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09. ようやく笑った (中編) -2
2008.04.27 Sun
仲村が言い掛けたその瞬間、玄関のドアが開いて。
小さなボロアパート。
ドアを開ければ、中まで丸見えだ。
玄関のほうを向いた俺の目に飛び込んできたのは、昨日、最悪な別れ方をしたばかりの和哉の姿。
「あ…」
ドアノブを掴んだまま、和哉は固まっていた。
「かず…」
俺の姿を認識した和哉は、手に提げていたコンビニの袋をドサリと落として、一目散に駆け出していた。
「待っ……和哉!」
俺は、自分でもビックリするぐらいの俊敏さで、和哉を追い掛けていた。背後で仲村が何か言ってる。分かんない。
「待てよっ!!」
外の階段を下りようとしたそれより早く、和哉の腕を掴んで引き寄せる。
「離せっ! バカ!! 離せよっ!!」
会ってから1度も聞いたことのない、乱暴な口調。掴んだ腕を振り解こうとする力は、男のそれだ。
「離せよっ!」
「ヤダ!」
俺は力任せに和哉の腕を引っ張る。いっそこのまま抱き締めてしまいたかった。
どのくらいそんなやり取りをしていたのか、
「おい、和哉、水沼!」
俺たちの攻防を止めたのは、仲村だった。
「……近所迷惑になるだろ。部屋に戻れよ」
「ヤダ…」
和哉は目を潤ませながら俯いた。
「いいから、おいで。それに水沼、お前、靴履いてないから」
「え?」
言われて俺は、自分が靴下のまま外に出てきてしまっていることを知った。
「和哉、おいで」
「ヤ、ダ…」
仲村に俺が掴んでるのと反対側の腕を掴まれて、和哉は戸惑ったように仲村を見たが、結局部屋へと歩き出した。
小さなボロアパート。
ドアを開ければ、中まで丸見えだ。
玄関のほうを向いた俺の目に飛び込んできたのは、昨日、最悪な別れ方をしたばかりの和哉の姿。
「あ…」
ドアノブを掴んだまま、和哉は固まっていた。
「かず…」
俺の姿を認識した和哉は、手に提げていたコンビニの袋をドサリと落として、一目散に駆け出していた。
「待っ……和哉!」
俺は、自分でもビックリするぐらいの俊敏さで、和哉を追い掛けていた。背後で仲村が何か言ってる。分かんない。
「待てよっ!!」
外の階段を下りようとしたそれより早く、和哉の腕を掴んで引き寄せる。
「離せっ! バカ!! 離せよっ!!」
会ってから1度も聞いたことのない、乱暴な口調。掴んだ腕を振り解こうとする力は、男のそれだ。
「離せよっ!」
「ヤダ!」
俺は力任せに和哉の腕を引っ張る。いっそこのまま抱き締めてしまいたかった。
どのくらいそんなやり取りをしていたのか、
「おい、和哉、水沼!」
俺たちの攻防を止めたのは、仲村だった。
「……近所迷惑になるだろ。部屋に戻れよ」
「ヤダ…」
和哉は目を潤ませながら俯いた。
「いいから、おいで。それに水沼、お前、靴履いてないから」
「え?」
言われて俺は、自分が靴下のまま外に出てきてしまっていることを知った。
「和哉、おいで」
「ヤ、ダ…」
仲村に俺が掴んでるのと反対側の腕を掴まれて、和哉は戸惑ったように仲村を見たが、結局部屋へと歩き出した。
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