スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
ハッピークリスマス (18)
2011.02.07 Mon
「…………、…え、何…?」
「眠いの? 翔真くん」
真大は翔真の手からペットボトルを取ってサイドテーブルに乗せると、その横に滑り込んだ。
「眠いわけじゃ…」
「じゃ、疲れた?」
「疲れてな…………いや、疲れた、めっちゃ」
惰性で返事をしようとして、しかし翔真は、そこだけは気を遣うことなく、ハッキリと素直に答えた。
なのに翔真の手は、拒むことなく真大のほうへと伸ばされる。力の入っていない腕で抱き寄せられて、真大も翔真の背中へ腕を回した。
触れ合う素肌が、熱い。
「…ね、翔真くん、覚えてる?」
「ん…何…?」
「去年のこと」
去年のクリスマスイブ。
2人して、自分の気持ちも、相手の気持ちも分からなくて、傷付け合う日々が続いて。そこから解放されたい一心で、真大は翔真がバイトしているカフェへと足を運んだのだ。
『俺、アンタのこと、嫌いじゃない』
真大なりの、精一杯の言葉。
散々ひどいことを言ったし、ひどい態度を取り続けていた真大にとって、それだけ言うのが限界だった。
嫌われたままでもいい、許してもらえるなんて思っていないけれど、どうかこれ以上、真大のことで、翔真の心を傷付けないように。
なのに翔真は、真大が考えていたのとは全然違う思いを、白い吐息に乗せて伝えて来た。
『俺さ、お前のこと……真大のこと、…………好き…』
まさか翔真の口から、そんな言葉が飛び出すとは思ってもみなくて、そのとき真大は、ただ立ち竦んでいた。
頭の中が混乱していて、何も分からなくなっていた。
気付けば、泣いていた。
大きな腕に、抱き竦められていた。
何度も好きだと言った。
高校生のころ、翔真のせいで(正確には翔真は悪くなかったのだけれど)、信じることを見失った真大は、あの日また、翔真によって、信じることの大切さを教えられた。
(あの日から、……うぅん、出会った日から、翔真くんは、ずっと俺の心を占領してるんだよ?)
真大は微睡んでいる翔真の頬に、そっと触れた。
告白の日から今日までの、幸せな日々を思い出す。それまでの、辛くて切なくて苦しかった毎日なんて、忘れてしまうくらいの幸せ。
「翔真くん、好き」
「…ん、俺も…」
「…………、…ありがと…」
俺のことを好きになってくれて、ありがとう。
こんなに幸せな毎日を、ありがとう。
翔真くんのことを好きになってよかったって、心から思うよ。
こんなすてきなホテルの部屋も、窓からのイルミネーションも、本当はそんなの、どうだっていいんだ。
――――あなたと一緒にいられるなら、それだけで幸せだから。
back next
「眠いの? 翔真くん」
真大は翔真の手からペットボトルを取ってサイドテーブルに乗せると、その横に滑り込んだ。
「眠いわけじゃ…」
「じゃ、疲れた?」
「疲れてな…………いや、疲れた、めっちゃ」
惰性で返事をしようとして、しかし翔真は、そこだけは気を遣うことなく、ハッキリと素直に答えた。
なのに翔真の手は、拒むことなく真大のほうへと伸ばされる。力の入っていない腕で抱き寄せられて、真大も翔真の背中へ腕を回した。
触れ合う素肌が、熱い。
「…ね、翔真くん、覚えてる?」
「ん…何…?」
「去年のこと」
去年のクリスマスイブ。
2人して、自分の気持ちも、相手の気持ちも分からなくて、傷付け合う日々が続いて。そこから解放されたい一心で、真大は翔真がバイトしているカフェへと足を運んだのだ。
『俺、アンタのこと、嫌いじゃない』
真大なりの、精一杯の言葉。
散々ひどいことを言ったし、ひどい態度を取り続けていた真大にとって、それだけ言うのが限界だった。
嫌われたままでもいい、許してもらえるなんて思っていないけれど、どうかこれ以上、真大のことで、翔真の心を傷付けないように。
なのに翔真は、真大が考えていたのとは全然違う思いを、白い吐息に乗せて伝えて来た。
『俺さ、お前のこと……真大のこと、…………好き…』
まさか翔真の口から、そんな言葉が飛び出すとは思ってもみなくて、そのとき真大は、ただ立ち竦んでいた。
頭の中が混乱していて、何も分からなくなっていた。
気付けば、泣いていた。
大きな腕に、抱き竦められていた。
何度も好きだと言った。
高校生のころ、翔真のせいで(正確には翔真は悪くなかったのだけれど)、信じることを見失った真大は、あの日また、翔真によって、信じることの大切さを教えられた。
(あの日から、……うぅん、出会った日から、翔真くんは、ずっと俺の心を占領してるんだよ?)
