スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
18時3分に未知との遭遇 (1)
2011.06.13 Mon
「あ、ミツ。お前、前言ってたDVD、いつになったら貸してくれるわけ?」
就業時間近くなって光彰(ミツアキ)に声を掛けたのは、同僚であり幼馴染みの穂積(ホヅミ)だった。
それに対しての光彰の反応といえば、『そんなん何か言ってたっけ?』みたいな顔で穂積を見ることくらいだったから、穂積はわざとらしく大きな溜め息をついた。
もう長い付き合いの光彰が、時折すぱっと記憶力を欠如させてしまうことを、よく知っているからだ。
「え、何のAV?」
「いや、何でお前からエロDVD借りないといけないわけ? お前と兄弟になりたくねぇんだけど。ライブのヤツ! 前に貸してくれるつったじゃん」
「あぁ!」
そう言われて、ようやく思い出したと、光彰は穂積を指差すから、穂積は嫌そうにその手を叩き落とした。
「ずっと待ってたのに持って来ないから、忘れてんだろうなぁとは思ってたけど」
「今思い出した」
まったく悪びれたふうもなく、光彰はそう言ってのけるから、穂積は、今度こそ本気で溜め息をついた。
もともと光彰とは音楽の趣味は合わない。
なのに数週間前、穂積が欲しがっていた音楽DVDを、なぜか光彰が持っていると言い出して。それならば貸してくれ、という運びになったのだが。
「ホントにお前は……なぁ、今日取り行ってもいい?」
このまま光彰が持って来るのを待っていたら、いつまで経っても埒が明かないと判断し、面倒くさいとは思いつつ、穂積はそう提案した。
「いいよ、おいで」
光彰が了承したところで、就業のチャイムが鳴った。
メシ食って帰る? と言った穂積に、光彰が、「ここんとこずっと外で食ってたから、今日は帰って来いって言われたし……やめとくわ」と、普通に返してきたので、穂積はギョッとした。
「…お前、1人暮らしじゃなかったっけ?」
光彰が、とっかえひっかえ女の子と仲良くしているのは知ってるが、わざわざ家に来て夕食の支度までしてくる彼女がいたとは初耳だ。
「んー?」
「いや、彼女いんのに、俺行ったら迷惑じゃね?」
「あぁ、別に気にしなくていいし。何なら穂積もウチで食ってけよ?」
「え、いや…」
極端なほど人見知りの激しい穂積にとって、知らない人がいる空間で食事なんて滅相もない、仕事のときだけで十分だ。
DVDだって、光彰が1人暮らしだからこそ、家まで取りに行くと言ったのに。
何となく憂鬱になりながらも、当初の予定どおり、穂積は光彰の家へと向かうことになってしまった。
next
ちょこっと新シリーズ。タイトルは赤小灰蝶さまより。
就業時間近くなって光彰(ミツアキ)に声を掛けたのは、同僚であり幼馴染みの穂積(ホヅミ)だった。
それに対しての光彰の反応といえば、『そんなん何か言ってたっけ?』みたいな顔で穂積を見ることくらいだったから、穂積はわざとらしく大きな溜め息をついた。
もう長い付き合いの光彰が、時折すぱっと記憶力を欠如させてしまうことを、よく知っているからだ。
「え、何のAV?」
「いや、何でお前からエロDVD借りないといけないわけ? お前と兄弟になりたくねぇんだけど。ライブのヤツ! 前に貸してくれるつったじゃん」
「あぁ!」
そう言われて、ようやく思い出したと、光彰は穂積を指差すから、穂積は嫌そうにその手を叩き落とした。
「ずっと待ってたのに持って来ないから、忘れてんだろうなぁとは思ってたけど」
「今思い出した」
まったく悪びれたふうもなく、光彰はそう言ってのけるから、穂積は、今度こそ本気で溜め息をついた。
もともと光彰とは音楽の趣味は合わない。
なのに数週間前、穂積が欲しがっていた音楽DVDを、なぜか光彰が持っていると言い出して。それならば貸してくれ、という運びになったのだが。
「ホントにお前は……なぁ、今日取り行ってもいい?」
このまま光彰が持って来るのを待っていたら、いつまで経っても埒が明かないと判断し、面倒くさいとは思いつつ、穂積はそう提案した。
「いいよ、おいで」
光彰が了承したところで、就業のチャイムが鳴った。
