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ビターチョコレートに込めた甘い愛 (62)
2014.03.31 Mon
「あ、そうだ、直央くん」
「ぅ?」
「はい、これ」
キッチンに行くと、徳永さんが何かを俺に差し出して来た。
金色のリボンが掛かった、緑のチェックの箱。派手な感じの組み合わせだけれど、大人ぽくて、上品な感じ。
「上げる、直央くんに」
何これ? 何? て、俺がキョトンとしてたら、徳永さんがそれを俺のほうにグイッと近づけるから、思わず受け取ってしまった。
リボンの結び目のところに、タグみたいのがくっ付いてて、そこには『Happy Valentine's Day』て書いてある。今日、純子さんに教えてもらったから、読めるよ。
「…俺に?」
「うん。バレンタインだからね」
「バレンタイン」
そっか、徳永さんもちゃんと分かってたんだ。
俺は蓮沼さんに言われなかったら、バレンタインに徳永さんにチョコを上げることなんて全然思い付かなかったけど、徳永さんは、そうじゃなかったんだね。
しかも、俺は、隠してるつもりがバレバレだったけど、徳永さんは全然そんなことなかった。バレンタインなんて全然気にしてないみたいにしてて、ちゃんとチョコを用意してくれてたんだ。
それを思うと、俺って、つくづくダメなヤツだなぁ…。
「直央くん?」
「え…?」
「あ、いや、その…、ゴメン、やっぱ男同士でバレンタインとか引いた? 俺もどうしようか迷ったんだけどさ、やっぱり…………直央くん? どうしたの? ヤダった? ゴメンね?」
嫌なわけがない。
でも何でか急に涙が込み上げてみて、徳永さんが謝ってくるから、ブンブン首を振る。
もうこれ以上、徳永さんのこと、困らせたくない。
「あ…ありがとう…。すご…嬉しい…」
「よかった」
徳永さんからチョコ貰えて、すごく嬉しい。
嬉しいのに、何だかちょっと悲しいなんて――――俺は、すごく嫌なヤツだ。
徳永さんに嘘ついちゃうし、徳永さんのこと悲しませちゃうし、何か全部、全然うまく出来ないし、それなのに徳永さん、俺のこと好きでいてくれるなんて。
「あ、ご飯っ……あ、でもこれ開け…」
「うん、開けて開けて」
ご飯にしなきゃ、て思ったけど、今こうやってプレゼントされたんだから、すぐに開けたほうがいいよね。
俺が買った100均の箱とは違って、リボンとか包装紙とかからして、何となく高級感がある。もしかして、すっごく高いのかな? 俺、あんまりそういうの分かってないけど、何かすごそう…。
「うわぁ…」
包装紙を剥いでふたを開けると、中にはいろんな種類のチョコが並んでた。
チョコていうと、茶色か、まぁ白とか、イチゴ味でピンクとかならあるかな、て思うけど、箱の中のチョコは、何だかカラフル。模様が描いてあるのもあるし。
すごい!
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「ぅ?」
「はい、これ」
キッチンに行くと、徳永さんが何かを俺に差し出して来た。
金色のリボンが掛かった、緑のチェックの箱。派手な感じの組み合わせだけれど、大人ぽくて、上品な感じ。
「上げる、直央くんに」
何これ? 何? て、俺がキョトンとしてたら、徳永さんがそれを俺のほうにグイッと近づけるから、思わず受け取ってしまった。
リボンの結び目のところに、タグみたいのがくっ付いてて、そこには『Happy Valentine's Day』て書いてある。今日、純子さんに教えてもらったから、読めるよ。
「…俺に?」
「うん。バレンタインだからね」
「バレンタイン」
そっか、徳永さんもちゃんと分かってたんだ。
俺は蓮沼さんに言われなかったら、バレンタインに徳永さんにチョコを上げることなんて全然思い付かなかったけど、徳永さんは、そうじゃなかったんだね。
しかも、俺は、隠してるつもりがバレバレだったけど、徳永さんは全然そんなことなかった。バレンタインなんて全然気にしてないみたいにしてて、ちゃんとチョコを用意してくれてたんだ。
それを思うと、俺って、つくづくダメなヤツだなぁ…。
「直央くん?」
「え…?」
「あ、いや、その…、ゴメン、やっぱ男同士でバレンタインとか引いた? 俺もどうしようか迷ったんだけどさ、やっぱり…………直央くん? どうしたの? ヤダった? ゴメンね?」
嫌なわけがない。
でも何でか急に涙が込み上げてみて、徳永さんが謝ってくるから、ブンブン首を振る。
もうこれ以上、徳永さんのこと、困らせたくない。
「あ…ありがとう…。すご…嬉しい…」
「よかった」
徳永さんからチョコ貰えて、すごく嬉しい。
嬉しいのに、何だかちょっと悲しいなんて――――俺は、すごく嫌なヤツだ。
徳永さんに嘘ついちゃうし、徳永さんのこと悲しませちゃうし、何か全部、全然うまく出来ないし、それなのに徳永さん、俺のこと好きでいてくれるなんて。
「あ、ご飯っ……あ、でもこれ開け…」
「うん、開けて開けて」
ご飯にしなきゃ、て思ったけど、今こうやってプレゼントされたんだから、すぐに開けたほうがいいよね。
俺が買った100均の箱とは違って、リボンとか包装紙とかからして、何となく高級感がある。もしかして、すっごく高いのかな? 俺、あんまりそういうの分かってないけど、何かすごそう…。
「うわぁ…」
包装紙を剥いでふたを開けると、中にはいろんな種類のチョコが並んでた。
チョコていうと、茶色か、まぁ白とか、イチゴ味でピンクとかならあるかな、て思うけど、箱の中のチョコは、何だかカラフル。模様が描いてあるのもあるし。
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