ジキタリス
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ジキタリス 05
2008.10.21 Tue
ナツと一緒にやって来たヒロは、予想どおりの反応だった。
蒼ちゃんがいるのに驚いて、それから俺の存在に気が付いた瞬間、おっきな目ん玉が零れ落ちるくらいに目を見開いて、ビックリしてた。
「え? え?」
キョドキョド。
俺ら3人を見回すヒロ。
ナツと蒼ちゃんは大爆笑。
俺もつられて笑う。
状況を把握できてないヒロだけが、口をポカンと開けたまま呆然としてる。
「いや、ヒロを蓮(レン)に会わせたくて」
笑いながらも、ナツが事の次第を説明してやる。
こないだ雑誌の対談で話したことが、知らぬ間に勝手に実現させられてしまっていたのだとようやく理解したらしく、「はぁ~」なんて気の抜けた声を出して、ヒロは俺の横に座った(ナツが蒼ちゃんの隣に座ったから)。
「……どうも」
ペコリ、頭を下げるヒロ。
世間のイメージどおり、真面目そうな雰囲気が伝わってくる。
でもこの前、ここの裏階段のトコでキスしてたけどね(男と)。
「ヒロ、何飲む?」
ナツに聞かれて、ヒロは「ウーロン茶」なんて、つまんない返事をしてる。
「もう、20歳過ぎたんだろ?」
「そう…ですけど」
「酒、飲めないの?」
「そういうわけじゃ…」
俺としては、普通に聞いてただけなのに、ナツに「蓮、あんまり絡むなよ」て咎められた。
この間の失敗があるから、当分はお酒のことでナツには逆らえない。仕方なくドリンクメニューを引っ込めた。
蒼ちゃんがいるのに驚いて、それから俺の存在に気が付いた瞬間、おっきな目ん玉が零れ落ちるくらいに目を見開いて、ビックリしてた。
「え? え?」
キョドキョド。
俺ら3人を見回すヒロ。
ナツと蒼ちゃんは大爆笑。
俺もつられて笑う。
状況を把握できてないヒロだけが、口をポカンと開けたまま呆然としてる。
「いや、ヒロを蓮(レン)に会わせたくて」
笑いながらも、ナツが事の次第を説明してやる。
こないだ雑誌の対談で話したことが、知らぬ間に勝手に実現させられてしまっていたのだとようやく理解したらしく、「はぁ~」なんて気の抜けた声を出して、ヒロは俺の横に座った(ナツが蒼ちゃんの隣に座ったから)。
「……どうも」
ペコリ、頭を下げるヒロ。
世間のイメージどおり、真面目そうな雰囲気が伝わってくる。
でもこの前、ここの裏階段のトコでキスしてたけどね(男と)。
「ヒロ、何飲む?」
ナツに聞かれて、ヒロは「ウーロン茶」なんて、つまんない返事をしてる。
「もう、20歳過ぎたんだろ?」
「そう…ですけど」
「酒、飲めないの?」
「そういうわけじゃ…」
俺としては、普通に聞いてただけなのに、ナツに「蓮、あんまり絡むなよ」て咎められた。
この間の失敗があるから、当分はお酒のことでナツには逆らえない。仕方なくドリンクメニューを引っ込めた。
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ジキタリス 06
2008.10.22 Wed
トイレに向かったヒロを追い掛ける。
この前と違って、ヒロは裏階段のほうには行かなかった。
トイレの前で待ち伏せる。
「え、」
出てきたところで声を掛けたら、ヒロは大げさなくらい肩を跳ね上げた。
「な…何ですか?」
「はい」
「え? あ、これ俺の…」
そんなに大きくないバッグと、ニットキャップ。ヒロの。
席立つときに、自分のと一緒に持って来た。
「出よ?」
「え? だってナツくんたち…」
「いいから」
「お金…」
「平気だよ」
ナツたちには、適当に言って抜け出してきた。
それにしても、お金の心配するなんて、ホントに真面目だね(こういうときは、素直に先輩に奢らせておけばいいんだよ)。
「別のトコで飲み直そうよ」
「2人で、ですか?」
「ヤダ?」
「いや、そうじゃなくて…」
「だってヒロ、ナツとか蒼ちゃんがいたら、お酒飲めないでしょ? だから2人だけで飲も?」
何だか、気のない女の子を口説いてるみたい。
でも、後もう一押し?
