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嬉しいプレゼント (5)
2011.01.10 Mon
「だって、えっと…」
わけが分からないまま、朋文は紙袋を丁寧に開ける。
中にはオリーブ色のマフラーが入っているだけで、とりあえず、辞表らしきものは見当たらない。
ということは、本当にプレゼント?
「え…、…………俺に?」
「他に誰がいんだよ。つーか、人にやるプレゼント、お前に開けられて黙ってると思うか?」
「いや、だって…」
譲の言い分は確かに間違ってはいないけれど、そんなことを言われても…。
「何で、急に…。え、マジで何で?」
だって仕事、辞めたいんじゃないの?
そういう話なんじゃなかったの?
「だってお前…」
「え?」
「お前、今日、誕生日……だろ?」
「………………。…えっ!?」
俯きがちにそう呟いた譲の言葉に、朋文は今日何度目になるか分からない、驚きの声を上げた。
慌てて時計を見れば、表示されている日にちは、確かに朋文の誕生日を示している。
今朝だって、店に着いて早々時計を見たはずなのに、どうして気付かなかったんだろう。
「えっえっ、じゃあこれ、プレゼントてこと!? 誕生日プレゼント!?」
「…うっせぇな」
もしかして、朝、譲の様子が妙だったのは、このプレゼントを渡すタイミングを計ってたからってこと?
言いたかったことって、もしかして『誕生日おめでとう』とか、そういうこと!?
(つか、ちょっ…譲、顔赤いしっ! かわいい~~!!)
今日1日、この世の終わりのような気持ちでいたのに、それが分かった途端、朋文の気持ちは一気に浮上する。
もともと落ち込みやすいタイプではないのだ。
「ちょっ譲、マジで嬉しいんだけど、どうしよう!」
「知らねぇよ!」
譲は本気で、この鈍感男を殴り付けたくなった。
本当に言われるまで、今日が自分の誕生日だということを、分かっていなかったのだろうか。
譲にしたら、このところ朋文のほうが早く出勤し、寒い店内の暖房を入れて準備をしていたので、せめて誕生日の今日くらいは自分のほうが早く来て、室内を暖めておこうと思ったのだし、いつもコート1枚の朋文に合いそうなマフラーを、恥を忍んで買いにも行ったのだ(朋文に似合いそうなアイテムは、譲が普段行く店には置いていないから)。
それなのに、とうの朋文と来たら、まったく何にも分かっていなかったのだ。
ブチ切れたくもなる。
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わけが分からないまま、朋文は紙袋を丁寧に開ける。
中にはオリーブ色のマフラーが入っているだけで、とりあえず、辞表らしきものは見当たらない。
ということは、本当にプレゼント?
「え…、…………俺に?」
「他に誰がいんだよ。つーか、人にやるプレゼント、お前に開けられて黙ってると思うか?」
「いや、だって…」
譲の言い分は確かに間違ってはいないけれど、そんなことを言われても…。
「何で、急に…。え、マジで何で?」
だって仕事、辞めたいんじゃないの?
そういう話なんじゃなかったの?
「だってお前…」
「え?」
「お前、今日、誕生日……だろ?」
「………………。…えっ!?」
俯きがちにそう呟いた譲の言葉に、朋文は今日何度目になるか分からない、驚きの声を上げた。
慌てて時計を見れば、表示されている日にちは、確かに朋文の誕生日を示している。
今朝だって、店に着いて早々時計を見たはずなのに、どうして気付かなかったんだろう。
「えっえっ、じゃあこれ、プレゼントてこと!? 誕生日プレゼント!?」
「…うっせぇな」
もしかして、朝、譲の様子が妙だったのは、このプレゼントを渡すタイミングを計ってたからってこと?
言いたかったことって、もしかして『誕生日おめでとう』とか、そういうこと!?
(つか、ちょっ…譲、顔赤いしっ! かわいい~~!!)
今日1日、この世の終わりのような気持ちでいたのに、それが分かった途端、朋文の気持ちは一気に浮上する。
もともと落ち込みやすいタイプではないのだ。
「ちょっ譲、マジで嬉しいんだけど、どうしよう!」
「知らねぇよ!」
譲は本気で、この鈍感男を殴り付けたくなった。
本当に言われるまで、今日が自分の誕生日だということを、分かっていなかったのだろうか。
譲にしたら、このところ朋文のほうが早く出勤し、寒い店内の暖房を入れて準備をしていたので、せめて誕生日の今日くらいは自分のほうが早く来て、室内を暖めておこうと思ったのだし、いつもコート1枚の朋文に合いそうなマフラーを、恥を忍んで買いにも行ったのだ(朋文に似合いそうなアイテムは、譲が普段行く店には置いていないから)。
それなのに、とうの朋文と来たら、まったく何にも分かっていなかったのだ。
ブチ切れたくもなる。
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