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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (74)
2011.11.28 Mon
haruki & chihiro
久し振りに来たクラブの感じを、遥希は少し懐かしく思った。
それなりに大きい箱で、雰囲気も音楽も好きなんだけれど、どちらかというとナンパ箱なので、遥希たちの目的にはちょうどいいし、ゲイやビアンも多いから、昔から2人はよくここを利用していた。
「…ハルちゃん、何でお酒飲まないの?」
ここに来る前に寄ったファミレスでもソフトドリンクだったし、今もオレンジジュースなんか注文している。
遥希の酒癖の悪さを千尋は十二分に承知しているが、少しくらいなら大丈夫なんだから、飲めばいいのに。
「いいの。今俺、オレンジジュース飲みたい気分なの」
「何それ。今日はそういうキャラ設定なわけ?」
最近お気に入りらしいシャンティガフのグラスを受け取った千尋が、冷ややかに遥希を見る。そんなことしなくたって十分かわいいんだから、そんなことしなくたっていいのに。
けれど遥希にしたら、別にかわい子ぶってオレンジジュースを頼んだわけじゃないから、そう思われるのは、ちょっと心外だ。
「違うし。アルコールはいらないな、て思ってるだけだし」
「…………。ハルちゃん、今度は何やらかしちゃったの? お酒飲んで。まーた何か失敗したんでしょ?」
ふて腐れたような雰囲気を出している遥希にピンと来たのか、千尋は呆れたように遥希の顔を覗き込んだ。千尋は、遥希のお酒を飲んでの失敗談をたくさん知っているのだ。
「何したの? また、目が覚めたらゴミ捨て場でゴミに埋もれてた? それとも、知らない人についてっちゃった?」
「違うってば。何もないよ。もぉちーちゃん、しつこい!」
まさか、酔って琉とベッドインしたなんて(一緒に寝ただけで、何もなかったけれど)、そんなこと千尋に言えるわけもないので、遥希は、全然うまくないごまかし方でごまかして、話を終わらせた。
溢れる音楽の中、どんな感じの顔触れが揃っているのか確認するため、2人はとりあえずバーの近くに立ったまま、メインフロアを眺めていた。
相変わらず、純粋に踊りや音楽を楽しんでいる人もいれば、ナンパの勢いもすごい。
例えば、バーのほうへ向かっていた女の子2人組なんか、そこに辿り着くまでの数分の間に、3,4人の男性に声を掛けられていた(残念ながら、誰も成功しなかったけれど)。
「あ、あの人カッコいい」
「でもさっき、女の子に声掛けてたよ。てかハルちゃん、相変わらずハルちゃんが好きなるのって、ノン気の男だよね~」
「好きになったなんて言ってないじゃん。カッコいいて言っただけじゃん」
ちょっと言っただけなのに、千尋に皮肉っぽく返されて、遥希は唇を尖らせた。
でも、千尋の言い分はあながち間違っていないので、強くは否定できない。同属の勘というか……普通、相手もゲイだということが、何とはなしに分かるものなのだが、遥希はいまいちその能力が低い。
「ねぇねぇ、あの人は?」
「どれ~? え、あのムキムキの人? ちーちゃん、マッチョ好きなんだっけ?」
「嫌いではない」
品定めするかのごとく、2人して顔を寄せ合って(音が大きいので、そうしないと聞き取れない)話している姿に、同じくナンパ目的で来ているゲイの視線が集まり出す。
友人と遊びに来る男はたくさんいるけれど、女の子と違って、普通、男2人でここまで仲良さそうにくっ付いて話なんかしないから、それこそ、ゲイだと分かってしまう。
back next
久し振りに来たクラブの感じを、遥希は少し懐かしく思った。
それなりに大きい箱で、雰囲気も音楽も好きなんだけれど、どちらかというとナンパ箱なので、遥希たちの目的にはちょうどいいし、ゲイやビアンも多いから、昔から2人はよくここを利用していた。
「…ハルちゃん、何でお酒飲まないの?」
ここに来る前に寄ったファミレスでもソフトドリンクだったし、今もオレンジジュースなんか注文している。
遥希の酒癖の悪さを千尋は十二分に承知しているが、少しくらいなら大丈夫なんだから、飲めばいいのに。
「いいの。今俺、オレンジジュース飲みたい気分なの」
