借金取りさん、こんにちは。
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5. 利子の変わりにちゅーさせて (1)
2010.07.01 Thu
連れてこられたのは、いかにも高級!! って感じのマンション。徳永さんのお店じゃないし……もしかして自宅かな?
借金取りって儲かるんだなぁ。
すげぇ、電子キーだ! 暗証番号入力するヤツ!
最初のエントランスで、もう暗証番号とか入れるんだ、マジすげぇ!!
うわぁ、うわぁ、超広い!
ちょっとしたホテルのロビーより、よっぽどすごいんじゃね!?
何ここ! 凄すぎる!!
「おい、どこ行く気だ?」
「あ、すいません!!」
物珍しさから、辺りをキョロキョロしてたら、いつの間にか徳永さんは、エレヴェータのほうへ行ってた。
そんな状況じゃないってことは分かってるけど、あまりの豪華さにちょっと興奮気味の俺。
昔、テレビで見たことあるよ、こういうの。
超お金持ちが住んでんだよね!?
エレヴェータの中もめちゃくちゃ広いし……ってか俺、最近エレヴェータにすら乗ってないよ!
「すご…」
どこをどう見ても、高級感が漂ってるマンション。
エレヴェータは最上階で止まって、徳永さんは降りてから3つ目のドアの鍵を開けた(これも当然電子ロック!)。
3つ目っていうか……このフロアに、玄関のドアって、3つしかないんだよね。俺の住んでたアパートも各階に3部屋ずつしかなかったけど、規模が違いすぎる!
「どうぞ」
「はぁ…」
こんなきったない格好で入っちゃっていいのかな?
チラッと徳永さんの様子を窺うと、目が合って、早くしろって感じで促される。
「……お邪魔しまーす…」
うわー……部屋の中も超広い!!
「―――で、さっきのは一体どういうこと?」
部屋の広さに圧倒されて、立ち竦んでいた俺の背後から、徳永さんの低い声。
「え、さっきのって…?」
「さっき。どこに行こうとしてたんだよ、あの男にくっ付いて」
「あ…」
さっきの、サラ金のビラ配りのお兄ちゃんのことか。
どこって……よく分かんないけど、あの人の働いてるお店、だよね?
借金取りって儲かるんだなぁ。
すげぇ、電子キーだ! 暗証番号入力するヤツ!
最初のエントランスで、もう暗証番号とか入れるんだ、マジすげぇ!!
うわぁ、うわぁ、超広い!
ちょっとしたホテルのロビーより、よっぽどすごいんじゃね!?
何ここ! 凄すぎる!!
「おい、どこ行く気だ?」
「あ、すいません!!」
物珍しさから、辺りをキョロキョロしてたら、いつの間にか徳永さんは、エレヴェータのほうへ行ってた。
そんな状況じゃないってことは分かってるけど、あまりの豪華さにちょっと興奮気味の俺。
昔、テレビで見たことあるよ、こういうの。
超お金持ちが住んでんだよね!?
エレヴェータの中もめちゃくちゃ広いし……ってか俺、最近エレヴェータにすら乗ってないよ!
「すご…」
どこをどう見ても、高級感が漂ってるマンション。
エレヴェータは最上階で止まって、徳永さんは降りてから3つ目のドアの鍵を開けた(これも当然電子ロック!)。
3つ目っていうか……このフロアに、玄関のドアって、3つしかないんだよね。俺の住んでたアパートも各階に3部屋ずつしかなかったけど、規模が違いすぎる!
「どうぞ」
「はぁ…」
こんなきったない格好で入っちゃっていいのかな?
チラッと徳永さんの様子を窺うと、目が合って、早くしろって感じで促される。
「……お邪魔しまーす…」
うわー……部屋の中も超広い!!
「―――で、さっきのは一体どういうこと?」
部屋の広さに圧倒されて、立ち竦んでいた俺の背後から、徳永さんの低い声。
「え、さっきのって…?」
「さっき。どこに行こうとしてたんだよ、あの男にくっ付いて」
「あ…」
さっきの、サラ金のビラ配りのお兄ちゃんのことか。
どこって……よく分かんないけど、あの人の働いてるお店、だよね?
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5. 利子の変わりにちゅーさせて (2)
2010.07.02 Fri
「これ…」
何て説明したらいいかよく分かんなくて、さっき渡されたチラシを徳永さんに渡す。受け取った徳永さんは、チラッとそれを見た後、フンッと鼻で笑った。
「まさか、これ信じて、付いてったのか?」
「信じてっていうか…」
無理やり連れて行かれたんだけどね。
でも、興味を惹かれたのも確か。だって20分以内に振り込んでくれるんだよ? 凄くない?
