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もしかしたら君は天使かもしれない。 (27)
2013.09.28 Sat
「翔真くん?」
「…………。マジ、怒ってないし、」
「…うん」
「でも何か1人で大人げなかったから、だから、何か…」
尻すぼまりに翔真の声が小さくなっていって、聞き取れなくなって。
でも真大は、翔真の次の言葉を待った。
きっと彼にも思うところがあって、なかなか言い出せないんだろうから。
「何か…、何かお前が、全部自分が悪いみたいなこと言うし、浴衣も何とかするし、とか言うし、」
「だってそれは、俺が悪かったから…。浴衣は汚さない約束だったの、俺が破っちゃったでしょ?」
「そうだけど! でもそんな、何でもかんでもお前に任せきりなのはヤなの! 分かれよ!」
「…………」
最後は声を大きくして、翔真は掴んでいた真大の腕を放した。
そこで真大は、翔真がこんな拗ねたような態度を取っていたのか、ようやく気が付いた。
浴衣が汚れたら『俺が何とかする』と言った真大に、翔真は当然だという態度だったけれど、本当に何もかも委ねてしまうのは、年上としてのプライドが許さなかったのだろう。
そんなことくらい…と言われそうだけれど、真大も男だから翔真の気持ちは分かる……分かっていたのに、目の前のご機嫌取りに必死で、気付かなかった。
…翔真のことを笑えないくらい、鈍感だ。
「もーヤダ。何言ってんの、俺…」
深い溜め息をついて、翔真は抱えた膝に顔をうずめた。
どうやら翔真は、さらに自己嫌悪のループに陥ってしまったようだ。
そんなこと別に気にすることもないのに、と真大は思うけれど、いやきっと翔真もそれは分かっているのだろうけど、自分の心が納得し切れていないのかもしれない。
「ね、翔真くん。顔上げて? 仲直り……て、別にケンカしてたわけじゃないけど、でもまぁ何ていうか……仲直り、しよ?」
「……」
「ダメ?」
こんな言葉で、翔真を説得できるとは思っていないけれど、このままなのは嫌だから。
いつもみたいに、笑い合いたい。
「翔真くん、」
「……」
「あの……――――うわっ!?」
やっぱり、今は何を言っても翔真の心には響かないのかもしれない――――なんて真大が思ったのも束の間。
バッとタオルケットを跳ねのけた翔真が、真大に抱き付いて、いや飛び付いてきた。
「ちょっ翔真くん!?」
もちろん真大は何も構えていなかったから、そのまま後ろに引っ繰り返った。
ベッドの上だったからよかったものの、下手したら後頭部を強打しているところだった。
「バカ、好きだよっ!」
「翔真くん…」
ギュウと真大に抱き付く翔真は、肩口に顔をうずめているから、その表情を窺うことは出来ない。
でも、触れるぬくもりと、抱き付く腕の強さと、その言葉から、翔真の気持ちが伝わってくる。
「…ん、俺も好きだよ」
真大も、翔真の背中に腕を回す。
今日は一波乱も二波乱もあったけれど、互いに好きだという気持ちが伝わり合えば、それでいい。
だから浴衣のことは、また明日、考えよっか。
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「…………。マジ、怒ってないし、」
「…うん」
「でも何か1人で大人げなかったから、だから、何か…」
尻すぼまりに翔真の声が小さくなっていって、聞き取れなくなって。
でも真大は、翔真の次の言葉を待った。
きっと彼にも思うところがあって、なかなか言い出せないんだろうから。
「何か…、何かお前が、全部自分が悪いみたいなこと言うし、浴衣も何とかするし、とか言うし、」
「だってそれは、俺が悪かったから…。浴衣は汚さない約束だったの、俺が破っちゃったでしょ?」
「そうだけど! でもそんな、何でもかんでもお前に任せきりなのはヤなの! 分かれよ!」
「…………」
最後は声を大きくして、翔真は掴んでいた真大の腕を放した。
そこで真大は、翔真がこんな拗ねたような態度を取っていたのか、ようやく気が付いた。
浴衣が汚れたら『俺が何とかする』と言った真大に、翔真は当然だという態度だったけれど、本当に何もかも委ねてしまうのは、年上としてのプライドが許さなかったのだろう。
