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暴君王子のおっしゃることには! (155)
2012.10.03 Wed
「ねぇねぇユキちゃん」
「…何?」
目を閉じていたら眠くなるよ、と言ったのに、雪乃に話し掛けて来たんじゃ、何の意味もない…。
でも返事をしないと拗ねそうだったから、雪乃は一伽のほうに寝返りを打った。一伽はすでに、タオルケットを蹴っ飛ばした状態になっていた。
「ユキちゃん、光宏と仲良くやってる?」
「えっ、何が!?」
あまりにも突然の質問に雪乃がギョッとすると、一伽もそんなに驚かれると思っていなかったのか、ちょっとビックリした顔になった。
「何でそんなビックリすんの? ユキちゃん、光宏と付き合ってんでしょ?」
「そうだけど、だっていっちゃん、今までそんなこと聞いてきたことないじゃん」
「今まで聞いたことなかったから、聞いてみたくなった」
「嘘。そんな真顔で言ったって、ホントは全然興味ないくせにー」
「そんなことないよ、ぶふっ」
やはり雪乃の指摘どおり、聞いたわりにそんなに興味はなかったのか、そんなことない、と答えた直後に、一伽は吹き出した。
「もぉー。仲良くやってるよ。てか、いっちゃんこそ、どうなの?」
「何が?」
「いっちゃん、今好きな人いないの?」
雪乃はうつ伏せになって、少し一伽のほうに身を乗り出した。
一伽からは、女の子の話はよく聞くけれど、実際のところ、彼女だとか好きな人だとか、いちいち雪乃が聞かなかったというのもあるが、そういう話を聞いたことがない。
「…、え、別に」
「あー嘘だー。好きな人いるんでしょ? 誰?」
ほんの一瞬だけ一伽がきょどったのを見逃さなかった雪乃が、すかさず突っ込んでくる。
くそぅ、雪乃のくせに、何か生意気!
「誰、て……ユキちゃんの知らない人だよ」
それは侑仁のことだけれど、雪乃は侑仁のこと、一伽が前にちょっと話したくらいでしか知らないから、知らない人ということにしておこう。
「その子、かわいい?」
「えっ…、てか何でそんなこと聞いてくんの? ユキちゃん」
雪乃の知らない人だと答えたんだし、一伽はずっと『かわいい女の子が好き』と言っていたんだから、嘘でも『そうだよ、かわいいよ』と言っておけば何も別にバレなかったのに、つい、侑仁は男だしかわいいとは言わない…とか思ってしまい、うまく返事が出来なかった。
「いっちゃんの好きな人、どんな子なのかなぁ、て思って」
「別にどんなだっていいじゃん」
口を開いたら余計なことを口走りそうで、一伽は鼻先を枕に擦り付けて、モゴモゴと返した。ちょっとぶっきら棒な言い方になってしまったけれど、仕方がない。
でも、雪乃の質問は終わらない。
「いつから付き合ってんの?」
「は? 付き合ってなんか…」
「片想いなの?」
「…そうだよ」
…やっぱり余計なことを言ってしまった。
まぁ、片想いだってことがバレるくらい、いっか。
「ホントに? いっちゃん、ホントに片想いなの?」
「そうだよ、うるさいな。何か文句ある?」
「そうじゃないけど…、いっちゃん、女の子に自分から声掛けるじゃない、いっぱい。だから片想いなんか、ないのかと思ってた」
「バカ、あるに決まってんじゃん」
いや、女の子だったら、ないかもしれないけれど。
かわいい、と思ったときには、余程のことがない限り、声は掛けているし。
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「…何?」
目を閉じていたら眠くなるよ、と言ったのに、雪乃に話し掛けて来たんじゃ、何の意味もない…。
でも返事をしないと拗ねそうだったから、雪乃は一伽のほうに寝返りを打った。一伽はすでに、タオルケットを蹴っ飛ばした状態になっていた。
「ユキちゃん、光宏と仲良くやってる?」
「えっ、何が!?」
あまりにも突然の質問に雪乃がギョッとすると、一伽もそんなに驚かれると思っていなかったのか、ちょっとビックリした顔になった。
「何でそんなビックリすんの? ユキちゃん、光宏と付き合ってんでしょ?」
「そうだけど、だっていっちゃん、今までそんなこと聞いてきたことないじゃん」
「今まで聞いたことなかったから、聞いてみたくなった」
「嘘。そんな真顔で言ったって、ホントは全然興味ないくせにー」
「そんなことないよ、ぶふっ」
やはり雪乃の指摘どおり、聞いたわりにそんなに興味はなかったのか、そんなことない、と答えた直後に、一伽は吹き出した。
「もぉー。仲良くやってるよ。てか、いっちゃんこそ、どうなの?」
「何が?」
「いっちゃん、今好きな人いないの?」
雪乃はうつ伏せになって、少し一伽のほうに身を乗り出した。
一伽からは、女の子の話はよく聞くけれど、実際のところ、彼女だとか好きな人だとか、いちいち雪乃が聞かなかったというのもあるが、そういう話を聞いたことがない。
「…、え、別に」
「あー嘘だー。好きな人いるんでしょ? 誰?」
ほんの一瞬だけ一伽がきょどったのを見逃さなかった雪乃が、すかさず突っ込んでくる。
くそぅ、雪乃のくせに、何か生意気!
「誰、て……ユキちゃんの知らない人だよ」
それは侑仁のことだけれど、雪乃は侑仁のこと、一伽が前にちょっと話したくらいでしか知らないから、知らない人ということにしておこう。
「その子、かわいい?」
「えっ…、てか何でそんなこと聞いてくんの? ユキちゃん」
雪乃の知らない人だと答えたんだし、一伽はずっと『かわいい女の子が好き』と言っていたんだから、嘘でも『そうだよ、かわいいよ』と言っておけば何も別にバレなかったのに、つい、侑仁は男だしかわいいとは言わない…とか思ってしまい、うまく返事が出来なかった。
「いっちゃんの好きな人、どんな子なのかなぁ、て思って」
「別にどんなだっていいじゃん」
口を開いたら余計なことを口走りそうで、一伽は鼻先を枕に擦り付けて、モゴモゴと返した。ちょっとぶっきら棒な言い方になってしまったけれど、仕方がない。
でも、雪乃の質問は終わらない。
「いつから付き合ってんの?」
「は? 付き合ってなんか…」
「片想いなの?」
「…そうだよ」
…やっぱり余計なことを言ってしまった。
まぁ、片想いだってことがバレるくらい、いっか。
「ホントに? いっちゃん、ホントに片想いなの?」
「そうだよ、うるさいな。何か文句ある?」
「そうじゃないけど…、いっちゃん、女の子に自分から声掛けるじゃない、いっぱい。だから片想いなんか、ないのかと思ってた」
「バカ、あるに決まってんじゃん」
いや、女の子だったら、ないかもしれないけれど。
かわいい、と思ったときには、余程のことがない限り、声は掛けているし。
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