「本気で20分以内に振り込んでくれると思ったわけ?」
「…………だって……」
「何だよ」
「だって、すぐにお金が必要だったんだもん…」
ものすごいバカにしたような徳永さんの言い方に、何だか泣きたくなってくる。
確かにバカだけどさ。
でも1週間以内に10万円工面する方法なんて、ほかに知らない。
「お前、俺んとこのほかに、こういうヤミ金にまで手ぇ出すと、マジで取り返しつかなくなるぜ?」
「ヤミ、金……やっぱ、ヤバイとこだったのかな…?」
「ホントに分かってなかったのかよ!」
徳永さんは本気で呆れたように、大げさに溜め息をついた。
「で、でも! とりあえずここで500万借りれば、徳永さんから借りてたのは返済できるし!」
「多重債務って、そうやってなってくんだぜ?」
「でも……10万だけなら…」
「は?」
「10万だけ借りれば……とりあえず徳永さんに、今月の分は払えるし…」
今月分の支払期限は、だって1週間しかないし。ほかにそれだけ稼げる方法も思い付かないし。
「つーかさ、」
サングラスを取った徳永さんは、スーツの上着だけ脱いで、無造作にソファの背に掛けた。何やっても様になるなぁ、この人は…。
「今月の返済って、君じゃなくない?」
「はぁ…」
一応、2人で交互に返済するって話はしてあって、それでもいいって言われてはいたんだけど、実はアイツが逃げちゃったってことは、まだ話してない。
「もう1人は? 一緒じゃねぇの?」
「…………。……アイツの分も、俺が何とかしますから!」
「どうやって?」
「……それは…」
やっぱりさっきのとこに行って借りようかな。ヤミ金って言ったって、10万くらいだったら、どうにかなるかもしれない。で、バイト代が入ったら、そっちに10万返して、それから徳永さんに…。
何て説明したらいいかよく分かんなくて、さっき渡されたチラシを徳永さんに渡す。受け取った徳永さんは、チラッとそれを見た後、フンッと鼻で笑った。
「まさか、これ信じて、付いてったのか?」
「信じてっていうか…」
無理やり連れて行かれたんだけどね。
でも、興味を惹かれたのも確か。だって20分以内に振り込んでくれるんだよ? 凄くない?
「本気で20分以内に振り込んでくれると思ったわけ?」
「…………だって……」
「何だよ」
「だって、すぐにお金が必要だったんだもん…」
ものすごいバカにしたような徳永さんの言い方に、何だか泣きたくなってくる。
確かにバカだけどさ。
でも1週間以内に10万円工面する方法なんて、ほかに知らない。
「お前、俺んとこのほかに、こういうヤミ金にまで手ぇ出すと、マジで取り返しつかなくなるぜ?」
「ヤミ、金……やっぱ、ヤバイとこだったのかな…?」
「ホントに分かってなかったのかよ!」
徳永さんは本気で呆れたように、大げさに溜め息をついた。
「で、でも! とりあえずここで500万借りれば、徳永さんから借りてたのは返済できるし!」
「多重債務って、そうやってなってくんだぜ?」
「でも……10万だけなら…」
「は?」
「10万だけ借りれば……とりあえず徳永さんに、今月の分は払えるし…」
今月分の支払期限は、だって1週間しかないし。ほかにそれだけ稼げる方法も思い付かないし。
「つーかさ、」
サングラスを取った徳永さんは、スーツの上着だけ脱いで、無造作にソファの背に掛けた。何やっても様になるなぁ、この人は…。
「今月の返済って、君じゃなくない?」
「はぁ…」
一応、2人で交互に返済するって話はしてあって、それでもいいって言われてはいたんだけど、実はアイツが逃げちゃったってことは、まだ話してない。
「もう1人は? 一緒じゃねぇの?」
「…………。……アイツの分も、俺が何とかしますから!」
「どうやって?」
「……それは…」
やっぱりさっきのとこに行って借りようかな。ヤミ金って言ったって、10万くらいだったら、どうにかなるかもしれない。で、バイト代が入ったら、そっちに10万返して、それから徳永さんに…。
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5. 利子の変わりにちゅーさせて (3)
2010.07.03 Sat
「―――直央くんが何考えてんのか、想像が付かなくもないけど」
そういえば、何でこの人、俺のこと"直央くん"って呼ぶんだろ。別にいいけど。
っていうか、それより! 俺の考えてること、想像が付いちゃうって、そんなの…。
「なぁ、ホントのこと話してみ?」
「……別に、ホントも嘘も、ない…」
だってそんなの、言ったところでどうなるわけ?
