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愚かだということは分かっている (2)
2013.05.31 Fri
相変わらずの広いリビングまで俺を連れて来ると、先生は置いてあった袋の中を漁り出した。
でもその袋が、どうもスーパーの買い物袋の感じじゃない。まさか…。
「じゃーん!」
「……は?」
先生が袋の中から取り出して、俺のほうに見せ付けて来たのは、料理の材料なんかじゃなく――――――セーラー服。
先週の悪夢が蘇って、俺は苛立ちとともに、頭を抱えたくなった。
「先生…」
「そう! まさに俺、先生! マナくんは生徒ねっ?」
楽しげに言う先生に、俺は先週の先生の言葉を思い出した。
確かこの変態は、今度は先生と生徒ごっこをしよう、とか何とか言っていたんだ…。
「バッカじゃねぇの、アンタ、ホントに!」
相手は先生だけど、俺は遠慮なくそう怒鳴ってやった。
だってもう、ホントにバカだもん、この人!
「何で? かわいくない? この制服! ピンク!」
シャツは白だけど、セーラーの部分とスカートがピンクのセーラー服は、本当の制服とは思えない配色だから、きっと何かのアニメのコスプレ衣装なんだと思う。
この人、またわざわざ買いに行ったの? コスプレだって1つの趣味だから、コスプレをしたがる人を変だとは思わないけど、この人は絶対に、完全におかしい!
「ね、ね、マナくん、これ着て? 先生と生徒ごっこしよっ?」
「だからー!」
ごっこも何も、もともと先生は先生だし、俺は学生だし! しかも何でセーラー服着る必要がある!?
「…帰ります、さようなら」
「ちょっちょっ何で!?」
言い返すのも面倒で、俺は静かにそれだけ告げると踵を返したけれど、すぐに先生に腕を掴まれた。
先生との約束守んないと、どうなるか分かんないし…て思って、またここに来てしまった自分のバカさ加減に呆れてしまう。この人の考えてることなんて、どうせこの程度のことなんだよ。
「マナくん待ってよ! 何で帰るの!?」
「そのセーラー服を着たくないからです」
喚き立てる先生に、俺はキッパリと告げる。
同じテンションで返したところで、先生は『何で? 何で?』の繰り返しでしつこいから、はっきり言ってやったほうがいいんだ。それに、この理由は嘘じゃないし。
「でも……似合うと思うよ?」
「そんなの、似合ったって全然嬉しくないし、似合いたくもないです」
どこの世界に、セーラー服が似合うと褒められて喜ぶ大学生男子がいるんだ。
いや、日本中探せば、少なからずどこかにはいるかもしれないけれど、少なくとも俺にそんな趣味はない。
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でもその袋が、どうもスーパーの買い物袋の感じじゃない。まさか…。
「じゃーん!」
「……は?」
先生が袋の中から取り出して、俺のほうに見せ付けて来たのは、料理の材料なんかじゃなく――――――セーラー服。
先週の悪夢が蘇って、俺は苛立ちとともに、頭を抱えたくなった。
「先生…」
「そう! まさに俺、先生! マナくんは生徒ねっ?」
楽しげに言う先生に、俺は先週の先生の言葉を思い出した。
確かこの変態は、今度は先生と生徒ごっこをしよう、とか何とか言っていたんだ…。
「バッカじゃねぇの、アンタ、ホントに!」
相手は先生だけど、俺は遠慮なくそう怒鳴ってやった。
だってもう、ホントにバカだもん、この人!
「何で? かわいくない? この制服! ピンク!」
シャツは白だけど、セーラーの部分とスカートがピンクのセーラー服は、本当の制服とは思えない配色だから、きっと何かのアニメのコスプレ衣装なんだと思う。
この人、またわざわざ買いに行ったの? コスプレだって1つの趣味だから、コスプレをしたがる人を変だとは思わないけど、この人は絶対に、完全におかしい!
「ね、ね、マナくん、これ着て? 先生と生徒ごっこしよっ?」
「だからー!」
ごっこも何も、もともと先生は先生だし、俺は学生だし! しかも何でセーラー服着る必要がある!?
「…帰ります、さようなら」
「ちょっちょっ何で!?」
言い返すのも面倒で、俺は静かにそれだけ告げると踵を返したけれど、すぐに先生に腕を掴まれた。
先生との約束守んないと、どうなるか分かんないし…て思って、またここに来てしまった自分のバカさ加減に呆れてしまう。この人の考えてることなんて、どうせこの程度のことなんだよ。
「マナくん待ってよ! 何で帰るの!?」
「そのセーラー服を着たくないからです」
喚き立てる先生に、俺はキッパリと告げる。
同じテンションで返したところで、先生は『何で? 何で?』の繰り返しでしつこいから、はっきり言ってやったほうがいいんだ。それに、この理由は嘘じゃないし。
「でも……似合うと思うよ?」
「そんなの、似合ったって全然嬉しくないし、似合いたくもないです」
どこの世界に、セーラー服が似合うと褒められて喜ぶ大学生男子がいるんだ。
いや、日本中探せば、少なからずどこかにはいるかもしれないけれど、少なくとも俺にそんな趣味はない。
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