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暴君王子のおっしゃることには! (175)
2012.10.23 Tue
「侑仁ー、もうこんな時間だし、俺、帰………………て、寝てるし」
ほんの数秒前まで、一伽の声に返事をしていたはずの侑仁は、ソファの背に身を預けたまま目を閉じて、寝息を立てていた。
本当に寝てる……よね? 寝たふりをする意味もないし…と、一伽はドキドキしながら、向かいのソファにいる侑仁に、静かに近づいていって、その顔を覗き込んだ。
「侑仁…、寝るならベッド行ったほうが……俺帰るし…」
寝ている侑仁を前にして、一伽もどうしたらいいのか分からず、口では、侑仁を起こしてベッドに行かせるつもりのことを言いながら、とても侑仁を起こせるような大きさではない声を出してしまう。
…そういえば、侑仁の寝顔、初めて見た。
これまで一伽は何度となく侑仁の前で酔い潰れ、眠りこけている姿を曝して来たが、侑仁が一伽より先に寝たり、後から起きたりしたことがないから、それも当然だ。
ソファで一晩明かしても、まだ風邪を引く季節ではないけれど、一伽はいつもベッドで寝かせてもらっているから、こういうときは、ちゃんとしてあげたい。
でも、ベッドルームの場所は分かるが、勝手に行くのも何だし、侑仁を起こさずに連れて行ける自信もないから、出来れば侑仁が目を覚まして、自分でベッドまで行ってほしいんだけれど。
「侑仁てば」
「ん…」
侑仁の肩を少し揺すれば、わずかに吐息が漏れて、その掠れたような侑仁の声に、一伽の胸は飛び跳ねる。
寝顔も格好いいし、漏れ出た声は何だかセクシーだし、こんなの、侑仁のこと好きな一伽にしたら、ドキドキしないほうがおかしい。
(や、でも今はドキドキしてる場合じゃないしっ…!)
酔っ払った侑仁をこのまま放置できないし、一伽だって家に帰りたいし(出来ればもっと侑仁の家にいたいけれど、今日このままお泊りするわけにもいかないので)、早く何とかしないと。
「ねぇ侑仁、起きて? ねぇねぇ。おふとん行こ?」
何とか侑仁を起こそうとするけれど、残念ながら起きる気配なし。
こうなったらしょうがない、無理やりでも侑仁を担いで、ベッドまで連れて行こう。ベッドルームに勝手に入るのも…と思ったけれど、状況が状況だ。
「よいしょ、と…」
「ん…」
肩を貸そうと、一伽が膝立ちになって侑仁の腕を取ったら、侑仁のまぶたが少し動いた。
よかった、起きてくれそう。
「あ、侑仁、起きて? ベッド…」
しかし、再び侑仁の肩を揺すろうとした一伽の背に、なぜか侑仁の腕が回った。
そうすると侑仁に抱き付かれるような格好になるから、恥ずかしいんだけど、侑仁は酔っ払っているし寝惚けているみたいだから、起き上がらせてほしくて、腕を伸ばしたのだろう。
…もしかして、今までの彼女にもこうやって甘えてたのかな、とか思って、一伽はちょっとモヤモヤもしたけれど、とりあえず起き上がるの、手伝ってあげないと。
「侑仁、ちゃんと立って……て、え?」
一伽は侑仁を立たせようとしているのに、一伽の背に回った侑仁の腕は、その肩に掴まろうとはせず、そのまま一伽を抱き寄せた。
「えっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ」
侑仁が立てるように、足に力を入れていたつもりだったけれど、まさかそんな抱き締められるみたいになるとは思っていなかったから、一伽はバランスを崩して、侑仁の胸に顔を突っ伏してしまった。
(ギャ~~~侑仁に抱き締められてる~~~!!?? 何でぇ~~~!!??)
寝惚けるにも程がある。一伽のこと、抱き枕か何かと間違えているんじゃないだろうか。
でも、侑仁にはただの抱き枕かもしれないけれど、一伽にしたら、侑仁の腕のぬくもりとか、こ…香水? 何かいい匂いが…とか、いろいろあってパニック状態だ。
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ほんの数秒前まで、一伽の声に返事をしていたはずの侑仁は、ソファの背に身を預けたまま目を閉じて、寝息を立てていた。
本当に寝てる……よね? 寝たふりをする意味もないし…と、一伽はドキドキしながら、向かいのソファにいる侑仁に、静かに近づいていって、その顔を覗き込んだ。
「侑仁…、寝るならベッド行ったほうが……俺帰るし…」
寝ている侑仁を前にして、一伽もどうしたらいいのか分からず、口では、侑仁を起こしてベッドに行かせるつもりのことを言いながら、とても侑仁を起こせるような大きさではない声を出してしまう。
…そういえば、侑仁の寝顔、初めて見た。
これまで一伽は何度となく侑仁の前で酔い潰れ、眠りこけている姿を曝して来たが、侑仁が一伽より先に寝たり、後から起きたりしたことがないから、それも当然だ。
ソファで一晩明かしても、まだ風邪を引く季節ではないけれど、一伽はいつもベッドで寝かせてもらっているから、こういうときは、ちゃんとしてあげたい。
でも、ベッドルームの場所は分かるが、勝手に行くのも何だし、侑仁を起こさずに連れて行ける自信もないから、出来れば侑仁が目を覚まして、自分でベッドまで行ってほしいんだけれど。
「侑仁てば」
「ん…」
侑仁の肩を少し揺すれば、わずかに吐息が漏れて、その掠れたような侑仁の声に、一伽の胸は飛び跳ねる。
寝顔も格好いいし、漏れ出た声は何だかセクシーだし、こんなの、侑仁のこと好きな一伽にしたら、ドキドキしないほうがおかしい。
(や、でも今はドキドキしてる場合じゃないしっ…!)