話したところで、徳永さんには500万返さなきゃいけないことに変わりはないし。違うといえば、1人で返すか2人で返すか、それだけのことだ。
「今日、直央くんち行ってみたら、別の人が住んでたよ。今日から越してきたって言ってた」
あぁ…やっぱりもう、俺はあそこには戻れないんだ…。
俺、これから、どこに帰ればいいのかな…。
「もしかして、アイツに逃げられちゃったとか?」
「…………」
「なぁ、そうなんだろ?」
これ以上、この人に隠し事できないって思って、俺は黙って頷いた。そしたらそのまま顔を上げることが出来なくなった。
何か、泣きたくなった。
この先どうやっていこうっていう不安もあるけど、何でアイツ、いなくなっちゃったのかなぁっていう、悲しみ。
原因は借金だろうけど、何で俺に黙っていなくなっちゃったのかな?
逃げるのに、俺、邪魔だったのかな? 最初から、俺に借金押し付けて、逃げるつもりだったのかな?
鼻の奥がツン…と痛くなる。
あぁ、俺って、情けない男だなぁ……いい大人が人前で泣くなんて。
「……ぇ…」
徳永さんの手が俺の髪に触れて、そのまま顔を上に向かせた。ヤダなぁ、俺、泣いてんのに。
「逃げられたって、昨日の話?」
「…………ん…。バイトから帰ったら…」
俺は昨日からのことを、すべて徳永さんに話した。
いつの間にかアパートも引き払われてたこと。財布の中には3,000円ちょっとしかなくて、預金残高はマイナスだったこと。連絡先も分からなくて、アイツにはもう連絡がつかないこと。
俺もアイツも身寄りはないから、ほかに連絡する場所もないんだ。
「捜さねぇの?」
「捜しようもないし……そんなことするより、別のバイト見つけるほうが先かなって」
「コンビニとスタンド、辞めんの?」
「辞めないけど、それだけじゃ足らないから。それに、住むとこも探さないといけないし」
アイツは俺を残して逃げたんだから、きっとそう簡単には見つからないところにいると思う。
そんなことに金と時間を使うくらいなら、バイト探したり、住むとこ探したりするほうが、よっぽど懸命だ。
だって俺は、今日ここを出たら、行くとこがないんだから。
そういえば、何でこの人、俺のこと"直央くん"って呼ぶんだろ。別にいいけど。
っていうか、それより! 俺の考えてること、想像が付いちゃうって、そんなの…。
「なぁ、ホントのこと話してみ?」
「……別に、ホントも嘘も、ない…」
だってそんなの、言ったところでどうなるわけ?
話したところで、徳永さんには500万返さなきゃいけないことに変わりはないし。違うといえば、1人で返すか2人で返すか、それだけのことだ。
「今日、直央くんち行ってみたら、別の人が住んでたよ。今日から越してきたって言ってた」
あぁ…やっぱりもう、俺はあそこには戻れないんだ…。
俺、これから、どこに帰ればいいのかな…。
「もしかして、アイツに逃げられちゃったとか?」
「…………」
「なぁ、そうなんだろ?」
これ以上、この人に隠し事できないって思って、俺は黙って頷いた。そしたらそのまま顔を上げることが出来なくなった。
何か、泣きたくなった。
この先どうやっていこうっていう不安もあるけど、何でアイツ、いなくなっちゃったのかなぁっていう、悲しみ。
原因は借金だろうけど、何で俺に黙っていなくなっちゃったのかな?
逃げるのに、俺、邪魔だったのかな? 最初から、俺に借金押し付けて、逃げるつもりだったのかな?