メシ食って帰る? と言った穂積に、光彰が、「ここんとこずっと外で食ってたから、今日は帰って来いって言われたし……やめとくわ」と、普通に返してきたので、穂積はギョッとした。
「…お前、1人暮らしじゃなかったっけ?」
光彰が、とっかえひっかえ女の子と仲良くしているのは知ってるが、わざわざ家に来て夕食の支度までしてくる彼女がいたとは初耳だ。
「んー?」
「いや、彼女いんのに、俺行ったら迷惑じゃね?」
「あぁ、別に気にしなくていいし。何なら穂積もウチで食ってけよ?」
「え、いや…」
極端なほど人見知りの激しい穂積にとって、知らない人がいる空間で食事なんて滅相もない、仕事のときだけで十分だ。
DVDだって、光彰が1人暮らしだからこそ、家まで取りに行くと言ったのに。
何となく憂鬱になりながらも、当初の予定どおり、穂積は光彰の家へと向かうことになってしまった。
next
ちょこっと新シリーズ。タイトルは赤小灰蝶さまより。
- 関連記事
-
- 18時3分に未知との遭遇 (2) (2011/06/14)
- 18時3分に未知との遭遇 (1) (2011/06/13)
- 愛じゃない、恋でもない INDEX (2011/06/13)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:愛じゃない、恋でもない
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒ 昨日、categoryに
愛じゃない、恋でもない
が追加されていたので新シリーズかな?と思ってました。
何やら、いつもとは年齢層が高めのような…。
ちょっと新鮮な感じですね。
楽しみです~
が追加されていたので新シリーズかな?と思ってました。
何やら、いつもとは年齢層が高めのような…。
ちょっと新鮮な感じですね。
楽しみです~
- |2011.06.13
- |Mon
- |13:21
- |URL
- |EDIT|
けいったん ⇒ No title
誰と 一緒に 住んでるんだよ~光彰~( ̄ー ̄)ニヤリ
如月さま、 面白いタイトルですね~♪
赤小灰蝶さまって すっげぇいーー!
゚+。(o'д'ノノ゙☆パチパチパチ。+゚...byebye☆
如月さま、 面白いタイトルですね~♪
赤小灰蝶さまって すっげぇいーー!
゚+。(o'д'ノノ゙☆パチパチパチ。+゚...byebye☆
- |2011.06.13
- |Mon
- |15:23
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
categoryまで見てくださってるんですね!
何か嬉しい~。
誰かと一緒に暮らすには、やっぱ学生さんは厳しいですからね~。
苦手なリーマンをがんばりました(笑)
お話自体も、今までのかわいい感じのに比べると、ちょっと違うかもですが、お楽しみいただけたらです。
コメントありがとうございました!
何か嬉しい~。
誰かと一緒に暮らすには、やっぱ学生さんは厳しいですからね~。
苦手なリーマンをがんばりました(笑)
お話自体も、今までのかわいい感じのに比べると、ちょっと違うかもですが、お楽しみいただけたらです。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
謎が謎を呼ぶ光彰さん。
ホント、誰と住んでんだよ~~~!!! て感じですよね。
友だちになら、もったいぶらないで教えればいいのに(笑)
赤小灰蝶さんのお題、おもしろいですよね。
がんばっていろいろ攻略したいんですが、なかなか私の技量が伴わず…(涙)
いつかがんばりたいです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
ホント、誰と住んでんだよ~~~!!! て感じですよね。
友だちになら、もったいぶらないで教えればいいのに(笑)
赤小灰蝶さんのお題、おもしろいですよね。
がんばっていろいろ攻略したいんですが、なかなか私の技量が伴わず…(涙)
いつかがんばりたいです(*^_^*)
コメントありがとうございました!