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9. 込み入った事情 (前編)
2008.07.06 Sun
哲也と一緒に暮らし始めて、半月。
その生活は、まぁそんなに悪くはない。
相変わらずアイツの言動・行動はツボだし、哲也のファッションセンスにはついていけないけど、生活のリズムは合わなくもない(腹の減るタイミングは全然だけど)。
啓ちゃんには時々、「どんな感じ?」って聞かれるけど、いたって普通だから、そう答えてる。
啓ちゃんは啓ちゃんで哲也と遊びに行くときあるし、3人でメシ行ったりもするから、知ってるとは思うんだけど。
*****
哲也の勤めてる店は、開店時間が11時だけど、開店の準備とかがあるから、いつも俺とおんなし時間に家を出る。
今朝は2人してちょっと寝坊したのに、哲也がいつもみたくのんびり身支度してたから、急いで行かないと間に合わないような時間になってた。
「哲也、早く!」
「まっ待って、貴久!!」
いつもは階段で下まで行くんだけど、今日は急いでるし、いいタイミングでエレヴェータが下りてきてるのが分かったから、エレヴェータのボタンを押した。
哲也が慌ててやって来たところで、チンッ…って言う安っぽい音と共にエレヴェータの扉が開く。
中には男の人が1人乗ってたけど、別に俺ら2人が乗れないような狭さじゃないから、急いで乗り込もうとしたのに、隣の哲也が動こうとしない。
「おい、」
急いでるし、俺ら以外にもエレヴェータに人乗ってるしって思って、早くするように促すのに、哲也は目を見開いたまま、その場に突っ立って、微動だにしない。
「てつ…」
「哲也?」
俺の声に被せるように哲也の名前を呼んだのは、先にエレヴェータに乗ってた男。え!? って思って振り返れば、その人もまた、呆然と哲也のことを見てる。
俺は哲也とその男を交互に見た。
何? 知り合い?
別にどっちでもいいけど、早く乗って! って思ってたら、突然哲也は踵を返して、階段のほうへ走っていった。
「ちょっ…えっ!?」
追い掛けたほうがいいのか!?
それよりこのままエレヴェータで下まで行ったほうが早いか?
何が何だか分からなくて、もっかい振り返ると、その男と目が合った。気まずいけど時間も気になるし、別にその人、この階でエレヴェータ降りるつもりもないみたいだから、俺は『開』のボタンから指を離した。
変な沈黙の中、エレヴェータは1階に到着して、俺は先にその箱から脱出する。
そこに哲也の姿はなかった。
「………………」
どうせアパートを出た瞬間から別々のほうへ出勤するし、小学生ってわけでもないからそこまでは心配しないけど、やっぱりあの態度は気になる。
あの男も気になる。
でもとりあえず、今は会社に急がないといけないから、ダッシュで会社に向かった。
その生活は、まぁそんなに悪くはない。
相変わらずアイツの言動・行動はツボだし、哲也のファッションセンスにはついていけないけど、生活のリズムは合わなくもない(腹の減るタイミングは全然だけど)。
啓ちゃんには時々、「どんな感じ?」って聞かれるけど、いたって普通だから、そう答えてる。
啓ちゃんは啓ちゃんで哲也と遊びに行くときあるし、3人でメシ行ったりもするから、知ってるとは思うんだけど。
*****
哲也の勤めてる店は、開店時間が11時だけど、開店の準備とかがあるから、いつも俺とおんなし時間に家を出る。
今朝は2人してちょっと寝坊したのに、哲也がいつもみたくのんびり身支度してたから、急いで行かないと間に合わないような時間になってた。
「哲也、早く!」
「まっ待って、貴久!!」
いつもは階段で下まで行くんだけど、今日は急いでるし、いいタイミングでエレヴェータが下りてきてるのが分かったから、エレヴェータのボタンを押した。
哲也が慌ててやって来たところで、チンッ…って言う安っぽい音と共にエレヴェータの扉が開く。
中には男の人が1人乗ってたけど、別に俺ら2人が乗れないような狭さじゃないから、急いで乗り込もうとしたのに、隣の哲也が動こうとしない。
「おい、」
急いでるし、俺ら以外にもエレヴェータに人乗ってるしって思って、早くするように促すのに、哲也は目を見開いたまま、その場に突っ立って、微動だにしない。
「てつ…」
「哲也?」
俺の声に被せるように哲也の名前を呼んだのは、先にエレヴェータに乗ってた男。え!? って思って振り返れば、その人もまた、呆然と哲也のことを見てる。
俺は哲也とその男を交互に見た。
何? 知り合い?
別にどっちでもいいけど、早く乗って! って思ってたら、突然哲也は踵を返して、階段のほうへ走っていった。
「ちょっ…えっ!?」
追い掛けたほうがいいのか!?
それよりこのままエレヴェータで下まで行ったほうが早いか?
何が何だか分からなくて、もっかい振り返ると、その男と目が合った。気まずいけど時間も気になるし、別にその人、この階でエレヴェータ降りるつもりもないみたいだから、俺は『開』のボタンから指を離した。
変な沈黙の中、エレヴェータは1階に到着して、俺は先にその箱から脱出する。
そこに哲也の姿はなかった。
「………………」
どうせアパートを出た瞬間から別々のほうへ出勤するし、小学生ってわけでもないからそこまでは心配しないけど、やっぱりあの態度は気になる。
あの男も気になる。
でもとりあえず、今は会社に急がないといけないから、ダッシュで会社に向かった。
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