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ラビューラビュー (前編)
2008.05.08 Thu
「……拓海、顔に締まりがなくなってる」
その声にハッとして顔を上げると、鏡越しに、ものすごーく呆れた顔をした高遠と目が合った。
視線を鏡の中の高遠から自分へと移すと、確かにそこには緩みきった表情をした俺がいて。
「だってさぁ、高遠、聞いてよ」
「ヤダ」
「えっ!? ちょっ…ねぇねぇ、聞いてよ!」
あっさりきっぱり断られて、俺は昔の芸人さんみたいにガクッとこける真似をする。
「聞かなくても分かる。今日悠ちゃんとかって恋人に会うんだろ?」
「そうなんだよ、もうさ、2週間ぶりなわけ。悠ちゃんと会うの」
煮詰まってたレポートが、何とか完成して、さっき教授に提出してきて。
ようやくこの地獄のように日々から、解放されるってわけ。
「あっそ。良かったね」
「あっ、冷たいなー高遠。いつの間にそんな冷たい人になっちゃったんだろ。俺の知ってる高遠は優し~い人だったのに」
「良かったじゃん、知らない俺の一面が見れて。つーか、お前のほうがキャラ違ぇよ」
人の揚げ足を取ることに生きがいを感じてる高遠にしては、あっさり話を終わらせようとし過ぎな気がする。
「あ」
もしかして。
「彼女とケンカでもしたとか?」
「………………」
あ、図星だ。
基本的に、誰に対しても無敵な高遠だけど、どうも彼女には頭が上がらない部分があるらしい(でも、俺が見た限りじゃ、おとなしくてかわいい感じの女の子なんだけど)。
「…………で、言いたいことはそれだけ?」
「あ…」
ものすごく苛付いた高遠の声に、しまった、と思ってももう遅い。
あとで何倍返しにされることやら、なんて思って焦ってたら、ちょうどいいタイミングいで携帯電話が音を立てた。
「あ、ちょっ…電話、電話鳴ったから!」
「……あっそ。勝手にすれば」
低い声でそう言い捨てて、高遠は出ていった。
怖い…。
って、電話!
「あ、悠ちゃんからだ」
カバンから出した携帯電話の液晶画面には、愛しい恋人の名前。
『遅いっ!』
慌てて掴み損なった電話に急いで出ると、ものすごぉ~っく機嫌の悪い悠ちゃんの声。
「ゴメン、今終わって帰るとこなんだ」
『今、どこだよ』
「どこって、学校…」
『はぁ!? まだそんなとこいんの!?』
いや、だって、今終わったとこって言ったよね? 最初に。
『早く来てよぉ! もう待ちくたびれた!』
「すぐ行くよ、ゴメン!」
電話越しに謝りながら、俺はバタバタと教室を出る。幸い廊下には誰もいなかったので、そのまま電話を続ける。
『ホントにすぐ来る?』
「行くって。だからもうちょっと待ってて?」
『じゃ、今すぐ来て。5分以内』
「はい!?」
えっとー…俺の聞き間違いじゃないよね? 間違いなく『5分以内』って言ったよね? 悠ちゃん。
「あ、あのさ、5分って、あの…」
『5分経ったら帰るから』
「え? え?」
何これ。何の仕打ち? 俺が何したっての?
どんなにがんばったって、学校から俺んちまで5分でなんか行けるわけがない。しかも今日に限ってバイクもないし。
でもしょうがない、かわいい悠ちゃんちゃんのためだ。
「絶対行くから! チクショー、待ってろよ!」
その声にハッとして顔を上げると、鏡越しに、ものすごーく呆れた顔をした高遠と目が合った。
視線を鏡の中の高遠から自分へと移すと、確かにそこには緩みきった表情をした俺がいて。
「だってさぁ、高遠、聞いてよ」
「ヤダ」
「えっ!? ちょっ…ねぇねぇ、聞いてよ!」
あっさりきっぱり断られて、俺は昔の芸人さんみたいにガクッとこける真似をする。
「聞かなくても分かる。今日悠ちゃんとかって恋人に会うんだろ?」
「そうなんだよ、もうさ、2週間ぶりなわけ。悠ちゃんと会うの」
煮詰まってたレポートが、何とか完成して、さっき教授に提出してきて。
ようやくこの地獄のように日々から、解放されるってわけ。
「あっそ。良かったね」
「あっ、冷たいなー高遠。いつの間にそんな冷たい人になっちゃったんだろ。俺の知ってる高遠は優し~い人だったのに」
「良かったじゃん、知らない俺の一面が見れて。つーか、お前のほうがキャラ違ぇよ」
人の揚げ足を取ることに生きがいを感じてる高遠にしては、あっさり話を終わらせようとし過ぎな気がする。
「あ」
もしかして。
「彼女とケンカでもしたとか?」
「………………」
あ、図星だ。
基本的に、誰に対しても無敵な高遠だけど、どうも彼女には頭が上がらない部分があるらしい(でも、俺が見た限りじゃ、おとなしくてかわいい感じの女の子なんだけど)。
「…………で、言いたいことはそれだけ?」
「あ…」
ものすごく苛付いた高遠の声に、しまった、と思ってももう遅い。
あとで何倍返しにされることやら、なんて思って焦ってたら、ちょうどいいタイミングいで携帯電話が音を立てた。
「あ、ちょっ…電話、電話鳴ったから!」
「……あっそ。勝手にすれば」
低い声でそう言い捨てて、高遠は出ていった。
怖い…。
って、電話!
「あ、悠ちゃんからだ」
カバンから出した携帯電話の液晶画面には、愛しい恋人の名前。
『遅いっ!』
慌てて掴み損なった電話に急いで出ると、ものすごぉ~っく機嫌の悪い悠ちゃんの声。
「ゴメン、今終わって帰るとこなんだ」
『今、どこだよ』
「どこって、学校…」
『はぁ!? まだそんなとこいんの!?』
いや、だって、今終わったとこって言ったよね? 最初に。
『早く来てよぉ! もう待ちくたびれた!』
「すぐ行くよ、ゴメン!」
電話越しに謝りながら、俺はバタバタと教室を出る。幸い廊下には誰もいなかったので、そのまま電話を続ける。
『ホントにすぐ来る?』
「行くって。だからもうちょっと待ってて?」
『じゃ、今すぐ来て。5分以内』
「はい!?」
えっとー…俺の聞き間違いじゃないよね? 間違いなく『5分以内』って言ったよね? 悠ちゃん。
「あ、あのさ、5分って、あの…」
『5分経ったら帰るから』
「え? え?」
何これ。何の仕打ち? 俺が何したっての?
どんなにがんばったって、学校から俺んちまで5分でなんか行けるわけがない。しかも今日に限ってバイクもないし。
でもしょうがない、かわいい悠ちゃんちゃんのためだ。
「絶対行くから! チクショー、待ってろよ!」
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