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2. テンションが上がると奇声を発するところ (3)
2012.03.07 Wed
「はいっ、早く!」
もう待ち切れない睦月は、部屋の鍵を掛けている亮を置いて、集合玄関に向かう階段を駆け下りて行った。
亮のことなんてすっかりほったらかしの睦月に、亮は、このまま鍵を開け直してもう1度ベッドに戻り直したい気分だったが、行かなかったら行かなかったで拗ねられそうなので、仕方なく睦月の後を追った。
亮たちが住む寮の敷地は、建物の周りには、庭とも呼べないほどの狭さの、手入れのされていない芝生のスペースがあって、入寮者が好きなように使っている。
今朝はその芝生の上にも2センチほどの雪が積もっていた。
「亮、亮っ、早く! 早くっ!」
「睦月、ちょっ、もうちょっと静かにしてっ…」
朝の7時半はもう早朝と言うべき時間ではないかもしれないが、休日で、しかも大学生ばかりが住む寮の敷地の一角なのだ、みんなまだ寝ているに決まっている。
こんな時間に大きな声で騒いでいたら、迷惑千万もいいところだ。
「むつ……ぶっ!」
「ぎゃはっ」
しかし、はしゃぎ回っている睦月を取り押さえようとした亮の顔に、融け掛けた雪の塊がヒットした。
投げ付けたのは、もちろん睦月だ。
「ちょっ…睦月っ!」
いくら恋人とはいえ、この傍若無人な行いに対しては、怒らないわけにはいかない。
それに、こんな時間から騒いで、後で文句を言われないためにも、大人しくさせなければ。
そう思うのに、肝心の睦月といえば、自分が悪いことをしたなど微塵も思っていないようで、雪を手で掬っては上に放り投げて、自分でその雪を浴びている。
「ちょっちょっ睦月、何して…」
自分で自分に雪を掛け捲っている睦月に、亮の怒りは心配へと変わった。
いくら何でも、テンションが上がり過ぎだ。
「ぎひー!」
「ちょっ、睦月!」
「うわっ」
テンションが上がり過ぎて奇声を発している睦月を、亮はようやく捕獲したが、睦月はその腕の中から抜け出そうと暴れ捲る。
「睦月、分かったから、もうちょっと小っちゃい声で。ねっ?」
「に゛~」
「つか手袋は!?」
部屋を出る前に、ちゃんと手袋も着けさせたはずなのに、なぜか今は手袋も何もしていなくて、冷たくて睦月の手は真っ赤になっている。
「亮、離してぇ~」
「睦月、手袋! どこやったの?」
「あっち!」
「えぇ? あっ」
亮が、『あっち』と睦月が指差した方向に気を取られている隙に、睦月は亮の腕の中を抜け出し、また雪の中を駆けて行った。
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もう待ち切れない睦月は、部屋の鍵を掛けている亮を置いて、集合玄関に向かう階段を駆け下りて行った。
亮のことなんてすっかりほったらかしの睦月に、亮は、このまま鍵を開け直してもう1度ベッドに戻り直したい気分だったが、行かなかったら行かなかったで拗ねられそうなので、仕方なく睦月の後を追った。
亮たちが住む寮の敷地は、建物の周りには、庭とも呼べないほどの狭さの、手入れのされていない芝生のスペースがあって、入寮者が好きなように使っている。
今朝はその芝生の上にも2センチほどの雪が積もっていた。
「亮、亮っ、早く! 早くっ!」
「睦月、ちょっ、もうちょっと静かにしてっ…」
朝の7時半はもう早朝と言うべき時間ではないかもしれないが、休日で、しかも大学生ばかりが住む寮の敷地の一角なのだ、みんなまだ寝ているに決まっている。
こんな時間に大きな声で騒いでいたら、迷惑千万もいいところだ。
「むつ……ぶっ!」
「ぎゃはっ」
しかし、はしゃぎ回っている睦月を取り押さえようとした亮の顔に、融け掛けた雪の塊がヒットした。
投げ付けたのは、もちろん睦月だ。
「ちょっ…睦月っ!」
いくら恋人とはいえ、この傍若無人な行いに対しては、怒らないわけにはいかない。
それに、こんな時間から騒いで、後で文句を言われないためにも、大人しくさせなければ。
そう思うのに、肝心の睦月といえば、自分が悪いことをしたなど微塵も思っていないようで、雪を手で掬っては上に放り投げて、自分でその雪を浴びている。
「ちょっちょっ睦月、何して…」
自分で自分に雪を掛け捲っている睦月に、亮の怒りは心配へと変わった。
いくら何でも、テンションが上がり過ぎだ。
「ぎひー!」
「ちょっ、睦月!」
「うわっ」
テンションが上がり過ぎて奇声を発している睦月を、亮はようやく捕獲したが、睦月はその腕の中から抜け出そうと暴れ捲る。
「睦月、分かったから、もうちょっと小っちゃい声で。ねっ?」
「に゛~」
「つか手袋は!?」
部屋を出る前に、ちゃんと手袋も着けさせたはずなのに、なぜか今は手袋も何もしていなくて、冷たくて睦月の手は真っ赤になっている。
「亮、離してぇ~」
「睦月、手袋! どこやったの?」
「あっち!」
「えぇ? あっ」
亮が、『あっち』と睦月が指差した方向に気を取られている隙に、睦月は亮の腕の中を抜け出し、また雪の中を駆けて行った。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
むっちゃんの止めようがない このハイテンション!(笑)
無邪気に雪と戯れる姿は、可愛い~♪
可愛いけど・・・
朝早いんだから 「ウルサーーイ!Σp(`□´)q 」って 怒られちゃうよ!
( ̄b ̄) シーーッ!!...(゚*゚)ノ...byebye☆
無邪気に雪と戯れる姿は、可愛い~♪
可愛いけど・・・
朝早いんだから 「ウルサーーイ!Σp(`□´)q 」って 怒られちゃうよ!
( ̄b ̄) シーーッ!!...(゚*゚)ノ...byebye☆
- |2012.03.07
- |Wed
- |09:08
- |URL
- |EDIT|
りんこ ⇒
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
まだ朝の7時半です。
なのにこのテンション!
もう誰にもむっちゃんを止めることは出来ませんっ!!
見てる分にはかわいいんだけど、まだ寝てる他の寮のみなさんには、いい迷惑ですね(^_^;)
でも怒られても、何で怒られたのか、全然分からなそう(笑)
コメントありがとうございました!
なのにこのテンション!
もう誰にもむっちゃんを止めることは出来ませんっ!!
見てる分にはかわいいんだけど、まだ寝てる他の寮のみなさんには、いい迷惑ですね(^_^;)
でも怒られても、何で怒られたのか、全然分からなそう(笑)
コメントありがとうございました!
- |2012.03.07
- |Wed
- |20:23
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >りんこさん
自由といえば……いや、自由すぎるといえば、このお方、むっちゃんです!
かわいいんですが、りんこさんの仰るとおり、亮タン1人で大変です。
でもまぁ、こんなかわいいむっちゃんを独り占めしてるんだから、このくらいのことは…(笑)
コメントありがとうございました!
かわいいんですが、りんこさんの仰るとおり、亮タン1人で大変です。
でもまぁ、こんなかわいいむっちゃんを独り占めしてるんだから、このくらいのことは…(笑)
コメントありがとうございました!
- |2012.03.07
- |Wed
- |20:28
- |URL
- |EDIT|