「何それ。今日はそういうキャラ設定なわけ?」
最近お気に入りらしいシャンティガフのグラスを受け取った千尋が、冷ややかに遥希を見る。そんなことしなくたって十分かわいいんだから、そんなことしなくたっていいのに。
けれど遥希にしたら、別にかわい子ぶってオレンジジュースを頼んだわけじゃないから、そう思われるのは、ちょっと心外だ。
「違うし。アルコールはいらないな、て思ってるだけだし」
「…………。ハルちゃん、今度は何やらかしちゃったの? お酒飲んで。まーた何か失敗したんでしょ?」
ふて腐れたような雰囲気を出している遥希にピンと来たのか、千尋は呆れたように遥希の顔を覗き込んだ。千尋は、遥希のお酒を飲んでの失敗談をたくさん知っているのだ。
「何したの? また、目が覚めたらゴミ捨て場でゴミに埋もれてた? それとも、知らない人についてっちゃった?」
「違うってば。何もないよ。もぉちーちゃん、しつこい!」
まさか、酔って琉とベッドインしたなんて(一緒に寝ただけで、何もなかったけれど)、そんなこと千尋に言えるわけもないので、遥希は、全然うまくないごまかし方でごまかして、話を終わらせた。
溢れる音楽の中、どんな感じの顔触れが揃っているのか確認するため、2人はとりあえずバーの近くに立ったまま、メインフロアを眺めていた。
相変わらず、純粋に踊りや音楽を楽しんでいる人もいれば、ナンパの勢いもすごい。
例えば、バーのほうへ向かっていた女の子2人組なんか、そこに辿り着くまでの数分の間に、3,4人の男性に声を掛けられていた(残念ながら、誰も成功しなかったけれど)。
「あ、あの人カッコいい」
「でもさっき、女の子に声掛けてたよ。てかハルちゃん、相変わらずハルちゃんが好きなるのって、ノン気の男だよね~」
「好きになったなんて言ってないじゃん。カッコいいて言っただけじゃん」
ちょっと言っただけなのに、千尋に皮肉っぽく返されて、遥希は唇を尖らせた。
でも、千尋の言い分はあながち間違っていないので、強くは否定できない。同属の勘というか……普通、相手もゲイだということが、何とはなしに分かるものなのだが、遥希はいまいちその能力が低い。
「ねぇねぇ、あの人は?」
「どれ~? え、あのムキムキの人? ちーちゃん、マッチョ好きなんだっけ?」
「嫌いではない」
品定めするかのごとく、2人して顔を寄せ合って(音が大きいので、そうしないと聞き取れない)話している姿に、同じくナンパ目的で来ているゲイの視線が集まり出す。
友人と遊びに来る男はたくさんいるけれど、女の子と違って、普通、男2人でここまで仲良さそうにくっ付いて話なんかしないから、それこそ、ゲイだと分かってしまう。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒
とうとう、クラブに到着。
でも、ハルちゃん、お酒飲んでなくて正解だよ。
付き添いのちーちゃんが居ても心配です(>ω<)
かわい子ちゃんズ、ピンチになりませんように。
でも、ハルちゃん、お酒飲んでなくて正解だよ。
付き添いのちーちゃんが居ても心配です(>ω<)
かわい子ちゃんズ、ピンチになりませんように。
- |2011.11.28
- |Mon
- |07:51
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
みなさまの心配をよそに、ナンパされる気満々でクラブに来てしまいました、この2人!! (>_<)
ハルちゃん、お酒飲むとかわいくなっちゃう上に無防備なので、絶対にまずいですね。。。
> 付き添いのちーちゃんが居ても心配です(>ω<)
確かに!!
ちーちゃん大人なんだけど、危なっかしさ満載…(^_^;)
ちよさんの祈りが、果たして通じますやら。。。
コメントありがとうございました!
ハルちゃん、お酒飲むとかわいくなっちゃう上に無防備なので、絶対にまずいですね。。。
> 付き添いのちーちゃんが居ても心配です(>ω<)
確かに!!
ちーちゃん大人なんだけど、危なっかしさ満載…(^_^;)
ちよさんの祈りが、果たして通じますやら。。。
コメントありがとうございました!
- |2011.11.28
- |Mon
- |21:14
- |URL
- |EDIT|