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もしかしたら君は天使かもしれない。 (52)
2013.10.23 Wed
こんなに何度も知らないのかと言われて、それでもムッとしていないのは、本気で睦月がりんご飴について何も知らないからだろう。
「え、お祭りとかでさ、りんご飴、売ってるじゃん。見たことない?」
「んー……ない、かな」
「マジで?」
祭りの屋台で必ずしもあるとは限らないが、20年も生きて来てその存在を知らなかったというのは、ちょっと驚きだ。
亮は驚きを隠せないまま、温まった焼きそばと、自分の分の朝食を持って睦月のところに行った。
「ねぇねぇ先にこれ食べていい? りんご…飴?」
「焼きそば冷めるよ? それに甘いからさ……後からのほうがいいんじゃね?」
「そう?」
ご飯とおやつの区別があまり出来ていない睦月は、自分が食べたかったら順番も何もなく食べてしまうので、初めてのりんご飴は我慢できないかと思いきや、わけが分からな過ぎたのか、素直に亮の言うことを聞いて、りんご飴を置いた。
「つか亮、今日どっか行く?」
「ぅん?」
「行かないならさぁ、浴衣着て写真撮ろ? 昨日カズちゃんたちの写真送ったら、お母さんに、俺の写真がない、つって怒られたし…」
割りばしをガシガシ噛みながら、睦月は溜め息を零した。
そういえば昨日、和衣と祐介の浴衣姿の写真をお母さんに送って満足したのも束の間、すぐさま電話が掛かって来て、祐介が格好いいことと和衣がかわいいことを捲し立てられた後、睦月の写真がないと怒られたのだ。
このまま電話で親子ゲンカが始まるのかと、亮は内心冷や冷やしたのだが、何と珍しいことに、睦月は何も反論することなく、素直に謝ったのである。
さすがの睦月も、お母さんには敵わないらしい。
「…つかさ、別に睦月が出掛ける気ないならそれでもいいんだけど、せっかく浴衣着るのに、写真だけ撮ってすぐ脱ぐの? 浴衣で出掛けようよ」
「亮、カズちゃんみたい」
暑いから嫌だと、即行で返事が来るかと思いきや、睦月はふにゃりと表情を崩す。
本気で嫌なら即答するはずだから、これはちょっと脈ありだ。
「でもどこ行くのー? 何でもないのに、浴衣着てく?」
「まぁそうなんだけど…」
睦月に言われて、亮は口籠る。
目的がなければ浴衣を着てはいけないということはないのだから、何を躊躇うこともないのだが、何もないのに浴衣を着るという習慣は、残念ながらそれほど根付いていないわけで。
自分から、睦月と一緒の浴衣で出掛けたいと言っておきながら、亮はどうしていいか分からなくなる。
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「え、お祭りとかでさ、りんご飴、売ってるじゃん。見たことない?」
「んー……ない、かな」
「マジで?」
祭りの屋台で必ずしもあるとは限らないが、20年も生きて来てその存在を知らなかったというのは、ちょっと驚きだ。
亮は驚きを隠せないまま、温まった焼きそばと、自分の分の朝食を持って睦月のところに行った。
「ねぇねぇ先にこれ食べていい? りんご…飴?」
「焼きそば冷めるよ? それに甘いからさ……後からのほうがいいんじゃね?」
「そう?」
ご飯とおやつの区別があまり出来ていない睦月は、自分が食べたかったら順番も何もなく食べてしまうので、初めてのりんご飴は我慢できないかと思いきや、わけが分からな過ぎたのか、素直に亮の言うことを聞いて、りんご飴を置いた。
「つか亮、今日どっか行く?」
「ぅん?」
「行かないならさぁ、浴衣着て写真撮ろ? 昨日カズちゃんたちの写真送ったら、お母さんに、俺の写真がない、つって怒られたし…」
割りばしをガシガシ噛みながら、睦月は溜め息を零した。
そういえば昨日、和衣と祐介の浴衣姿の写真をお母さんに送って満足したのも束の間、すぐさま電話が掛かって来て、祐介が格好いいことと和衣がかわいいことを捲し立てられた後、睦月の写真がないと怒られたのだ。
このまま電話で親子ゲンカが始まるのかと、亮は内心冷や冷やしたのだが、何と珍しいことに、睦月は何も反論することなく、素直に謝ったのである。
さすがの睦月も、お母さんには敵わないらしい。
「…つかさ、別に睦月が出掛ける気ないならそれでもいいんだけど、せっかく浴衣着るのに、写真だけ撮ってすぐ脱ぐの? 浴衣で出掛けようよ」
「亮、カズちゃんみたい」
暑いから嫌だと、即行で返事が来るかと思いきや、睦月はふにゃりと表情を崩す。
本気で嫌なら即答するはずだから、これはちょっと脈ありだ。
「でもどこ行くのー? 何でもないのに、浴衣着てく?」
「まぁそうなんだけど…」
睦月に言われて、亮は口籠る。
目的がなければ浴衣を着てはいけないということはないのだから、何を躊躇うこともないのだが、何もないのに浴衣を着るという習慣は、残念ながらそれほど根付いていないわけで。
自分から、睦月と一緒の浴衣で出掛けたいと言っておきながら、亮はどうしていいか分からなくなる。
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