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暴君王子のおっしゃることには! (122)
2012.08.31 Fri
「…うへへ」
「何笑ってんだよ、お前。大丈夫か? ホントに」
ニヤニヤというか、ヘラヘラというか、急にそんな笑いを浮かべた一伽に、侑仁は何だか心配になって声を掛けた。様子が変過ぎると言った航平の気持ち、今なら分かるかも…。
大体、侑仁の中で一伽は、何があっても我が道を行くタイプだったから、人に気を遣っている姿を見るだけで、何だか妙な感じだ。
「俺は大丈夫。でも侑仁はヤバいと思う」
「何でだよ」
「みんなね、昨日ね、海晴とかと飲んでてね、みんな、侑仁がリコちゃんと付き合うと思ってるから」
「おいっ」
そういえば、先ほどの一伽の話だと、そういうことになっているらしい。
確かにリコは事実しか伝えていないわけで、それを一伽たちが勝手に勘違いしただけではあるが、そう思ってしまうのも無理がないわけで、もしかしてそれがリコの作戦だったのだろうか。
どちらにしても侑仁は、早めに海晴たちの誤解も解いておかないと…。
「あーもうっ、何で俺がリコと付き合うとか思うんだよ」
「だってリコちゃんかわいいし。侑仁、かわいい子好きでしょ?」
「あのな、お前と一緒にすんなよ。顔だけで選ぶかっ」
一伽だって、ご飯だけなら顔で選ぶけれど、そうでなければ、もっとちゃんと考えるのに。心外な。
しかし、侑仁の言葉を聞いた一伽は、『おや?』と思った。侑仁の前でリコは『いい子のリコちゃん』だから、侑仁がリコの性格について、どうこう思うはずがないんだけれど…。
「侑仁、リコちゃんみたいな性格の子、ヤなの?」
「もうちょっと性格の裏表がなきゃなぁ、リコも」
「あれ? 知ってたの?」
「は?」
リコは、侑仁の前ではかなりがんばっていたから、一伽はてっきり、侑仁はリコのそういう面しか知らないと思っていたのに。
「あのな、俺だってバカじゃねぇんだから、そんくらい分かるっつの」
「何だ」
リコは一生懸命取り繕っていたけれど、侑仁には全部バレていたのか。
性格に裏表があると言ったらそれまでだけれど(一伽もリコには結構厳しいこと言われたし…)、侑仁に対して一途だと言えば、そういうふうにも言える。
…侑仁のこと好きになると、そんなふうに周りが見えなくなっちゃうのかな。
(俺は別にそんなこと…………ないと思う)
昨日、侑仁のことが好きかもとか思っちゃって、でも侑仁はリコと付き合うんだからどうにもなんない…て凹んで、でも実はそうじゃないと分かって…………今の自分の気持ちは、何だかよく分からない。
でも、これからも侑仁に会えると思って、嬉しくなっちゃってる時点で、やっぱり好きなんだろうか。
だとしても、リコのようにのめり込み過ぎないように、気を付けないと。
「とりあえずお腹も空いたし、やっぱり今日はもう帰ることにするね」
「腹? メシなら作…」
「血だよ、血! 侑仁、吸わせてくれんの?」
「吸わせね」
一伽は侑仁から血を吸うつもりはないけれど、侑仁が分かっていない様子だったから、冗談だけれどそう言ってみたら、侑仁に即行で拒否された(でも顔は笑っているから、冗談だと通じているのだろう)。
また来てもいいことは分かったし、お腹も空いてきたから、今日のところはこれで帰ることにする。
前もそうだったが、たくさんお酒を飲んだ次の日は、何だか妙にお腹が空くみたいだから、また堪えられなくなって、侑仁の血を吸っちゃったら大変だ。
「てことで、またね。バイバーイ」
「はいはい。じゃあな」
バイバイて手を振って、侑仁の家を出る。
何だか仲良しみたいで、ちょっと擽ったい。
自分の、独り善がりの想いでも、もういいや。
