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愛には逆らえない (1)
2013.02.27 Wed
バレンタイン小説、もういっちょ。
カフェSpicaの朝は、毎日大体8時くらいに始まる。開店の準備のため、オーナー兼フロア係の朋文か、調理担当の譲のどちらかが出勤してくるからだ。
ちなみに、どちらが先に着いてもいいように2人ともが店の鍵を持っていて、先に来たほうが鍵を開けることになっているのだが、今日のその役目は譲となった。
…いや、そうなるように、早めに家を出て来た。朋文は徒歩通勤だから、地下鉄を乗り継いでくる譲と違って、出勤時間が微妙にまちまちなので、いつもより2つも早い電車に乗って。
だって、今日はバレンタインだ。
いい年した、いかつい坊主頭の男が何を抜かしてやがるだけれど、でもやっぱり朋文にチョコレートを上げたいな、と。まぁ、そう思ってしまったわけで。
渡すタイミングは、仕事が始まる前か、終わった後のどちらか、2人きりになったとき。
頭の中でシュミレーションしてみた譲は、仕事の後だと、今日1日、ずっとドキドキしていなければならないことに気付き、仕事の前に渡すことに決めた。
他のバイト店員が来る前、朋文と2人きりのうちにさっさと渡して、後は仕事に専念すればいい。
いくら朋文が『THE 空気読めない男』でも、仕事中に、譲からチョコを貰ったことを態度に出すわけがないから、譲も何も気まずくはないのだ。
よし、これでバッチリ――――――と思っていたのに。
「おはようございま~す…」
「何でおめぇのほうが早く来んだよっ!!」
ただ朋文を待っているだけだと落ち着かないので、先に開店の準備をしていた譲は、ドアが開いて現れた亜沙美の姿に、思わず声を張り上げて突っ込んだ。
遅刻するよりは、早く出勤するに越したことはない。
しかしバイトの出勤時間自体はまだ先で、彼女はいつもそれに忠実にやって来るというのに、今日は一体どうしたというのだ。いや、今日という日だからこそか。
「…………、譲さーん、これをどうぞー…」
「あ゛ぁっ?」
もともとの性格は優しく情に厚い男なのだが、見た目が見た目なだけに、凄んだら誰もが怯むのが譲なのだが、それに一切動じないのが亜沙美である。
理不尽にも、非常に不機嫌そうに睨み付けてみたが、やはりそれは亜沙美には何の効果もなく、亜沙美はカバンの中から取り出した包みを、譲に差し出した。
「…何だよ?」
「チョコレートですー。バレンタインなので…」
「お、おぅ…」
朋文にチョコを上げることに気を取られ、譲は自分も貰えるのだということをすっかり失念していたから、亜沙美にそう言われて、思わず毒気を抜かれてしまった。
彼女が、こうした慣わしを律儀に実行するとも思っていなかったし。
「悪ぃな、サンキュ…………て、え? マジでこれくれんの?」
「マジですー」
亜沙美がくれたのは、義理で贈るにはちょっとどころでなく、レベルの高いチョコ。
譲は、今までに付き合って来た数々の女からだって、こんなチョコ、貰ったことがない。
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カフェSpicaの朝は、毎日大体8時くらいに始まる。開店の準備のため、オーナー兼フロア係の朋文か、調理担当の譲のどちらかが出勤してくるからだ。
ちなみに、どちらが先に着いてもいいように2人ともが店の鍵を持っていて、先に来たほうが鍵を開けることになっているのだが、今日のその役目は譲となった。
…いや、そうなるように、早めに家を出て来た。朋文は徒歩通勤だから、地下鉄を乗り継いでくる譲と違って、出勤時間が微妙にまちまちなので、いつもより2つも早い電車に乗って。
だって、今日はバレンタインだ。
いい年した、いかつい坊主頭の男が何を抜かしてやがるだけれど、でもやっぱり朋文にチョコレートを上げたいな、と。まぁ、そう思ってしまったわけで。
渡すタイミングは、仕事が始まる前か、終わった後のどちらか、2人きりになったとき。
頭の中でシュミレーションしてみた譲は、仕事の後だと、今日1日、ずっとドキドキしていなければならないことに気付き、仕事の前に渡すことに決めた。