鼻の奥がツン…と痛くなる。
あぁ、俺って、情けない男だなぁ……いい大人が人前で泣くなんて。
「……ぇ…」
徳永さんの手が俺の髪に触れて、そのまま顔を上に向かせた。ヤダなぁ、俺、泣いてんのに。
「逃げられたって、昨日の話?」
「…………ん…。バイトから帰ったら…」
俺は昨日からのことを、すべて徳永さんに話した。
いつの間にかアパートも引き払われてたこと。財布の中には3,000円ちょっとしかなくて、預金残高はマイナスだったこと。連絡先も分からなくて、アイツにはもう連絡がつかないこと。
俺もアイツも身寄りはないから、ほかに連絡する場所もないんだ。
「捜さねぇの?」
「捜しようもないし……そんなことするより、別のバイト見つけるほうが先かなって」
「コンビニとスタンド、辞めんの?」
「辞めないけど、それだけじゃ足らないから。それに、住むとこも探さないといけないし」
アイツは俺を残して逃げたんだから、きっとそう簡単には見つからないところにいると思う。
そんなことに金と時間を使うくらいなら、バイト探したり、住むとこ探したりするほうが、よっぽど懸命だ。
だって俺は、今日ここを出たら、行くとこがないんだから。
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5. 利子の変わりにちゅーさせて (4)
2010.07.04 Sun
「相変わらずお人好しでかわいいねぇ、直央くん」
「はぁ?」
今、かわいいって言った? この人。
何? 今の、俺に言ったの? 何だろ、そういう冗談がお金持ちの人の間じゃ流行ってんのかな?
それよりもその前に言った"お人好し"っての、褒められてんの? 貶されてんの?
「それよかさぁ、これからは直央くんが、1人で500万返していくわけじゃん?」
「はぁ…」
「俺の言うこと聞いてくれたら、とりあえず利子の分、チャラにしてやってもいいけど」
「ホントですか!? やります、何でもやります!」
こうなったらもう、怖いモンなしだ。
それこそもう、失うものなんて何にもないし。
「じゃあ……利子の代わりにちゅーさせて?」
「………………………………」
……………………??
…………え?
……ん?
「えええぇぇ~~~!!!???」
ちゅ、ちゅーってことは、えっと、えっと、それって、あの"ちゅー"のこと? えっと、あの、あの……
「俺……男なんですけど…」
「知ってるよ」
知ってるよって……知ってるなら、何で!?
金持ちの間じゃ、男同士でキスすんの!? 俺、貧乏だからよく分かんないっ…!!
「ねぇ、させてくれる?」
「あ、あの……男だって分かってるなら、何で…?」
「んー? いや、前からかわいいなぁって思ってたし」
よ…よく分かんない! その感覚、全然分かんない!! 俺のどこ見て、かわいいとか言ってんの!?
こんな借金まみれの小汚い男を捕まえて、一体全体どこがかわいいって言うの!?
「ダメ?」
「え、あ…あの、ホントにそれで、利子の分、チャラにしてくれるんですか…?」
男とキスなんかしたことないけど(っていうか、ここしばらく女の子ともしてないけど)、でもそれでホントに利子分チャラにしてくれるって言うなら、俺、がんばる!!
「もちろん」
「じゃ…じゃあ、お願いします…」
とは言ったものの、どうしていいか分かんなくて、俺よりちょっと高い位置にある徳永さんの顔をジッと見つめてたら、徳永さんに「フッ…」って笑われた。
「はぁ?」
今、かわいいって言った? この人。
何? 今の、俺に言ったの? 何だろ、そういう冗談がお金持ちの人の間じゃ流行ってんのかな?
それよりもその前に言った"お人好し"っての、褒められてんの? 貶されてんの?
「それよかさぁ、これからは直央くんが、1人で500万返していくわけじゃん?」
「はぁ…」
「俺の言うこと聞いてくれたら、とりあえず利子の分、チャラにしてやってもいいけど」
「ホントですか!? やります、何でもやります!」
こうなったらもう、怖いモンなしだ。
それこそもう、失うものなんて何にもないし。
「じゃあ……利子の代わりにちゅーさせて?」
「………………………………」
……………………??
…………え?
……ん?
「えええぇぇ~~~!!!???」
ちゅ、ちゅーってことは、えっと、えっと、それって、あの"ちゅー"のこと? えっと、あの、あの……
「俺……男なんですけど…」
「知ってるよ」
知ってるよって……知ってるなら、何で!?
金持ちの間じゃ、男同士でキスすんの!? 俺、貧乏だからよく分かんないっ…!!
「ねぇ、させてくれる?」
「あ、あの……男だって分かってるなら、何で…?」
「んー? いや、前からかわいいなぁって思ってたし」
よ…よく分かんない! その感覚、全然分かんない!! 俺のどこ見て、かわいいとか言ってんの!?
こんな借金まみれの小汚い男を捕まえて、一体全体どこがかわいいって言うの!?
「ダメ?」
「え、あ…あの、ホントにそれで、利子の分、チャラにしてくれるんですか…?」
男とキスなんかしたことないけど(っていうか、ここしばらく女の子ともしてないけど)、でもそれでホントに利子分チャラにしてくれるって言うなら、俺、がんばる!!