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「何笑ってんだよ、お前。大丈夫か? ホントに」
ニヤニヤというか、ヘラヘラというか、急にそんな笑いを浮かべた一伽に、侑仁は何だか心配になって声を掛けた。様子が変過ぎると言った航平の気持ち、今なら分かるかも…。
大体、侑仁の中で一伽は、何があっても我が道を行くタイプだったから、人に気を遣っている姿を見るだけで、何だか妙な感じだ。
「俺は大丈夫。でも侑仁はヤバいと思う」
「何でだよ」
「みんなね、昨日ね、海晴とかと飲んでてね、みんな、侑仁がリコちゃんと付き合うと思ってるから」
「おいっ」
そういえば、先ほどの一伽の話だと、そういうことになっているらしい。
確かにリコは事実しか伝えていないわけで、それを一伽たちが勝手に勘違いしただけではあるが、そう思ってしまうのも無理がないわけで、もしかしてそれがリコの作戦だったのだろうか。
どちらにしても侑仁は、早めに海晴たちの誤解も解いておかないと…。
「あーもうっ、何で俺がリコと付き合うとか思うんだよ」
「だってリコちゃんかわいいし。侑仁、かわいい子好きでしょ?」
「あのな、お前と一緒にすんなよ。顔だけで選ぶかっ」
一伽だって、ご飯だけなら顔で選ぶけれど、そうでなければ、もっとちゃんと考えるのに。心外な。
しかし、侑仁の言葉を聞いた一伽は、『おや?』と思った。侑仁の前でリコは『いい子のリコちゃん』だから、侑仁がリコの性格について、どうこう思うはずがないんだけれど…。
「侑仁、リコちゃんみたいな性格の子、ヤなの?」
「もうちょっと性格の裏表がなきゃなぁ、リコも」
「あれ? 知ってたの?」
「は?」
リコは、侑仁の前ではかなりがんばっていたから、一伽はてっきり、侑仁はリコのそういう面しか知らないと思っていたのに。
「あのな、俺だってバカじゃねぇんだから、そんくらい分かるっつの」
「何だ」
リコは一生懸命取り繕っていたけれど、侑仁には全部バレていたのか。
性格に裏表があると言ったらそれまでだけれど(一伽もリコには結構厳しいこと言われたし…)、侑仁に対して一途だと言えば、そういうふうにも言える。
…侑仁のこと好きになると、そんなふうに周りが見えなくなっちゃうのかな。
(俺は別にそんなこと…………ないと思う)
昨日、侑仁のことが好きかもとか思っちゃって、でも侑仁はリコと付き合うんだからどうにもなんない…て凹んで、でも実はそうじゃないと分かって…………今の自分の気持ちは、何だかよく分からない。
でも、これからも侑仁に会えると思って、嬉しくなっちゃってる時点で、やっぱり好きなんだろうか。
だとしても、リコのようにのめり込み過ぎないように、気を付けないと。
「とりあえずお腹も空いたし、やっぱり今日はもう帰ることにするね」
「腹? メシなら作…」
「血だよ、血! 侑仁、吸わせてくれんの?」
「吸わせね」
一伽は侑仁から血を吸うつもりはないけれど、侑仁が分かっていない様子だったから、冗談だけれどそう言ってみたら、侑仁に即行で拒否された(でも顔は笑っているから、冗談だと通じているのだろう)。
また来てもいいことは分かったし、お腹も空いてきたから、今日のところはこれで帰ることにする。
前もそうだったが、たくさんお酒を飲んだ次の日は、何だか妙にお腹が空くみたいだから、また堪えられなくなって、侑仁の血を吸っちゃったら大変だ。
「てことで、またね。バイバーイ」
「はいはい。じゃあな」
バイバイて手を振って、侑仁の家を出る。
何だか仲良しみたいで、ちょっと擽ったい。
自分の、独り善がりの想いでも、もういいや。
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