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残念ながら、あなたのことは何も分かってあげられないようです (3)
2013.04.22 Mon
「マナくん、1人で授業サボってて、寂しくない?」
「うっさいよ。先生こそ、何してんだよ」
「ウロウロ」
「何で」
まさか先生が授業をサボるわけがないから、今は授業がないんだろう。
でもそれにしたって、何でウロウロする必要があんの? ホント、意味分かんない。
「でも、俺がウロウロしていたおかげで、マナくんは俺と出会えた!」
「何それ」
出会ったのが嫌なわけじゃないけど(いや、何か思った以上に面倒くさいから、やっぱ嫌かな…)、でも別に出会いを望んでいたわけでもないし、そんな恩着せがましく言われても…。
「…変なの」
「変じゃないよ。俺は、1人で寂しく授業をサボっているマナくんの心の支えになろうと…」
「うっせぇよっ」
確かに授業はサボってるし、今は1人でいるけど、友だちが来るのを待ってるだけで、別に寂しくしてるわけじゃない。
勝手に一人ぼっちキャラにすんじゃねぇよ。
「マナくんは、怒ると、口が悪くなる」
「知るかよ。先生が怒らすんじゃん」
「グフフ」
俺が怒ってるって分かってるくせに、何でわざわざそんなこと言うんだろう(しかも、また笑ってるし)。
本気で怒ってるわけじゃないけどさ。
「…ていうか、何でそこにしゃがんでるんですか?」
三木本先生が俺の前にしゃがんだままだから、気になって仕方ない。
何なの、この体勢。どっかに行ってくれるのが一番いいけど、せめて立つとか、隣に座るとかしてくれたらいいのに。
「マナくんをジロジロ見るため」
「キモいです」
ジロジロ見られるのも嫌だが、100万歩譲ってそれを許したとして、それでも、そこにしゃがんでいる理由になんかならない。
人がベンチに座ってる前にしゃがんでるなんて、どう考えても変だし、いや、先生が勝手に変だと思われてる分にはいいんだけど、この状況だと、俺までそう思われるから、それが嫌だ。
しかも、ウチの大学は理学系の学部がないから、構内で白衣を着ているのはこの人くらいで、ちょっと見れば、しゃがんでいるのが三木本先生だとすぐに分かる。
学生が先生をしゃがませて……て、あんまりいい感じじゃない。
「どっか行って…」
「あ、チャイム。じゃあね、マナくん。またね」
「は? え、はい」
テコでも動かないつもりなんじゃ…と一瞬心配になったのに、終業のチャイムが鳴ったかと思うと、先生はいきなりそう言って立ち上がるから、俺は呆気に取られた。
そして先生は、あの変な笑い方をしながら、バイバイて手を振って、あっさりと立ち去っていってしまった。
「何だったんだ…」
あまりに唐突で衝撃的な出来事に、俺は結局友だちにメールを送りそびれてしまったが、それにすら気付けずにいた。
残念ながら、あなたのことは何も
分かってあげられないようです
(…てか、三木本先生、何で俺の名前、知ってんだ?)
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「うっさいよ。先生こそ、何してんだよ」
「ウロウロ」
「何で」
まさか先生が授業をサボるわけがないから、今は授業がないんだろう。
でもそれにしたって、何でウロウロする必要があんの? ホント、意味分かんない。
「でも、俺がウロウロしていたおかげで、マナくんは俺と出会えた!」
「何それ」
出会ったのが嫌なわけじゃないけど(いや、何か思った以上に面倒くさいから、やっぱ嫌かな…)、でも別に出会いを望んでいたわけでもないし、そんな恩着せがましく言われても…。
「…変なの」
「変じゃないよ。俺は、1人で寂しく授業をサボっているマナくんの心の支えになろうと…」
「うっせぇよっ」
確かに授業はサボってるし、今は1人でいるけど、友だちが来るのを待ってるだけで、別に寂しくしてるわけじゃない。
勝手に一人ぼっちキャラにすんじゃねぇよ。
「マナくんは、怒ると、口が悪くなる」
「知るかよ。先生が怒らすんじゃん」
「グフフ」
俺が怒ってるって分かってるくせに、何でわざわざそんなこと言うんだろう(しかも、また笑ってるし)。
本気で怒ってるわけじゃないけどさ。
「…ていうか、何でそこにしゃがんでるんですか?」
三木本先生が俺の前にしゃがんだままだから、気になって仕方ない。
何なの、この体勢。どっかに行ってくれるのが一番いいけど、せめて立つとか、隣に座るとかしてくれたらいいのに。
「マナくんをジロジロ見るため」
「キモいです」
ジロジロ見られるのも嫌だが、100万歩譲ってそれを許したとして、それでも、そこにしゃがんでいる理由になんかならない。
人がベンチに座ってる前にしゃがんでるなんて、どう考えても変だし、いや、先生が勝手に変だと思われてる分にはいいんだけど、この状況だと、俺までそう思われるから、それが嫌だ。
しかも、ウチの大学は理学系の学部がないから、構内で白衣を着ているのはこの人くらいで、ちょっと見れば、しゃがんでいるのが三木本先生だとすぐに分かる。
学生が先生をしゃがませて……て、あんまりいい感じじゃない。
「どっか行って…」
「あ、チャイム。じゃあね、マナくん。またね」
「は? え、はい」
テコでも動かないつもりなんじゃ…と一瞬心配になったのに、終業のチャイムが鳴ったかと思うと、先生はいきなりそう言って立ち上がるから、俺は呆気に取られた。
そして先生は、あの変な笑い方をしながら、バイバイて手を振って、あっさりと立ち去っていってしまった。
「何だったんだ…」
あまりに唐突で衝撃的な出来事に、俺は結局友だちにメールを送りそびれてしまったが、それにすら気付けずにいた。
残念ながら、あなたのことは何も
分かってあげられないようです
(…てか、三木本先生、何で俺の名前、知ってんだ?)
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