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パニエの下の誘惑 (7)
2013.05.20 Mon
イライラしながら、先生の後に続いてキッチンに向かう。
先生は料理をしないらしいけど、そんなのがもったいないくらいの、すてきなキッチン。まぁ、これだけの部屋なんだから、キッチンだってそれ相応のもので当然だろうけど。
「ねぇねぇマナくん。マナくんがオムライス作ってるトコは、撮ってもいい?」
先生が買って来た材料の入ってる袋をカウンターに置いたら、ダイニングテーブルのところの椅子に後ろ向きに座った先生が、スマホを弄りながら、首を傾げている。
「…下からとか、変なのじゃなかったら」
ダメだと言ったら、先生はまたごねて、同じことの繰り返しになると思ったから、条件を付けて、最初から承諾した(これは……流されたうちに入らないよな?)。
でもこの作戦は功を奏したみたいで、先生は素直に「うん!」と言って来た。
俺は溜め息を零しつつ、カウンターに向き直る。袋の中から取り出した材料は、さっき先生が割っちゃった卵のせいで若干汚れてるけど、何とかなりそうだ。
それよりも、その卵でこのメイド服を汚さないように気を付けないと。
…いや、本当の、本物のメイドが仕事をするのに、メイド服やエプロンが汚れるのは仕方ないけど、飽くまでコスプレの衣装としてなら、やっぱ汚すのはマズイ。
コスプレの衣装て激安のもあるけど、今俺が着てるヤツは生地も縫製もよさそうだから、絶対に安くはないと思う。そんなの着て料理するなんて…………エプロンしてるのに、その上から別のエプロン付けたい気分。
「先生、」
「ご主人様!」
「…ご主人様、ご飯てこのパックのご飯使っていいんですか?」
「あ、そうそう。ご飯どうやって作ったらいいか分かんないから、買って来てみた」
「作ったら、て……どうやって炊いたらいいか分かんない、てこと?」
「うん」
まさかと思って聞いてみたら、先生はあっさりと頷いた。
そりゃ、その森下さんて人がいなかったら、飲まず食わずにもなりかねないわ。
俺は何度目になるか溜め息をついて、ご飯のパックを持って、レンジに向かった。
レンジもそうだけど、フライパンとか調理器具、勝手に使っちゃっていいんだよね? いちいち断りとか入れるのも面倒くさいし、言っても先生、何のことか分かんなそうだし。
「え、ご飯それだけで足りんの? 1回に1個しかあっためらんないの?」
何分レンジに掛けたらいいか確認してたら、先生がちょこちょこと後ろにやって来て、俺の手元を覗き込んだ。
確かにご飯のパックは、何個かあった。でもこういうのって、1パックで1食分なんじゃないの?
「先生、そんなに食べんの?」
「ご主人様ね。つか、じゃなくて、マナくん食わないの?」
「は?」
いちいち『ご主人様』て呼ぶように訂正されるのは面倒くさいけど、それよりも、何か先生の中で、俺も一緒に食うことになってるみたいなのが、気になるんですが…。
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先生は料理をしないらしいけど、そんなのがもったいないくらいの、すてきなキッチン。まぁ、これだけの部屋なんだから、キッチンだってそれ相応のもので当然だろうけど。
「ねぇねぇマナくん。マナくんがオムライス作ってるトコは、撮ってもいい?」
先生が買って来た材料の入ってる袋をカウンターに置いたら、ダイニングテーブルのところの椅子に後ろ向きに座った先生が、スマホを弄りながら、首を傾げている。
「…下からとか、変なのじゃなかったら」
ダメだと言ったら、先生はまたごねて、同じことの繰り返しになると思ったから、条件を付けて、最初から承諾した(これは……流されたうちに入らないよな?)。
でもこの作戦は功を奏したみたいで、先生は素直に「うん!」と言って来た。
俺は溜め息を零しつつ、カウンターに向き直る。袋の中から取り出した材料は、さっき先生が割っちゃった卵のせいで若干汚れてるけど、何とかなりそうだ。
それよりも、その卵でこのメイド服を汚さないように気を付けないと。
…いや、本当の、本物のメイドが仕事をするのに、メイド服やエプロンが汚れるのは仕方ないけど、飽くまでコスプレの衣装としてなら、やっぱ汚すのはマズイ。
コスプレの衣装て激安のもあるけど、今俺が着てるヤツは生地も縫製もよさそうだから、絶対に安くはないと思う。そんなの着て料理するなんて…………エプロンしてるのに、その上から別のエプロン付けたい気分。
「先生、」
「ご主人様!」
「…ご主人様、ご飯てこのパックのご飯使っていいんですか?」
「あ、そうそう。ご飯どうやって作ったらいいか分かんないから、買って来てみた」
「作ったら、て……どうやって炊いたらいいか分かんない、てこと?」
「うん」
まさかと思って聞いてみたら、先生はあっさりと頷いた。
そりゃ、その森下さんて人がいなかったら、飲まず食わずにもなりかねないわ。
俺は何度目になるか溜め息をついて、ご飯のパックを持って、レンジに向かった。
レンジもそうだけど、フライパンとか調理器具、勝手に使っちゃっていいんだよね? いちいち断りとか入れるのも面倒くさいし、言っても先生、何のことか分かんなそうだし。
「え、ご飯それだけで足りんの? 1回に1個しかあっためらんないの?」
何分レンジに掛けたらいいか確認してたら、先生がちょこちょこと後ろにやって来て、俺の手元を覗き込んだ。
確かにご飯のパックは、何個かあった。でもこういうのって、1パックで1食分なんじゃないの?
「先生、そんなに食べんの?」
「ご主人様ね。つか、じゃなくて、マナくん食わないの?」
「は?」
いちいち『ご主人様』て呼ぶように訂正されるのは面倒くさいけど、それよりも、何か先生の中で、俺も一緒に食うことになってるみたいなのが、気になるんですが…。
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