「ね?」
笑顔で詰め寄れば、ヒロは無言で頷いた。
この前と違って、ヒロは裏階段のほうには行かなかった。
トイレの前で待ち伏せる。
「え、」
出てきたところで声を掛けたら、ヒロは大げさなくらい肩を跳ね上げた。
「な…何ですか?」
「はい」
「え? あ、これ俺の…」
そんなに大きくないバッグと、ニットキャップ。ヒロの。
席立つときに、自分のと一緒に持って来た。
「出よ?」
「え? だってナツくんたち…」
「いいから」
「お金…」
「平気だよ」
ナツたちには、適当に言って抜け出してきた。
それにしても、お金の心配するなんて、ホントに真面目だね(こういうときは、素直に先輩に奢らせておけばいいんだよ)。
「別のトコで飲み直そうよ」
「2人で、ですか?」
「ヤダ?」
「いや、そうじゃなくて…」
「だってヒロ、ナツとか蒼ちゃんがいたら、お酒飲めないでしょ? だから2人だけで飲も?」
何だか、気のない女の子を口説いてるみたい。
でも、後もう一押し?
「ね?」
笑顔で詰め寄れば、ヒロは無言で頷いた。
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ジキタリス 07
2008.10.23 Thu
向かったのは、俺の行き付けにしてる店。
さっきよりもずっと静かで、人も少ない。
ヒロがそわそわ落ち着かないのは、俺と2人きりだから? それともこういう雰囲気に慣れてない?
「何飲む?」
「…、」
ヒロは困ったように眉毛を下げた。
今度は、「ウーロン茶」って言っても、助けてくれるナツがいない。
「あんまり強くないのを…」
「お酒、弱いんだ?」
「……たぶん。普段、飲まないんで」
「ふぅん」
俺は大体飲むのが決まってるし、何が弱いのかなんてよく分かんないから、アルコールが弱い女の子が前に頼んでた何とかサワーっての、ヒロのために頼んでやった。
「でも、」
「ん?」
「ナツくんたち置いて来ちゃって、ホントに良かったんですか?」
まだそんなこと言ってるの?
挨拶もなしに帰ってきたの、そんなに気になる?
「いいの。俺がちゃんと言っといたから」
ヒロと帰るって言ったときの、ナツと蒼ちゃんの驚いた顔。
ホント、笑っちゃう。
「そんなの気にしなくていいから、飲も?」
そう言って、到着したグラスを傾ければ、ヒロは少し視線を彷徨わせた後、グラスを手に取った。
さっきよりもずっと静かで、人も少ない。
ヒロがそわそわ落ち着かないのは、俺と2人きりだから? それともこういう雰囲気に慣れてない?
「何飲む?」
「…、」
ヒロは困ったように眉毛を下げた。
今度は、「ウーロン茶」って言っても、助けてくれるナツがいない。
「あんまり強くないのを…」
「お酒、弱いんだ?」
「……たぶん。普段、飲まないんで」
「ふぅん」
俺は大体飲むのが決まってるし、何が弱いのかなんてよく分かんないから、アルコールが弱い女の子が前に頼んでた何とかサワーっての、ヒロのために頼んでやった。
「でも、」
「ん?」
「ナツくんたち置いて来ちゃって、ホントに良かったんですか?」
まだそんなこと言ってるの?
挨拶もなしに帰ってきたの、そんなに気になる?
「いいの。俺がちゃんと言っといたから」
ヒロと帰るって言ったときの、ナツと蒼ちゃんの驚いた顔。
ホント、笑っちゃう。
「そんなの気にしなくていいから、飲も?」
そう言って、到着したグラスを傾ければ、ヒロは少し視線を彷徨わせた後、グラスを手に取った。
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ジキタリス 08
2008.10.23 Thu
アルコールに弱いと言ったヒロの言葉は嘘ではなくて、2杯めを半分も空けないうちに、顔を赤くしてる。
切り出すなら、今だ(これ以上飲ませたら、きっと話どころじゃない)。
「ヒロ、あのクラブ、よく行くの?」
「え?」
トロリとした瞳が、俺を映す。
「さっきのトコ。行くの、今日が初めてじゃないよね?」
「…」
酔いの回った表情が、徐々に正気を取り戻していく。
俺の言葉の真意を、探ろうとしてるの?