他のバイト店員が来る前、朋文と2人きりのうちにさっさと渡して、後は仕事に専念すればいい。
いくら朋文が『THE 空気読めない男』でも、仕事中に、譲からチョコを貰ったことを態度に出すわけがないから、譲も何も気まずくはないのだ。
よし、これでバッチリ――――――と思っていたのに。
「おはようございま~す…」
「何でおめぇのほうが早く来んだよっ!!」
ただ朋文を待っているだけだと落ち着かないので、先に開店の準備をしていた譲は、ドアが開いて現れた亜沙美の姿に、思わず声を張り上げて突っ込んだ。
遅刻するよりは、早く出勤するに越したことはない。
しかしバイトの出勤時間自体はまだ先で、彼女はいつもそれに忠実にやって来るというのに、今日は一体どうしたというのだ。いや、今日という日だからこそか。
「…………、譲さーん、これをどうぞー…」
「あ゛ぁっ?」
もともとの性格は優しく情に厚い男なのだが、見た目が見た目なだけに、凄んだら誰もが怯むのが譲なのだが、それに一切動じないのが亜沙美である。
理不尽にも、非常に不機嫌そうに睨み付けてみたが、やはりそれは亜沙美には何の効果もなく、亜沙美はカバンの中から取り出した包みを、譲に差し出した。
「…何だよ?」
「チョコレートですー。バレンタインなので…」
「お、おぅ…」
朋文にチョコを上げることに気を取られ、譲は自分も貰えるのだということをすっかり失念していたから、亜沙美にそう言われて、思わず毒気を抜かれてしまった。
彼女が、こうした慣わしを律儀に実行するとも思っていなかったし。
「悪ぃな、サンキュ…………て、え? マジでこれくれんの?」
「マジですー」
亜沙美がくれたのは、義理で贈るにはちょっとどころでなく、レベルの高いチョコ。
譲は、今までに付き合って来た数々の女からだって、こんなチョコ、貰ったことがない。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒
お久しぶりの譲さんと朋史さん、
そして、私の大ファンの亜沙美ちゃん。
譲さんからチョコをあげたくなるなんて、
おや!?どうしちゃったの?
って思っていたら…
亜沙美ちゃん登場~!!
この子…、ホントにいいスパイスになって
いますよね~
しかし…、譲さんに立派なチョコをお渡しとは!?
どうしちゃったの? どうなるのかな!?
そして、私の大ファンの亜沙美ちゃん。
譲さんからチョコをあげたくなるなんて、
おや!?どうしちゃったの?
って思っていたら…
亜沙美ちゃん登場~!!
この子…、ホントにいいスパイスになって
いますよね~
しかし…、譲さんに立派なチョコをお渡しとは!?
どうしちゃったの? どうなるのかな!?
- |2013.02.27
- |Wed
- |08:20
- |URL
- |EDIT|
ちよ ⇒ コメその2
如月久美子 ⇒ >ちよさん
亜沙美ちゃんのファンですか! ありがとうございます!
実は何気に、女子からの人気が高い亜沙美ちゃんです(*^_^*)
譲さんは、見た目に反して、ツンデレ男子(ツンデレ坊主!?)ですから!
ときど~~~き、素直な感じになるのです(笑)
下心なしにチョコをあげる亜沙美ちゃんなのでしょうか。
もうすぐ3月なのに、バレンタイン話は続きますが、よろしくです!
あと、お名前の件、全然オッケーですよ~。
てか、私……ちよさんのコメその2を見るまで、違ってるのに気付いてなかったくらいなので(笑)
コメントありがとうございました!
実は何気に、女子からの人気が高い亜沙美ちゃんです(*^_^*)
譲さんは、見た目に反して、ツンデレ男子(ツンデレ坊主!?)ですから!
ときど~~~き、素直な感じになるのです(笑)
下心なしにチョコをあげる亜沙美ちゃんなのでしょうか。
もうすぐ3月なのに、バレンタイン話は続きますが、よろしくです!
あと、お名前の件、全然オッケーですよ~。
てか、私……ちよさんのコメその2を見るまで、違ってるのに気付いてなかったくらいなので(笑)
コメントありがとうございました!
- |2013.02.27
- |Wed
- |23:07
- |URL
- |EDIT|