酔っ払った侑仁をこのまま放置できないし、一伽だって家に帰りたいし(出来ればもっと侑仁の家にいたいけれど、今日このままお泊りするわけにもいかないので)、早く何とかしないと。
「ねぇ侑仁、起きて? ねぇねぇ。おふとん行こ?」
何とか侑仁を起こそうとするけれど、残念ながら起きる気配なし。
こうなったらしょうがない、無理やりでも侑仁を担いで、ベッドまで連れて行こう。ベッドルームに勝手に入るのも…と思ったけれど、状況が状況だ。
「よいしょ、と…」
「ん…」
肩を貸そうと、一伽が膝立ちになって侑仁の腕を取ったら、侑仁のまぶたが少し動いた。
よかった、起きてくれそう。
「あ、侑仁、起きて? ベッド…」
しかし、再び侑仁の肩を揺すろうとした一伽の背に、なぜか侑仁の腕が回った。
そうすると侑仁に抱き付かれるような格好になるから、恥ずかしいんだけど、侑仁は酔っ払っているし寝惚けているみたいだから、起き上がらせてほしくて、腕を伸ばしたのだろう。
…もしかして、今までの彼女にもこうやって甘えてたのかな、とか思って、一伽はちょっとモヤモヤもしたけれど、とりあえず起き上がるの、手伝ってあげないと。
「侑仁、ちゃんと立って……て、え?」
一伽は侑仁を立たせようとしているのに、一伽の背に回った侑仁の腕は、その肩に掴まろうとはせず、そのまま一伽を抱き寄せた。
「えっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ」
侑仁が立てるように、足に力を入れていたつもりだったけれど、まさかそんな抱き締められるみたいになるとは思っていなかったから、一伽はバランスを崩して、侑仁の胸に顔を突っ伏してしまった。
(ギャ~~~侑仁に抱き締められてる~~~!!?? 何でぇ~~~!!??)
寝惚けるにも程がある。一伽のこと、抱き枕か何かと間違えているんじゃないだろうか。
でも、侑仁にはただの抱き枕かもしれないけれど、一伽にしたら、侑仁の腕のぬくもりとか、こ…香水? 何かいい匂いが…とか、いろいろあってパニック状態だ。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
珍しく 酔い潰れた?侑仁
それだけ 仕事で疲れていたのかな、
それとも いっちゃんに それだけ気を許しているって事かしら
無防備な侑仁に パニック中のいっちゃん
抱きしめられて もう どうする~(笑)
私が思うに そのまま 襲っちゃぇ~、っとね♪
┣¨┣¨┣¨(゚Д゚*)ドーシヨ...byebye☆
それだけ 仕事で疲れていたのかな、
それとも いっちゃんに それだけ気を許しているって事かしら
無防備な侑仁に パニック中のいっちゃん
抱きしめられて もう どうする~(笑)
私が思うに そのまま 襲っちゃぇ~、っとね♪
┣¨┣¨┣¨(゚Д゚*)ドーシヨ...byebye☆
- |2012.10.23
- |Tue
- |14:46
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
酔って隙だらけの侑仁さん。。。
でもいっちゃんにしたら、ドキドキしすぎて大変だから、ちょっと困りものかも(^_^;)
普段のいっちゃんだったら、こんな状況、襲うに決まってるでしょ! なんですけどねぇ。
果たしていっちゃん、無防備な侑仁さんから逃げられるでしょうか!?
それともこのまま襲っちゃう!?
コメントありがとうございました!
でもいっちゃんにしたら、ドキドキしすぎて大変だから、ちょっと困りものかも(^_^;)
普段のいっちゃんだったら、こんな状況、襲うに決まってるでしょ! なんですけどねぇ。
果たしていっちゃん、無防備な侑仁さんから逃げられるでしょうか!?
それともこのまま襲っちゃう!?
コメントありがとうございました!
- |2012.10.23
- |Tue
- |21:58
- |URL
- |EDIT|