サーッ!」
「むっちゃん、声おっきいってば」
お化け屋敷の中、仕掛けなどに驚いて悲鳴を上げる人は大勢いるだろうから、大きな声を出すのが悪いわけではない。しかし、睦月の上げている声といったら…。
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