そんなことくらい…と言われそうだけれど、真大も男だから翔真の気持ちは分かる……分かっていたのに、目の前のご機嫌取りに必死で、気付かなかった。
…翔真のことを笑えないくらい、鈍感だ。
「もーヤダ。何言ってんの、俺…」
深い溜め息をついて、翔真は抱えた膝に顔をうずめた。
どうやら翔真は、さらに自己嫌悪のループに陥ってしまったようだ。
そんなこと別に気にすることもないのに、と真大は思うけれど、いやきっと翔真もそれは分かっているのだろうけど、自分の心が納得し切れていないのかもしれない。
「ね、翔真くん。顔上げて? 仲直り……て、別にケンカしてたわけじゃないけど、でもまぁ何ていうか……仲直り、しよ?」
「……」
「ダメ?」
こんな言葉で、翔真を説得できるとは思っていないけれど、このままなのは嫌だから。
いつもみたいに、笑い合いたい。
「翔真くん、」
「……」
「あの……――――うわっ!?」
やっぱり、今は何を言っても翔真の心には響かないのかもしれない――――なんて真大が思ったのも束の間。
バッとタオルケットを跳ねのけた翔真が、真大に抱き付いて、いや飛び付いてきた。
「ちょっ翔真くん!?」
もちろん真大は何も構えていなかったから、そのまま後ろに引っ繰り返った。
ベッドの上だったからよかったものの、下手したら後頭部を強打しているところだった。
「バカ、好きだよっ!」
「翔真くん…」
ギュウと真大に抱き付く翔真は、肩口に顔をうずめているから、その表情を窺うことは出来ない。
でも、触れるぬくもりと、抱き付く腕の強さと、その言葉から、翔真の気持ちが伝わってくる。
「…ん、俺も好きだよ」
真大も、翔真の背中に腕を回す。
今日は一波乱も二波乱もあったけれど、互いに好きだという気持ちが伝わり合えば、それでいい。
だから浴衣のことは、また明日、考えよっか。
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ちよ ⇒
両想いになるまで長かったお二人さん。
ラブラブなお二人さんだけど
メインになるお話が余りなかったので
今回は堪能いたしました~!!
お二人さんだけのお祭りは…
ドキドキ~(*゚д゚*)
想い会うお二人さんの想いが溢れていて、
ショウちゃんの意外な乙女ちっくな一面も見れて、
ニヤニヤ ~(・∀・)
でも、でも、天使ちゃんは…!?
ラブラブなお二人さんだけど
メインになるお話が余りなかったので
今回は堪能いたしました~!!
お二人さんだけのお祭りは…
ドキドキ~(*゚д゚*)
想い会うお二人さんの想いが溢れていて、
ショウちゃんの意外な乙女ちっくな一面も見れて、
ニヤニヤ ~(・∀・)
でも、でも、天使ちゃんは…!?
- |2013.09.28
- |Sat
- |07:37
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
この2人はエチが書きやすいので(爆)、ついこういうお話に…。
真大タンがSなのは、以前にやったSM度チェック! で判明しているんですが、翔ちゃんはやっぱりちょっとMかなぁ…て思いながら書いたら、結構なドMになってしまった。。。
乙女はカズちゃんだけかと思いきや、翔ちゃんもそうですよね、意外と。
むっちゃんは子どもだけれど、結構現実的。ロマンチックじゃお腹いっぱいになんないから(笑)
ニヤニヤしていただけたら幸いです。
というか、夏はもう終わりなのに、お話はまだまだ続きます~(>_<)
コメントありがとうございました!
真大タンがSなのは、以前にやったSM度チェック! で判明しているんですが、翔ちゃんはやっぱりちょっとMかなぁ…て思いながら書いたら、結構なドMになってしまった。。。
乙女はカズちゃんだけかと思いきや、翔ちゃんもそうですよね、意外と。
むっちゃんは子どもだけれど、結構現実的。ロマンチックじゃお腹いっぱいになんないから(笑)
ニヤニヤしていただけたら幸いです。
というか、夏はもう終わりなのに、お話はまだまだ続きます~(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2013.09.28
- |Sat
- |23:22
- |URL
- |EDIT|