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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (65)
2011.11.19 Sat
ryu
雑誌の取材の合間、撮影の準部が整うまでの空き時間、意味もなく携帯電話をパカパカと開いたり閉じたりしている琉の様子を、大和はおもしろそうに眺めていた。
別に琉の顔に見惚れているわけではない。
もともと琉は携帯電話大好きだけれど、今は、誰かしらと繋がっていたいというより、たった1人の相手からの返信を待っているのだと分かったから、おもしろくなってきたのだ。
その、たった1人の相手とは、先日琉がナンパした(本人は否定しているが、大和はそうだと勝手に確信している)かわいい子で、琉はただいまその子にべた惚れ中なのだ。
ちなみに、そのかわいい子の名は小野田遥希――――歴とした男の子である。
FATEの水落琉が男に惚れたなんて、ゴシップ誌が喜びそうなネタだが、大和にしたら、琉や遥希が傷付かなければ、相手の性別なんて別に気にならない。
というか、女にしろ男にしろ、琉がそこまで惚れ込むほどの人て、どんな人なの? と、そのほうが気になった。
しかし実際に会ってみたら、琉が好きになるのも無理はない、という感じのかわいい子だった。
男相手に『かわいい』はないと思うし、見た目が、アイドルやモデルの女の子に勝るとも劣らない、というわけではないんだけれど、雰囲気や仕草の1つ1つがかわいいのだ。
大和は、酔っ払って琉に甘える遥希しか記憶にないので、きっと毎日ラブラブでメールをしているんだろうと思ったのだが、しかし今の琉の表情は、そういうことには程遠い、険しい顔だ。
遥希からの、返信待ちではないんだろうか。
「琉ー、またハルちゃん?」
「おわっ!」
気になって大和が声を掛ければ、全然周りに気付いていなかったのか、琉は大げさなくらいにビックリして、携帯電話を放り投げそうになっている。
そこまで周りが見えなくなる、て……一応、今仕事中なんですけど…。
「ビビらせんなよ、バカ」
とか言いながら、琉はさりげなく携帯電話をポケットにしまった。
もちろん、大和はそれを見逃さない。
「どうせハルちゃんからなんだろ? 今さら隠さなくても。ラブメールは、仕事が終わってからにしてくださーい」
ニヤニヤと大和がからかってやれば、しかし琉は本当に嫌そうに眉を寄せた。
ただちょっと冷やかすくらいの気持ちで言っただけなのに、そんな顔しなくても。まさか、ケンカ?
「ケンカとかやめてよ? ハルちゃんがかわいそうだから、琉、ちゃんと謝って!」
琉と遥希がケンカしているのかも、それで琉に非があるのかどうかも知らないが、大和は勝手にケンカの原因を琉と決め付けて、そう言ってみる。
大和は、琉の親友で仕事仲間だけれど、遥希のことはだいぶ気に入ってしまったので、何かあれば、断然遥希の味方だ。
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雑誌の取材の合間、撮影の準部が整うまでの空き時間、意味もなく携帯電話をパカパカと開いたり閉じたりしている琉の様子を、大和はおもしろそうに眺めていた。
別に琉の顔に見惚れているわけではない。
もともと琉は携帯電話大好きだけれど、今は、誰かしらと繋がっていたいというより、たった1人の相手からの返信を待っているのだと分かったから、おもしろくなってきたのだ。
その、たった1人の相手とは、先日琉がナンパした(本人は否定しているが、大和はそうだと勝手に確信している)かわいい子で、琉はただいまその子にべた惚れ中なのだ。
ちなみに、そのかわいい子の名は小野田遥希――――歴とした男の子である。
FATEの水落琉が男に惚れたなんて、ゴシップ誌が喜びそうなネタだが、大和にしたら、琉や遥希が傷付かなければ、相手の性別なんて別に気にならない。
というか、女にしろ男にしろ、琉がそこまで惚れ込むほどの人て、どんな人なの? と、そのほうが気になった。
しかし実際に会ってみたら、琉が好きになるのも無理はない、という感じのかわいい子だった。
男相手に『かわいい』はないと思うし、見た目が、アイドルやモデルの女の子に勝るとも劣らない、というわけではないんだけれど、雰囲気や仕草の1つ1つがかわいいのだ。
大和は、酔っ払って琉に甘える遥希しか記憶にないので、きっと毎日ラブラブでメールをしているんだろうと思ったのだが、しかし今の琉の表情は、そういうことには程遠い、険しい顔だ。
遥希からの、返信待ちではないんだろうか。
「琉ー、またハルちゃん?」
「おわっ!」
気になって大和が声を掛ければ、全然周りに気付いていなかったのか、琉は大げさなくらいにビックリして、携帯電話を放り投げそうになっている。
そこまで周りが見えなくなる、て……一応、今仕事中なんですけど…。
「ビビらせんなよ、バカ」
とか言いながら、琉はさりげなく携帯電話をポケットにしまった。
もちろん、大和はそれを見逃さない。
「どうせハルちゃんからなんだろ? 今さら隠さなくても。ラブメールは、仕事が終わってからにしてくださーい」
ニヤニヤと大和がからかってやれば、しかし琉は本当に嫌そうに眉を寄せた。
ただちょっと冷やかすくらいの気持ちで言っただけなのに、そんな顔しなくても。まさか、ケンカ?
「ケンカとかやめてよ? ハルちゃんがかわいそうだから、琉、ちゃんと謝って!」
琉と遥希がケンカしているのかも、それで琉に非があるのかどうかも知らないが、大和は勝手にケンカの原因を琉と決め付けて、そう言ってみる。
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