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恋と呼ぶにはまだ早い (12)
2013.01.04 Fri
「…てか水落」
「アダダダダダ」
千尋は機嫌を損ねても舌打ちされるだけで済んだが、マネージャーの南條は、そういうわけにはいかなかった。
大体が見知ったスタッフや関係者ばかりの楽屋とはいえ、こんなところでいちゃつかれては困る! と、南條は、琉を遥希から引き剥がすべく、琉の耳を引っ張った。
「あ、あ…南條さん、ゴメンなさい…」
耳を引っ張られたのは琉だが、南條によって、ようやく遥希も現実へと引き戻され、琉の腕の中でポーッとなっている場合ではなかったことに気が付いた。
「いやいや、小野田くんはいいから。水落、さっさと着替えろっつってんだろ!」
基本、いい子で真面目な遥希に、南條は甘い。
何となく不公平…と琉は思うが、今は琉が一方的に悪い子の役を担っていたのだから仕方ない。琉はペロッと舌を見せてから、「ちょっと待ってて」と着替えに向かった。
それを見届けた南條は、他のスタッフに指示を出したり、何やら打ち合わせをしたりして、動いている。
「何か…一丁前に南條が仕事してやがる…」
キビキビと働いている南條の姿を見た千尋は、先ほどまでの不機嫌も忘れて、純粋に感動していた。
南條とは高校以来、ずっと付き合い続けている友人なのに、千尋は、南條がFATEのマネージャーであることを本当につい最近知ったのだが、しかしこんなにテキパキ仕事をこなしているとは、実のところ思っていなかった。
偏見かもしれないが、芸能人なんて手の掛かる人種で、芸能界なんてドロドロした世界だから、軟弱な南條は、きっと琉や大和に手を焼いているだけでなく、押されまくっていると思っていたのに。
「何かムカつくよね」
「え、何が? 何で?」
邪魔にならないように楽屋の隅で大人しくしていたら、隣の千尋がボソッとそんなことを言ったので、着替えをしている琉に見とれていた遥希は、何のこと? と千尋を見た。
もしかして、大和が出て来ないから、まだご機嫌回復してない?
「ちーちゃん?」
「何でもない」
南條のくせに、と言ってやろうかと思ったが、遥希にいちいち説明するのが面倒くさくて、それはやめた。
バタバタと後片付けが進み、楽屋の中に人が少なくなっていく中、奥の扉が開いて誰か出て来た。
琉を見ていた遥希は、ちょうど琉がそちらのほうに向かっていたのでそれに気が付いたが、何となく南條の仕事ぶりを拝見していた千尋は気付かなかった――――出て来たのが大和だということに。
「ちーちゃん、ちーちゃん…!」
服の裾を引っ張られて、千尋は面倒くさそうに遥希を見たが、その向こうに大和の姿を見つけて、あっ、という顔をした。
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「アダダダダダ」
千尋は機嫌を損ねても舌打ちされるだけで済んだが、マネージャーの南條は、そういうわけにはいかなかった。
大体が見知ったスタッフや関係者ばかりの楽屋とはいえ、こんなところでいちゃつかれては困る! と、南條は、琉を遥希から引き剥がすべく、琉の耳を引っ張った。
「あ、あ…南條さん、ゴメンなさい…」
耳を引っ張られたのは琉だが、南條によって、ようやく遥希も現実へと引き戻され、琉の腕の中でポーッとなっている場合ではなかったことに気が付いた。
「いやいや、小野田くんはいいから。水落、さっさと着替えろっつってんだろ!」
基本、いい子で真面目な遥希に、南條は甘い。
何となく不公平…と琉は思うが、今は琉が一方的に悪い子の役を担っていたのだから仕方ない。琉はペロッと舌を見せてから、「ちょっと待ってて」と着替えに向かった。
それを見届けた南條は、他のスタッフに指示を出したり、何やら打ち合わせをしたりして、動いている。
「何か…一丁前に南條が仕事してやがる…」
キビキビと働いている南條の姿を見た千尋は、先ほどまでの不機嫌も忘れて、純粋に感動していた。
南條とは高校以来、ずっと付き合い続けている友人なのに、千尋は、南條がFATEのマネージャーであることを本当につい最近知ったのだが、しかしこんなにテキパキ仕事をこなしているとは、実のところ思っていなかった。
偏見かもしれないが、芸能人なんて手の掛かる人種で、芸能界なんてドロドロした世界だから、軟弱な南條は、きっと琉や大和に手を焼いているだけでなく、押されまくっていると思っていたのに。
「何かムカつくよね」
「え、何が? 何で?」
邪魔にならないように楽屋の隅で大人しくしていたら、隣の千尋がボソッとそんなことを言ったので、着替えをしている琉に見とれていた遥希は、何のこと? と千尋を見た。
もしかして、大和が出て来ないから、まだご機嫌回復してない?
「ちーちゃん?」
「何でもない」
南條のくせに、と言ってやろうかと思ったが、遥希にいちいち説明するのが面倒くさくて、それはやめた。
バタバタと後片付けが進み、楽屋の中に人が少なくなっていく中、奥の扉が開いて誰か出て来た。
琉を見ていた遥希は、ちょうど琉がそちらのほうに向かっていたのでそれに気が付いたが、何となく南條の仕事ぶりを拝見していた千尋は気付かなかった――――出て来たのが大和だということに。
「ちーちゃん、ちーちゃん…!」
服の裾を引っ張られて、千尋は面倒くさそうに遥希を見たが、その向こうに大和の姿を見つけて、あっ、という顔をした。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒
いよいよ、大和くんとちーちゃんのご対面!?
大和くんは、どんな登場になるのかな?
ちーちゃ~ん、大和くんの事見て、
にんまり(^∀^)していられる?
お好みのマッチョさんでも大声出さないでよ~(*´艸`)
大和くんは、どんな登場になるのかな?
ちーちゃ~ん、大和くんの事見て、
にんまり(^∀^)していられる?
お好みのマッチョさんでも大声出さないでよ~(*´艸`)
- |2013.01.04
- |Fri
- |18:28
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
コメレス遅くなってすみません(>_<)
昨日は仕事始めで新年会という暴挙でした…。
大和くん登場して、ようやくちーちゃんのイライラも収まるかなぁ、という感じです(笑)
でもまぁ大好きなマッチョを見れますから、おとなしくはしていられないでしょう!
コメントありがとうございました!
昨日は仕事始めで新年会という暴挙でした…。
大和くん登場して、ようやくちーちゃんのイライラも収まるかなぁ、という感じです(笑)
でもまぁ大好きなマッチョを見れますから、おとなしくはしていられないでしょう!
コメントありがとうございました!
- |2013.01.05
- |Sat
- |11:45
- |URL
- |EDIT|