「―――――……その話がしたくて、俺を誘ったんですね?」
頭のいい子。
何の話か、すぐに分かったみたい。
「見ちゃった。ヒロがキスしてるとこ」
「…………トイレの脇の、裏階段」
「そ」
意味を含ませて笑い掛けたのに、ヒロは表情を変えない。
「そうですか。見ちゃったんですか」
「…、」
今度は逆に、ヒロが深い笑みを浮かべる。
「でも俺も、見ちゃったんですよね」
「…え?」
「あの日、蓮くんが女の子に引っ叩かれてるの」
「、」
切り出すなら、今だ(これ以上飲ませたら、きっと話どころじゃない)。
「ヒロ、あのクラブ、よく行くの?」
「え?」
トロリとした瞳が、俺を映す。
「さっきのトコ。行くの、今日が初めてじゃないよね?」
「…」
酔いの回った表情が、徐々に正気を取り戻していく。
俺の言葉の真意を、探ろうとしてるの?
「―――――……その話がしたくて、俺を誘ったんですね?」
頭のいい子。
何の話か、すぐに分かったみたい。
「見ちゃった。ヒロがキスしてるとこ」
「…………トイレの脇の、裏階段」
「そ」
意味を含ませて笑い掛けたのに、ヒロは表情を変えない。
「そうですか。見ちゃったんですか」
「…、」
今度は逆に、ヒロが深い笑みを浮かべる。
「でも俺も、見ちゃったんですよね」
「…え?」
「あの日、蓮くんが女の子に引っ叩かれてるの」
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ジキタリス 09
2008.10.24 Fri
嫌な感じだ。
ヒロに、優位を取られてるみたい。
「俺、あぁいう修羅場、見たの初めて」
「うるせぇ」
「サイテー、て言われてた」
「うるせぇっつの」
思い出したくもない過去を、引き摺り出しやがって。
「そんなに怒らないでくださいよ」
「お前のせいだろ?」
「先に仕掛けてきたのは、蓮くんですよ」
氷が融けて薄まったサワー。
クルクル。
グラスを揺らして、楽しそうなヒロ。
俺は、楽しくない。
「そうだよ、お前が男と楽しく乳繰り合ってたころ、俺は女に振られて酒飲んでぐれてたんだよ」
「乳繰り…」
「そこで照れんなよ」
てか、"男と"ってとこ、否定も誤魔化しもしないのな。
「アイツ、彼氏なの?」
「そうです」
「ヒロって、ホモだったんだ」
「はい」
「女の子、嫌いなの?」
「好きですよ。昔は女の子と付き合ったこともあるし」
「セックスとか」
「どっちと?」
「女の子」
「しましたよ」
「男は?」
「します」
「ふぅん」
変なの。
真面目なはずのヒロと、セックスの話、してる。
ナツとか蒼ちゃんとか、知ってんのかな? 知らないだろうな。
ヒロに、優位を取られてるみたい。
「俺、あぁいう修羅場、見たの初めて」
「うるせぇ」
「サイテー、て言われてた」
「うるせぇっつの」
思い出したくもない過去を、引き摺り出しやがって。
「そんなに怒らないでくださいよ」
「お前のせいだろ?」
「先に仕掛けてきたのは、蓮くんですよ」
氷が融けて薄まったサワー。
クルクル。
グラスを揺らして、楽しそうなヒロ。
俺は、楽しくない。
「そうだよ、お前が男と楽しく乳繰り合ってたころ、俺は女に振られて酒飲んでぐれてたんだよ」
「乳繰り…」
「そこで照れんなよ」
てか、"男と"ってとこ、否定も誤魔化しもしないのな。
「アイツ、彼氏なの?」
「そうです」
「ヒロって、ホモだったんだ」
「はい」
「女の子、嫌いなの?」
「好きですよ。昔は女の子と付き合ったこともあるし」
「セックスとか」
「どっちと?」
「女の子」
「しましたよ」
「男は?」
「します」
「ふぅん」
変なの。
真面目なはずのヒロと、セックスの話、してる。
ナツとか蒼ちゃんとか、知ってんのかな? 知らないだろうな。
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