「もちろん」
「じゃ…じゃあ、お願いします…」
とは言ったものの、どうしていいか分かんなくて、俺よりちょっと高い位置にある徳永さんの顔をジッと見つめてたら、徳永さんに「フッ…」って笑われた。
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5. 利子の変わりにちゅーさせて (5)
2010.07.05 Mon
「目、くらい瞑ろうぜ?」
「あ、はい!」
言われて、俺は慌てて目を閉じた。
ひぃっ、何か怖いっ!! さっきは怖いモンなしなんて言ったけど、やっぱ怖いよ! 俺って超だせぇ。
でも怖くてギュって目を瞑ってたら、徳永さんの顔が近付いてくる気配を感じる。
徳永さんの手が俺の顎を押さえて、唇が触れる。
中学生じゃあるまいし、でもすげぇガチガチになってる、俺。
「―――ッ…!!!???」
え、え、ええぇぇ~~~!!??
し、舌がっ! 徳永さんの舌が、口の中にっ!!
ウソッ、ちゅーでしょ、だって!! こ、こんなのもう"ちゅー"の粋を出てるよぉ!!
「ん、んっ…んー!!」
く、苦しいっ!!
息継ぎしたくて首を捻ろうとしたけど、徳永さんにがっしり押さえ込まれてて、それも叶わず。
角度を変えたりしながら、徳永さんの舌が俺の口の中を動き回ってる。
ヤバイ……何か頭がボーっとしてきた……どうしよう、俺、このまま窒息死しちゃったら…。
「ふあっ…!!」
俺が頭の片隅で死を覚悟した瞬間、唐突に徳永さんの唇が離れて、俺を押さえてた手も放れて、支えを失った俺の体は、そのまま床にペタンってなった。
「は…ふぅ…」
良かった……生きてる…。
「どうした? キスだけで腰が砕けちゃった?」
笑いながら徳永さんが俺の前に屈んだ。
「息、出来なくて……で、」
「ねぇ、まさかこれがファーストキスだとか言わないよね?」
「ちっ違います!! キスくらいしたことあります!」
俺だって、もう23歳だし!
それにいくら何でも、ファーストキスが男だっていうんじゃ、悲しすぎる!!
「あぁ、失礼。いや、そうじゃなくてね、こういうキス。自分から女の子にしたことあるの?」
「な…何でそんなこと、話さなきゃ…!!」
「もしかして直央くん、童貞?」
「mqあcうぇdrかb;vcp;@!!!???」
「当たりだ!」
「あ、はい!」
言われて、俺は慌てて目を閉じた。
ひぃっ、何か怖いっ!! さっきは怖いモンなしなんて言ったけど、やっぱ怖いよ! 俺って超だせぇ。
でも怖くてギュって目を瞑ってたら、徳永さんの顔が近付いてくる気配を感じる。
徳永さんの手が俺の顎を押さえて、唇が触れる。
中学生じゃあるまいし、でもすげぇガチガチになってる、俺。
「―――ッ…!!!???」
え、え、ええぇぇ~~~!!??
し、舌がっ! 徳永さんの舌が、口の中にっ!!
ウソッ、ちゅーでしょ、だって!! こ、こんなのもう"ちゅー"の粋を出てるよぉ!!
「ん、んっ…んー!!」
く、苦しいっ!!
息継ぎしたくて首を捻ろうとしたけど、徳永さんにがっしり押さえ込まれてて、それも叶わず。
角度を変えたりしながら、徳永さんの舌が俺の口の中を動き回ってる。
ヤバイ……何か頭がボーっとしてきた……どうしよう、俺、このまま窒息死しちゃったら…。
「ふあっ…!!」
俺が頭の片隅で死を覚悟した瞬間、唐突に徳永さんの唇が離れて、俺を押さえてた手も放れて、支えを失った俺の体は、そのまま床にペタンってなった。
「は…ふぅ…」
良かった……生きてる…。
「どうした? キスだけで腰が砕けちゃった?」
笑いながら徳永さんが俺の前に屈んだ。
「息、出来なくて……で、」
「ねぇ、まさかこれがファーストキスだとか言わないよね?」
「ちっ違います!! キスくらいしたことあります!」
俺だって、もう23歳だし!
それにいくら何でも、ファーストキスが男だっていうんじゃ、悲しすぎる!!
「あぁ、失礼。いや、そうじゃなくてね、こういうキス。自分から女の子にしたことあるの?」
「な…何でそんなこと、話さなきゃ…!!」
「もしかして直央くん、童貞?」
「mqあcうぇdrかb;vcp;@!!!???」
「当たりだ!」
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