真大は微睡んでいる翔真の頬に、そっと触れた。
告白の日から今日までの、幸せな日々を思い出す。それまでの、辛くて切なくて苦しかった毎日なんて、忘れてしまうくらいの幸せ。
「翔真くん、好き」
「…ん、俺も…」
「…………、…ありがと…」
俺のことを好きになってくれて、ありがとう。
こんなに幸せな毎日を、ありがとう。
翔真くんのことを好きになってよかったって、心から思うよ。
こんなすてきなホテルの部屋も、窓からのイルミネーションも、本当はそんなの、どうだっていいんだ。
――――あなたと一緒にいられるなら、それだけで幸せだから。
back next
- 関連記事
-
- ハッピークリスマス (19) (2011/02/08)
- ハッピークリスマス (18) (2011/02/07)
- ハッピークリスマス (17) (2011/02/06)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
音夜 ⇒ No title
カップルたちの想い想いのイブは面白いですね。あ、いや約1名の方はまだ片思い続行中でしたがw ガンバレ隼人くん。
ゆっちくんにマフラー渡されてアワワしてるカズくんカワイイですね( ´∀`)
この2人はホンマにほっこりなカプですよね、なんか癒されます♪
そして、その対称のカプが、個人的にお気にの翔くんと真大くん
イブからぶっち飛ばしてますねw
でもホント、真大くんは翔くんと出会えて良かったですよね。
荒んでたままじゃ悲しすぎますし。真大くんも、感謝してるところが偉いっ。
素敵なイブになるでしょーね
ゆっちくんにマフラー渡されてアワワしてるカズくんカワイイですね( ´∀`)
この2人はホンマにほっこりなカプですよね、なんか癒されます♪
そして、その対称のカプが、個人的にお気にの翔くんと真大くん
イブからぶっち飛ばしてますねw
でもホント、真大くんは翔くんと出会えて良かったですよね。
荒んでたままじゃ悲しすぎますし。真大くんも、感謝してるところが偉いっ。
素敵なイブになるでしょーね
- |2011.02.07
- |Mon
- |19:40
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
隼人くん、いったいいつ報われるのか…。
このシリーズの中では、完全に片思いなのはこの方だけなので。。。
カズちゃんと翔ちゃんは、ホント対照的というか……真大タンのほうが後輩なのに、カズちゃんのほうがアワアワすることのほうが多いという…(^_^;)
ラブホでクリスマスは、カズちゃんたちには無理だろうなぁ(笑)
そのうち、そんな日も来るんでしょうか。
カズちゃんたちも、クリスマスシーズンがお付き合いのきっかけでしたが、翔ちゃんと真大タンも、イブがお付き合い記念日です。
それまでの辛いことがあったからこそ、今年のクリスマスがより一層いとおしく思えるのかも。
一度は書いてみたかった、1日の時系列ですべてのカプを出すお話。
2月に入ったのにクリスマス……て感じですが、ようやく全カプが揃いました。
お付き合いありがとうございました。
コメントありがとうございました!
このシリーズの中では、完全に片思いなのはこの方だけなので。。。
カズちゃんと翔ちゃんは、ホント対照的というか……真大タンのほうが後輩なのに、カズちゃんのほうがアワアワすることのほうが多いという…(^_^;)
ラブホでクリスマスは、カズちゃんたちには無理だろうなぁ(笑)
そのうち、そんな日も来るんでしょうか。
カズちゃんたちも、クリスマスシーズンがお付き合いのきっかけでしたが、翔ちゃんと真大タンも、イブがお付き合い記念日です。
それまでの辛いことがあったからこそ、今年のクリスマスがより一層いとおしく思えるのかも。
一度は書いてみたかった、1日の時系列ですべてのカプを出すお話。
2月に入ったのにクリスマス……て感じですが、ようやく全カプが揃いました。
お付き合いありがとうございました。
コメントありがとうございました!